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gooラボの「評判検索実験」と「Q&A検索実験」を体験


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 ポータルサイト「goo」と「NTT研究所」とのコラボレーションで運営している「gooラボ」は、次世代のWebサービスの実験の場として幅広い人気を集めています。この連載でも何度も取り上げていますが、最近になって新サービスのリリースが相次いでいるようですね。中でもこの春にリリースされた「評判検索実験」と「Q&A検索実験」という2つの検索サービスはスゴイですよ。

 「評判検索実験」の方は、あるものに対しての評判を肯定的か否定的かで分類して、その割合を示すというサービスです。つまり、気になる商品や人物、組織への世の中の評価たちどころにわかってしまうというスグレモノなんですね。

 もう1つの「Q&A検索実験」の方は、さまざまなサイトから集めた質問・回答を検索できるサービスです。いずれも今までにない切り口の検索サービスで、まさに次世代の検索サービスとしてふさわしい画期的なものです。今回はこの2つの検索サービスの使い心地をレビューしてみましょう。





キーワードに対する評判を2つに分類

 まずは「評判検索実験」を見てみましょう。この検索システムは、入力したキーワードに対する「評判」を調べることができます。たとえば今年の春、日本が見事に優勝を果たした「WBC(ワールドベースボールクラシック)」というキーワードで検索してみます。

 結果を見ると、普通の検索エンジンとは少し違って、検索結果のリストの上に評判検索のコーナーが表示されます。これは「WBC」に対して、さまざまなWebサイトでどのように評価されているかを抽出したものです。評価のキーワードは、そのニュアンスに応じて「Good」「Bad」の2つに分けられています。つまり、肯定的な意見か否定的な意見かのどちらかに分類されるわけですね。

 「WBC」の例でいうと、「Good」には「素晴らしい!」「大好き!」「よかった」「良く」「いい」「良かったです」などといった言葉が並んでおり、「Bad」には「残念です」「オススメできません」「心配です」「組んで欲しかった」「非難」といった言葉が並びます。

 さらに、評判検索結果の横には円グラフが表示されて、「Good」と「Bad」の比率がわかるようになっています。「WBC」の場合、大体6:4という感じになりました。そのキーワードに対して、世間がどのように評価しているかを示しているというわけですね。


「評判検索実験」 「WBC」で検索




評判元のサイトをリスト表示

検索結果をリスト表示
 さらに各キーワードをクリックすると、評判のソースになったサイトのリストが表示されます。たとえば、「素晴らしい!」という言葉をクリックすると、「世界一なんて素晴らしい!」という文が含まれる個人のblogなどが出てきます。ただし、必ずしもWBCそのものを“素晴らしい”といっているサイトだけではなくて、出場選手の1人のプレイが素晴らしいといっているサイトもあります。中には、単に野球を好きな人がまったく別の話題について“素晴らしい”という言葉を使っているだけのときもありました。

 同じことが、否定的意見についてもいえます。たとえば「WBC」で検索した場合、「心配です」というキーワードが否定的意見として抽出されていたのですが、この中には「なんだか嬉しい反面、心配です」などと書かれたサイトもありました。この場合、けっしてWBCを全否定しているわけではないので、果たして「否定的意見」として捉えていいのかは疑問です。このような問題があるので、「Good」と「Bad」の比率を表わした円グラフも、参考程度に思った方が良いでしょう。人間が手作業で分類しているわけではないので仕方がないことですが、ユーザーはこのような問題があることを認識した上で使う必要があります。

 何よりも、このサービスのコンセプト自体は今までにないもので、ヒジョーに素晴らしいと思います。検索の対象となるのはblogだけでなく、新聞やラジオなどのメディアのサイト、一般企業のサイトなども含まれているようで、カバーする範囲は幅広いです。いろいろなキーワードで試してみて、さまざまな商品や人に対する評判を調べてみてはいかがでしょうか。





2種類のQ&A検索を使い分け

 今度は「Q&A検索」の方を見てみましょう。こちらは、Q&Aサイト「教えて!goo」や、さまざまなサイトから集めた質問や回答集を、キーワードで検索できます。たとえばこれから6月に入って梅雨のシーズンに入ると、悩まされるのが「カビ」ですね。カビの防止法や、生えてしまったカビの掃除の仕方を調べたい場合は、「カビ」というキーワードを入力して「教えて!」ボタンを押します。すると、「教えて!goo」から、カビについての検索結果が表示されます。「風呂場のカビ」「木製品のカビをとるには?」「タンスに付着したカビ!」など、カビ関連の質問や回答が、1,920件も抽出されました。

 次は、「教えて!」ボタンの横にある「Q&A」を検索してみましょう。今度は「教えて!goo」以外の、いろいろなサイトの質問・回答集を検索した結果が表示されます。マンション住まいの悩みに答えるハウツーサイトや、ログハウスの管理に関する質問サイト、リフォーム会社のサイト、掃除代行業のサイトなど、幅広いジャンルのサイトの検索結果が表示されます。中には、カメラのレンズに発生したカビについてのQ&Aを掲載したカメラメーカーのサイトもありました。「教えて!goo」の方は、個人によるアドバイスが多いですが、こちらの方は企業による質問・回答集が多く、プロの意見が聞けます。

 たとえば、人間関係などの悩みなど微妙な問題については「教えて!goo」で調べて、生活や趣味のハウツーなど具体的なことについては「Q&A」の方を利用したりと、質問の内容によって2種類の検索のどちらを参考にするか使い分けるといいでしょう。両方の結果を組み合わせて判断しても良いかもしれませんね。


「Q&A検索」 「カビ」で検索




各キーワードの比率を調節

複数のキーワードで検索
 なお、検索結果のリストを見ると、各項目に葉っぱのような形をしたグラフがあることにお気づきかと思います。これは、タイトルの意味をグラフの形にあらわしたもので、この形が、キーワードの意味グラフと似ている質問が上位に表示されます。複数のキーワードで検索した場合は、各キーワードをそれぞれどれくらい重視するかという比率を、この項目でスライダーで調節できるようになっています。

 たとえば「ブロードバンド」「回線」「遅い」というキーワードで検索した場合、「遅い」の比率を高めると、意味グラフの形もそれに連動して変形して、「遅い」というキーワードを重視した検索結果となります。

 また、検索結果の各項目のタイトルの横に「似た質問を検索」というリンクがありますが、これをクリックすると、検索された質問項目と意味が似た質問を検索できます。検索結果に目当ての情報が見つからない場合は、これをクリックして再度検索すると、もっと適確な質問と回答が見つかるかもしれませんよ。

 というわけで今回は、「評判検索」と「Q&A検索」という2つの新しい検索システムをご紹介しました。いずれも従来にはない斬新な検索システムで、早く実験段階を終えて本格スタートしてもらいたいですね。では、また!


関連情報

URL
  gooラボ
  http://labs.goo.ne.jp/
  評判検索実験
  http://repu.nttrd.com/repu.html
  Q&A検索
  http://qa.nttrd.com/qa.html

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2006/05/08 11:09

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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