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話題のキーワードをビジュアルで表現する「Blog Keyword Visualizer」


 いやーおかげさまでこの連載もついに200回を迎えました。これもみな、読者のみなさんやウォッチ編集部のスタッフのみなさんのおかげというわけで、ホントに大感謝! 連載が始まった頃と比べると、ブロードバンドを取りまく状況も大きく変わりました。もはや常時接続は当たり前になったし、ブロードバンドコンテンツもかなり充実してきましたからね。

 あと、ブログが登場したことも大きいです。ブログの良さはいろいろあるけど、アタシ的に最も魅力なのは、大手マスコミが扱わない話題に気付かせてくれることですね。一度大きな事件が起こると、テレビや新聞はそればかりになってしまいがちです。でも、世の中にはもっと色んな問題があるわけで、たとえば今年はレタスが高騰しているんですが、そういうことはつい忘れられてしまいがちです。そんなとき、誰かが「今年はレタスが高くてやってらんねー!」というようなことをブログに書いてくれると、レタスが大好きでかなりツライ毎日を過ごしているアタシはなにか嬉しくなるもんです。ブログってのは、そんな風に大手メディアでは取り上げられなかったり、扱いが小さかったりする話題を、掘り起こしてくれることがあるんですね。

 そういうブログならではの利点を生かしたソフトが、最近公開されました。あのSo-netが提供している「Blog Keyword Visualizer」というツールです。実はこれ、同社が最近始めた「Web2.0サロン」というサイトの第一弾サービスとして提供されているものなんです。Web2.0というのは、次世代のWebの技術や、サービスのあり方についての総称みたいなものとして使われ始めた言葉ですが、このサイトはそんなWeb2.0を推進していくために作られたサイトなんですね。いわば、「Blog Keyword Visualizer」は次世代のWebサービスを追求するために、実験的に提供されているわけです。新しいものに敏感な人は、要チェックですよ!


「Blog Keyword Visualizer」トップページ 「Web2.0サロン」トップページ




多彩なキーワードが四方に拡散

 まずはソフトのインストールです。「ダウンロード」ボタンをクリックしてインストールファイルをダウンロードして実行します。なお、インストールにあたっては「Microsoft .Net Framework 1.1」が必要なので、Windows 2000のユーザーは注意してください。

 インストールが終わったら、さっそく起動してみましょう。真っ白なウインドウが立ち上がり、真ん中に8つの小さな丸が表示されます。そのまま見ていると、何やらキーワードがポコポコ浮かび上がってきます。これらのキーワードは、Blog Keyword Visualizerが国内の主要なブログサイトから抽出した固有名詞や、コンテンツ名称なんです。キーワード同士は線で結ばれていて、そのまま四方に拡散していきます。フワフワと漂って流れていくので、ちょっと落ち着きませんが、キーワードの上にマウスのポインタを重ねると位置が固定されます。

 そのままキーワードをダブルクリックすると、So-netの検索エンジンに飛び、検索結果が表示されます。キーワードの内容は、それこそ千差万別。有名人の名前やらコンピュータ用語やら、映画や書籍のタイトル、企業名、アスキーアート、掲示板での決まり文句など、ありとあらゆる言葉がどんどんあふれ出してきて、まるで言葉の洪水のようです。


起動時の画面 キーワードが次から次へと出現

検索画面




ブログ同士の結びつきをビジュアルで表現

 一方、キーワードの連結は、ブログそのものを表わしています。たとえば「ブロードバンド」というキーワードと、「ウォッチ」というキーワードが線で結ばれていたら、これは「ブロードバンド」と「ウォッチ」というキーワードを両方とも含むブログがあることを示しているわけです。試しにこれらの線の上にマウスのポインタを重ねてみましょう。ブログの一文がポップアップで表示されます。そのまま線をダブルクリックすると、Webブラウザが立ち上がってブログのサイトが表示されます。

 つまりこの線は、そのキーワードがブログの中で、何らかの関連性を持って語られていることを意味しているわけです。結びつくのは2つだけではなく、もう1つのキーワードと結びついて三角形を作ったり、1つのキーワードに対して複数のキーワードが結びついたりして複雑な図形に発展し、次第にひとかたまりのキーワードの集団を形作っていきます。そして、ときには集団の中のキーワードの一つが、他の集団のキーワードと結びついたりもします。この場合、集団同士が結びつくことで、さらなる大集団へと発展します。

 キーワードが白い空間を漂いながら、どんどん集団を形成していくさまは、まるで生き物が成長していくのを見ているような感じで、なんとも不思議な気分になりますよ。キーワードを介することでブログ同士が結びついていく様子を、ビジュアルによって見事に表現しています。





ジャンルごとにブログを分類

 キーワードの位置を全体的に把握したいときは、マウスのホイールを回すか、キーボードの「PageUp」「PageDown」キーをタイプしましょう。画面が縮小・拡大できます。また、右クリックのままドラッグすれば、視点も変えられます。これだけ多量のキーワードの動きを追うのだから、「けっこうマシンパワーがいるのでは?」と心配しましたが、アタシの持っているPentiumIII 1GHz・メモリ384MBのPCでも、けっこうスムーズなスクロールが得られました。画面を縮小するとキーワードが消えて点だけになり、シンプルな画面になるので、負担は軽く済んでいるようです。

 さて、そのまま画面を縮小してくと、四方に「society」「life」「entertainment」「economy」「computer」「sports」の6つのジャンル名が表示されているのがわかると思います。実はこれ、ブログの記事のジャンルを示しています。キーワードを抽出する際に、ブログのジャンルを自動分類して、分類されたものは各カテゴリーの場所から出てくるようになっています。ちなみに起動時に見た、画面の中央から出てくるキーワードは、分類できなかった「その他」のブログというわけですね。一見すると、大量のキーワードが飛びかっていてわけがわからなくなりそうですが、このように大まかなジャンル分けをしてくれることで、自分の好きなジャンルに絞ってブログを探せます。


縮小画面




出現頻度を表すキーワードの背景色

 ところでキーワードの背景色がそれぞれ違っていますが、この色はキーワードが出現する頻度を表しています。出現する頻度が増えていくと、青、緑、黄、橙、赤の順で変わっていくというわけです。多くのキーワードがぶらさがっている人気のキーワードは、橙か赤の場合が多いですね。たとえば、2月の中旬くらいにこのソフトを使ってみたら、「バレンタイン」という言葉が大人気で、赤色をしてました。このような人気のキーワードは、世間の人が今、何に興味を持っているかを如実に表わしているわけで、まさに話題の中心というわけです。その一方で、キーワードの結びつきが少ないマイナーな話題も周辺に漂っています。そういうキーワードにも注目してみると、思わぬ発見をすることがあります。

 ブログ上で使われているありとあらゆる「言葉」を抽出して、その結びつきをビジュアルで表現したこのBlog Keyword Visualizer、見ているだけで世の中のさまざまな動きやトレンドがわかりますよ。このソフトの提供期間は1月23日から約3カ月を予定しているそうなので、次世代のWebサービスを体感してみたい方は、ぜひ早めにお試しあれ!


関連情報

URL
  Blog Keyword Visualizer
  http://www.so-net.ne.jp/web2/bkv/
  Web2.0サロン
  http://www.so-net.ne.jp/web2/

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下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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