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難しい漢字もすばやく検索できる「漢ぺき君」で年末の読書も怖くない


「超漢字検索難読漢字辞典」トップページ
 いや~もうすぐ大晦日ですね。すでに年末年始の休暇に入った人もいると思いますが、こういう休暇を利用して、じっくり長編小説でも読みたいものですな。アタシもこの機会に読みたかった本をドーンと図書館から借りてきて、正月休みに読もうと思っています。ところで、小説やエッセイなどを読んでいると、たまに読めない漢字に出くわすことがありますよね。そんなとき、アタシはすかさずPCやWebサイト上の電子辞書で調べるようにしているんですが、漢字を探すのってけっこう面倒くさいものです。これは電子辞書に限らず、紙の漢和辞典にもいえることですが、画数や部首で検索する場合、候補数の多さに嫌気が差してくることがあります。同じ画数、同じ部首の漢字ってのはごまんとありますからね。

 それでもPCの場合は手書き入力が使えるからまだマシかもしれませんが、この手書き入力というのもなかなかクセモノで、マウスでの入力は操作が微妙で難しいし、筆順を間違えると正しく認識しないこともあります。てなわけで、「もっと簡単に漢字を検索できないかな?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そんな人にぴったりのサイトが最近になって登場しました。その名も「超漢字検索難読漢字辞典 powered by 漢ぺき君」というサイトです。実はこのサイト、今までにない画期的な方法で漢字を探せる漢字辞典なんです。これを使えば今までよりもすばやく漢字を検索できますよ!





構成要素の頭文字をつなげてキーワードに

 それではまず、「漢ぺき君」という検索法についてご紹介しましょう。これは同サイトを運営しているサンルイ・ワードバンクが開発した検索法で、「開発のあゆみ」というコーナーを見ると、もうかれこれ15年以上もの歴史があるそうです。検索のやり方は、いたってカンタン。漢字の構成要素をバラバラにして、それぞれのパーツの頭文字を筆順に並べて、これをキーワードに漢字を探すだけです。

 たとえば、「聞」という漢字の場合、「門」と「耳」に分解します。この場合、各構成要素の頭文字は「も」と「み」になるので、「もみ」というキーワードで探すわけです。「休」だったら、「にんべん」と「木」になるので、キーワードは「にき」ですね。「海」なら「さんずい」と「毎」なのでキーワードは「さま」または「さご」になります。3文字のときも、そのまま並べるだけで、「解」は「角」と「刀」と「牛」なのでキーワードは「かかう」に、「携」は「てへん」と「ふるとり」と「乃」なので、「てふの」になります。キーワードは3文字までで、4文字目以降は省略となります。おそらく、3文字使えばほとんどの漢字が少数に絞れてしまうからでしょうね。なお、収録されている漢字は、JIS第1・第2水準までだそうです。

 また、構成要素の形がカタカナに似てる場合、カタカナ読みを頭文字として使える場合もあります。「甬」という漢字の場合、「マ」と「用」ということで、「まよ」または「まも」というキーワードで検索できます。こういう風に、カタカナ読みまで許容してしまう気軽さがイイですね。これなら子どもでも簡単に使えます。


「漢ぺき君」トップページ




読み方がわからない場合は「ん」で代用

 もし構成要素の読み方がわからない場合も、心配することはありません。こんな場合は、わからない部分を「ん」で置き換えます。たとえば、「漢」のキーワードを考える場合に、「さんずい」と「くさかんむり」はわかるけど、あともう1つがわからない場合、「さくん」というキーワードで検索することになります。「挟」という文字で「てへん」しかわからない場合はキーワードは「てん」、「厳」という文字で「敢」しかわからない場合はキーワードは「んあ」ですね。「ん」で置き換える場合、「さんん」などと連続で表記するのは不可です。読めない要素が複数あるときは、1つの「ん」にまとめましょう。

 このように、読み方がわからない場合の対処法も示されている点が、この検索法の優れたところです。ただし、ときにはすべての構成要素の読み方がわからず、途方に暮れてしまうような字もあります。そんなときは総画数による検索も可能としています。

 この検索法による辞書や、PC用の漢字変換ソフトなどはすでに市販されていますが、今年になって、ついにインターネット版の辞書サービスが提供されることになりました。使ってみるとわかりますが、この検索法は実にPCに向いてます。なんせ漢字の構成要素を目で確認して選ぶ必要がなく、平仮名だけで指定できるんですから。電子辞書が主流になりつつある今の時代にぴったりな検索法といえるのではないでしょうか。





難読熟語も調べられる

 それではインターネット版の方を使ってみましょう。トップページにアクセスすると、小さな検索窓が表示されるので、ここに「漢ぺき君」のやり方で導いたキーワードを入力して「検索」ボタンを押します。これだけで、そのキーワードの条件に適合する漢字のリストが、検索結果として表示されます。なお、トップページの検索窓の横にあるリンクに、「主な部首名」というコーナーがあり、ここにはさまざまな部首の読み方のリストが書かれているので、もし読み方がわからない場合はここで調べましょう。

 さて、検索結果の中に探している漢字が見つかったら、それをクリックしてみましょう。文字コードや漢字検定の級数、読み方などに加えて、その漢字を使った熟語のリストも出てきます。たとえば、「海」という文字の場合、「海驢(アシカ)」とか、「海馬(セイウチ・アシカ・トド・たつのおとしご)」、「胡麻斑海豹(ゴマフアザラシ)」、「海内無双(かいだいむそう)」といった、読むのがちょっと難しい熟語のリストがズラ~ッと表示されます。難読漢字を調べられるだけでなく、難読熟語までフォローしている点はすばらしいですね。この検索エンジンでは「漢ぺき君」方式のキーワード入力のほかに、漢字を直接入力することも可能なので、難読熟語の辞書としても使えますよ。


「さご」で検索 「海」の検索結果

主要な部首などの読み方




候補数の少なさが最大の魅力

 というわけで、従来の漢和辞典よりも簡単に漢字を探せるこのサイト、かなり便利だということがおわかりいただけたかと思います。まあ普通の漢和辞典を使い慣れた人なら別に必要ないと思うかもしれませんが、このサイトに訪れた人のアンケート投票を見ると、なんと90%以上もの人が「漢ぺき君」方式の漢和辞典は必要である、と答えています。やはり一番の魅力は、検索した場合に表示される候補数が少なく、すぐに目的の漢字を見つけられる点でしょうね。

 従来の漢和辞典だと、「候補数が多すぎて探すのが大変!」という思いをよくしますから、これは助かります。今後はケータイ版も2006年の春に運用を開始する予定だそうなので、要注目ですね。ケータイで使えるようになれば、図書館に行って本を読んでいるときなんかにも、気軽に漢字を調べられます。難読語を読む機会の多い人や、漢字に弱い人は、ブックマークに入れておいて損はないと思いますよ。それではみなさん、良いお年を!


アンケート投票結果

関連情報

URL
  超漢字検索難読漢字辞典 powered by 漢ぺき君
  http://www.kanpeki.jp
  漢ぺき君
  http://www.sanrui.co.jp/

2005/12/26 11:17

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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