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「国民生活センター」のWebサイトを活用して買い物上手になろう


「国民生活センター」トップページ
 昨年の一番寒かったとき、風邪を引いてしまったことがありました。どうも乾燥で喉がやられたようで、急きょ近所の店で加湿器を買うことにしたんですね。

 ところが、この加湿器がイマイチでした。使い勝手が今ひとつでメンテナンスしにくく、水垢がこびりついて結局1シーズンのみしか保ちませんでした。こういう家電を買うとき、アタシはいつもインターネットで情報を集めてから買うことにしているんですが、このときは「とにかく加湿器なら何でもいいや」という気分だったんですね。事前に調べないで買うとハズレを引く可能性が高いもので、案の定、家電関係の掲示板などを見てみると、評判があまり良くありませんでした。一昔前と違って、今やさまざまな商品の評判をネットで調べられる時代となりました。何かを買う前には、あらかじめネットで評判を調べて、よく検討してから買った方が良いですね。

 ただし、掲示板やblogの意見を100%信用するのも危険です。ある人によっては最悪なものも、別の人にとっては良い商品だったというケースもありますからね。掲示板などで、同じ商品に対する意見が180度違う人同士、言い争いをしている姿というのはよく見る光景です。そういう場面に出くわして、どちらを信用したら良いのかわからなくなってしまったときに頼りになるサイトが、「国民生活センター」です。国民生活センターというと消費者のための国の機関ですが、このサイトのデータベースがけっこう使えるんですね~。上手に活用すれば、さまざまな商品の性能をしっかり判断できるようになりますよ!





テストレポートやリコール情報を探せる検索エンジン

 トップページは公的な組織らしく味気ないシンプルなデザインですが、その分情報が整理されていてわかりやすいです。まずは検索エンジンを使ってみましょう。「ことばで探す」というキーワード欄に、「加湿器」「電子レンジ」「洗濯機」といった商品ジャンルを入力して、「検索」ボタンを押してみます。たとえば「加湿器」で検索した場合、「加湿器の商品テスト」といったテストレポートや、「ペットボトル加湿器の安全性」「スチーム式加湿器で乳幼児が重いやけど」といったトラブル報告、さらにさまざまなメーカーのリコール情報などが表示されます。「テストレポート」はPDFファイルで提供されていますが、いろいろな商品について、テストの目的や実施時期、方法などが詳しくまとめられていて、なかなか読み応えがありますよ。

 また、単に結果を出すだけでなく、最後に消費者へのアドバイスや業界への要望なども添えられているので、購入するときの参考にしやすいです。商品ごとの性能を見極められるのももちろんですが、全体を通して読むことで、その商品を買うときはどんな点に注目してチェックすれば良いのかも学べますよね。

 リコール情報も便利ですね。このような情報を商品ごとにまとめているサイトというのは意外と少ないですが、この検索機能を使えば、どのメーカーがどんなリコール情報を出しているかが一目瞭然です。これもまた、購入する際に参考になるでしょう。


「加湿器」で検索 テストレポート




役に立つ情報満載の原因究明テスト結果

 検索エンジンは全文検索なので、商品ジャンルだけでなく、具体的な商品名やメーカー名などでも検索できます。つまり、「松下」や「ソニー」で検索すれば、そのメーカーについての情報が載っている資料だけをピックアップできるわけですね。また、「高齢者」「乳幼児」といった言葉で検索すると、高齢者や乳幼児が使う場合に注意が必要な商品や、高齢者や乳幼児が巻き込まれた事故やトラブルが表示されます。「架空請求」とか「ワン切り」などの犯罪名で検索しても良いかもしれませんね。キーワードの組み合わせを工夫すれば、いろいろな情報が手に入りますよ。

 ちなみに「商品テスト結果」や「インターネットトラブル」、「悪質商法」などジャンル別に資料を調べたい場合は、トップページの「HOT・ほっと・人気コーナー」や「ア・ラ・カ・ル・ト」を見れば、ジャンル別のリストの資料を見られます。アタシが好きなのは、「ア・ラ・カ・ル・ト」の中の「原因究明テスト結果」ですね。これは国民生活センターが各地の消費者センターからの依頼により実施したテストの結果をレポートしたもので、消費者の素朴な疑問に答えた貴重な情報を満載しています。

 たとえば、「ユニット浴室の換気扇から浴槽に黄色の滴が落ちるが、これは何か」といった質問に、「ダクトに付着していた黄色の生成物の成分は、入浴剤の成分の1つである硫酸塩(SO4)と、以前使用していた入浴剤の成分の1つであるビタミンB2(黄色)などである」といった具合にテスト結果が報告されます。消費者はこれを見れば、「あの黄色の滴は、入浴剤だったんだな」と安心できるわけですね。このほか、「この商品ってホントに効果あるの?」といった疑問に対して、実際に効果を計測してみた結果が載っているので面白いです。未知の商品を通販などで買う場合は、購入前に一度このデータベースを調べてみてはいかがでしょうか?


メーカー名で検索 原因究明テスト結果




消費者から寄せられた相談内容のデータベース

 実はこのサイト、全文検索だけでなく、もう一つ検索システムがあります。トップページ上部のリンクに表示されている「消費者生活相談データベース」をクリックしてみましょう。このコーナーでは、全国の消費生活センターと国民生活センターに寄せられた「消費生活相談情報」を、なんと過去5年度分まで遡って調べられます。このデータベースで使える機能は、「商品・サービス」や「主な相談内容」などで検索できる「検索・集計」、販売方法ごとに年度別相談件数をグラフ表示できる「グラフコーナー」、そして話題のテーマについての相談事例をチェックできる「最近の話題」の3つです。

 この内、「検索・集計」で検索できる項目は17もあり、商品内容や相談内容だけでなく、性別や年齢、地域といった被害者のプロフィールや、危害内容などトラブルの種類でも検索できます。項目を組み合わせることで、多角的な視点で相談情報を分析できるので、この手の情報に興味ある人にはぜひおオススメです。

 また、「グラフコーナー」では「アポイントメントセールス」や「サイドビジネス商法」、「アンケート商法」などの「主な販売方法・手口」と、「店舗購入」や「訪問販売」などの「販売購入形態」の2種類の切り口から、年度別の相談件数を表示できます。どんな商法での相談件数が、どれくらい伸びているかということが一目でわかりますよ。

 さらに、「最近の話題」でも、「商品・サービス関連」や「販売手口や商法・販売購入形態関連」など、さまざまなカテゴリの話題について相談レポートを公開しています。たとえば最近公開されたレポートの中には、巷を賑わせている「アスベスト」に関する相談などタイムリーな話題もあって、ヒジョーに役に立ちます。

 このように、私たちが生活する上で気を付けておきたい身近な話題がぎっしり詰まったこのサイト、上手く活用して、賢い消費者になりましょう!


消費者生活相談データベース「検索・集計」 消費者生活相談データベース「グラフコーナー」

関連情報

URL
  国民生活センター
  http://www.kokusen.go.jp/

2005/11/28 11:10

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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