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事件・事後が発生した場所を地図から確認できる「ハザードマップ」


「ハザードマップ」トップページ
 ようやく暑さも和らいできましたね。過ごしやすい気候になって行楽に出かける人も多いと思いますが、旅先での事故やトラブルには気を付けたいものです。アタシもお盆の頃に北アルプスの山を登りに行ったんですが、ちょうど同じ時期に山道を滑落して亡くなった方もいてビックリしましたよ。こういう事故のニュースを聞くと、「自分も気を付けなくちゃ」と身が引き締まります。さまざまなニュースを見て、教訓にしていかなければと思いますね。

 そのために大切なのが、よくいわれる「5W1H」です。「誰が(Who)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どうやって(How)」という6つの要素を抑えることが、ニュースの全容を理解する上で重要になるわけですね。ただし、この中で1つだけ、記事をテキストで読んでいるだけではピンと来ないものがあります。それは「Where」ですね。身近なところで起きた事件ならともかく、日本全国津々浦々の街の名前や位置を正確に把握している人というのは、ほとんどいません。ニュースを聞いても、「この街、どこだったっけ?」とよくわからない場合がけっこう多いのではないでしょうか。

 そんな人にオススメなのが、「ハザードマップ」というサイトです。ここは、ニュースが起きた「場所」に関する情報を見やすく表示してくれる便利なサイトです。どこでどんな事件が起きたかを地図上で整理して見られるので、事件の位置関係が一目瞭然ですよ。地図情報が付いた新しいスタイルのニュースサイトとして要注目!





Google Maps APIを使用

 トップページには、左にニュースの一覧が、右にマップが並んでいます。このマップ、どこかで見たことがあるとは思いませんか? そう、これはあの「Google Maps」のAPIを使った地図なんです。Google Mapsといえば地図サイトの定番の1つで、マウスのドラッグ操作で地図をスムーズに移動させることができるなど、使いやすい操作性が魅力です。Google Mapsを使い慣れた人なら、このサイトも何の違和感もなくすぐ使いこなせるでしょう。

 また、衛星写真が見られるのもイイですね。地図画面の右上にある「サテライト」というボタンをクリックするだけで、現在表示中の地図画面をワンタッチで衛星写真に切り替えられます。地形の凹凸がわかりやすいので、山間部などを見るときには便利です。もちろん、衛星写真に県境は県名などを加えたデュアル表示も可能ですよ。


衛星写真画面 デュアル画面




吹き出しでニュース情報を表示

 さて、地図上をよく見ると、画面のあちこちに何やらマンガの吹き出しのようなマークがあります。これが「ハザードマップ」のニュース情報です。吹き出しマークの中からどれか1つを選んでクリックしてみましょう。クリックした部分からさらに大きな吹き出しが表示されて、そこにニュース記事のタイトルなどが表示されます。同じ場所で複数の事件が起きている場合は、1つの吹き出しの中に複数の記事がリストされるようになっています。吹き出しがいくつか重なっている部分は、隣接したエリアで記事が重なっているせいなので、拡大すれば見やすくなりますよ。

 これらのニュースは、ハザードマップが各ニュースサイトを定期的に収集して、その上で事件が起きた場所をマッピングしたものです。収集する事件は、主に傷害事件や凶悪事件などを中心に集めているそうです。市民の安全が脅かされるような事件が、どんな場所で起きているかを地図上で視覚化することによって、このサイトを見る人に注意を喚起させることが狙いというわけですね。

 吹き出しの中には、タイトルだけでなく記事のリンクも表示されているので、こちらをクリックしてみましょう。ウインドウが立ち上がって、その記事が掲載されているニュースサイトが表示されます。また、各記事に対してコメントを付けることも可能です。将来的にはこの機能を発展させて、掲示板機能やニュース共有機能などが加わるかもしれませんね。


ニュースを表示 コメント投稿画面




フィルタでカテゴリ別に表示可能

「事件」フィルタ
 記事の種類によってフィルタをかけることも可能です。左下の「ハザードフィルタ」というコーナーを見てください。ここでは、「メディア」「地域」「事件」「職業」「期間」の5つの要素でニュースを絞り込めます。各フィルタで条件を選択してから、「再描画」ボタンを押すだけで、条件に合ったニュースだけを表示させることが可能です。

 「メディア」というのは、ニュースソースの種類です。「朝日新聞」「読売新聞」などの有名な全国紙から、「東奥日報」「徳島新聞」などの地方紙まで、このサイトの情報収集先の新聞社名がズラリと並んでいるので、各新聞社ごとに絞れます。

 「事件」というカテゴリにも注目です。これは事件の種類によってカテゴリ別に分けられる機能で、メニューには「殺人」「傷害」「強盗」「窃盗」「盗撮」など、いろいろなジャンルで絞り込めます。たとえば「窃盗」で絞り込んだ場合、特定のエリアで妙に空き巣が連続していたりとか、1つ1つの記事を読んでいるだけではわからないような事実が浮かび上がったりします。「放火」や「詐欺」など、連続して起きやすい事件について調べるときは、この機能をフルに生かせますね。





職業別でもフィルタリング可能

「職業」フィルタ
 また、「職業」というカテゴリも見逃せません。これは事件に関わった職業でフィルタをかけられる機能です。選択できるメニューは、「男児・女児」「小学生」「中学生」といった子どもから、「教諭・教授」「医師・看護師」「議員」「職員」「会社員」「無職」とさまざまです。

 たとえば「男児・女児」でフィルタをかけた場合、幼い子どもが被害者に遭った事件などに絞ってピックアップできるし、「教諭・教授」を選べば、学校関係の不祥事ばかりを見ることができます。議員に関係した事件は大都市に集中していたり、「少年・少女」に関係した事件は地方にもまんべんなく起きていたりと、フィルタを駆使することによって、さまざまな切り口から事件を見ることができます。事件の位置関係をわかりやすく整理するだけで、こんなにいろいろなことがわかるってのは新鮮な驚きですね。みなさんも、興味を持った事件について、このサイトで位置情報を調べてみましょう。ひょっとしたら思わぬ発見があるかもしれませんよ。

 なお、今後もこのサイトでは検索機能や収集対象メディアを順次拡大させていく予定だというから楽しみですね。ニュースサイトと組み合わせて、便利な情報ツールとして活用してみてはいかがでしょうか。それでは、また!


関連情報

URL
  ハザードマップ
  http://hazard.knecht.jp/
  関連記事:Google Mapsと事件報道を組み合わせた「ハザードマップ」[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/06/15/12343.html

2006/09/14 11:08

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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