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子供から漢字を忘れた大人まで利用できる「平仮名変換サイト」


 最近、日本語をテーマにしたクイズ番組が増えてきましたよね。TBSの「クイズ!日本語王」とか、フジテレビの「タモリのジャポニカロゴス」とか。漢字の読み方や送り仮名など、改めて聞かれると答えられないこともけっこう多くて、ああいう番組を見ていると、なんだか自分が小学生に戻ったような気分になりますな。

 実はこの感覚、インターネットのWebサイトを見ているときにもよく感じます。新聞や雑誌では読者の読みやすさを考えて、どの漢字を平仮名にするかといった基準がきちんと設けられていますが、Webサイトは個人によって漢字の使い方がマチマチです。中には漢字だらけでかなり読みにくいサイトもありますよね。PCで入力すると多少難しい漢字でもパッと出てきちゃうので、安易に漢字だらけの文章にしてしまいがちです。でも、そういうサイトを読む方は困りますよね。もし読めない漢字に遭遇したら、コピー&ペーストして辞書で調べれば解決しますが、いちいち辞書を引くのもけっこう面倒なものです。

 やたらと漢字の多いサイトを読むときに、「いっそのこと、全部に振り仮名を振ってくれ~」なんて思うのはアタシだけではないでしょう。そんな方にオススメなのが、最近登場し始めた「平仮名変換サイト」です。サイトをまるごと英語から日本語に翻訳してくれるWebサイトがありますが、アレの日本語版ですね。「オレは漢字の知識が豊富だから関係ないよ!」というそこのアナタ、お子さんや外国人の友だちにこのサイトを教えてあげれば、きっと感謝されますよ~。





URLを入力するだけでルビ付きのWebサイトに変換

 この手のサイトで有名なのは、なんといっても「ひらひらのひらがなめがね」でしょう。早口言葉みたいなタイトルのこのサイト、トップページにアクセスするといきなり漢字に振り仮名が振ってあって驚きます。なんせ、Webサイトで“ルビ”を見ること自体、珍しいですからね。デザインはヒジョーにシンプルで、使い方もカンタン。振り仮名を振りたいWebサイトのURLを入力して、「GO」ボタンをクリックするだけです。

 とりあえず、われらが「Broadband Watch」のトップページに振り仮名を付けてみましょう。「http://」の後に「bb.watch.impress.co.jp/」と入力して「GO」を押すと、出ました! 本文だけでなく、右や左のメニューまでもがすべてルビ付きの文章になっています。日付にまで「じゅういちがつ」なんて振り仮名が振ってあるのを見ると、「そこまでしてくれなくても良いよ!」という気になりますが、外国人や子どもが学習目的で使うことを考えたら、これも必要なことなのかもしれません。振り仮名の文字の大きさも適度に小さくて、なかなか読みやすいですね。


「ひらひらのひらがなめがね」トップページ 変換例




使い勝手もバツグン

 ただし、漢字の読み方については完璧というわけではありません。日付の後ろに付ける曜日の「水」に「みず」と振り仮名を振ったり、「各色」を「かくしょく」ではなく「かくいろ」と、音読みと訓読みを混ぜてしまうミスがありました。また、「霊幻道士(れいげんどうし)」という固有名詞に「れいまぼろしどうし」という振り仮名を付けてしまうこともありました。まあこの辺りはコンピュータが判断していることなので仕方がないかもしれませんね。今の時点でも実使用に耐えうるクオリティには十分達していると思いますし、今後、改良が進めばさらに精度が上がっていくのではないでしょうか。

 さて、今度は変換したサイトの中から、どれかリンクをクリックしてみましょう。リンク先のページにも、振り仮名が振られて表示されるはずです。つまり、1回「ひらひらのひらがなめがね」で変換するだけで、その後にクリックするサイトについてはすべて自動的に振り仮名を振ってくれるというわけで、使い勝手もなかなか良好です。

 ちなみにこのサイト、外国人が読むこともしっかり想定していて、英語・韓国語・中国語・広東語・タイ語と、トップページの表記を5カ国語で表記することが可能です。これなら外国人の人にも勧めやすいですよね。





平仮名変換機能付きの検索エンジン

 平仮名変換サイトは「ひらひらのひらがなめがね」だけではありません。「キッズgoo」でも、さまざまなWebサイトを平仮名に変換できます。こちらはタイトル通り、子ども向けのサイトです。まずはトップページの「キッズgooサーチ」コーナーで、何かキーワードを入力して「けんさく」ボタンをクリックしてみましょう。検索結果画面の上の方に、「ふりがなの設定」という項目が表示されるはずです。デフォルトでは「ふりがな なし」となっているので、「ふりがな あり」の方を選んで「ひょうじ」ボタンを押します。

 すると、検索結果画面が平仮名に変換されて表示されます。そのまま検索結果の1つをクリックすれば、振り仮名付きのWebサイトが表示されるというわけです。ちなみにこの検索エンジンにはフィルタリングがかかっていて、子どもが見るのに不適切だと判断されたWebサイトは表示されないようになっています。「ひょうじ」ボタンの横にある「?」ボタンを押せばわかりやすいヘルプがすぐに見られるようになっているので、これなら子どもに使わせても安心ですね。


「キッズgooサーチ」トップページ 検索結果




振り仮名の有無を手軽に切り替え可能

 また、「ひらひらのひらがなめがね」と違って、キッズgooの検索エンジンからアクセスした場合は、ブラウザの上部にキッズgooのフレームが表示されます。ここでは検索結果画面に表示されたものと同じように、「ふりがな あり」「ふりがな なし」が選べるようになっていて、どちらかを選んで「ひょうじ」ボタンをクリックすることで、簡単に振り仮名の有無が切り替えられるようになっています。これは使い勝手がイイですね。通常は振り仮名が無い状態で読んでいて、もしわからない漢字に出会ったら、パッと切り替えればすぐに読み方が調べられます。

 このフレームには、平仮名変換のほかに「お気に入りにとうろく(IEのみ)」というボタンも用意されていたりと、なかなか便利です。フレームを外したい場合も、右端にある「ここから上のわくをはずす」というボタンを押せばすぐに外せます。

 このように、子どもが使うことを前提に作っただけあって、かなり使いやすいインターフェイスになっていますが、1つだけ不満な点があります。それは、「ひらひらのひらがなめがね」のようにURLを直接指定して平仮名変換させられないこと。これはフィルタリングの関係上、できないようにしているのかもしれませんが、フレーム枠で平仮名の有無が切り替えられるなど、大人が使っても便利な機能があるだけに、ちょっと惜しいですね。

 まあ理想を言えばこのようなサービスに頼る必要がないくらい漢字に強くなれば良いんでしょうが、現実はそうも言ってられません。何よりも、こういうWebサイトを通して、読めない漢字をそのまま放置せず、その都度調べるクセを付ければ、自然と読み方の知識も身に付くのではないでしょうか。では、また!


上部に表示されるフレーム

関連情報

URL
  ひらひらのひらがなめがね
  http://www.hiragana.jp/
  キッズgoo
  http://kids.goo.ne.jp/
  キッズgooサーチ
  http://kids.goo.ne.jp/navi_top.html

2005/11/21 14:22

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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