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いざという時に医療や医薬品の情報が調べられる医学辞典サイト


 先日、久しぶりに熱を出して寝込んでしまいました。ここ数年は風邪を引くことなんてなかったんですが、たまに引いたと思ったら、なかなか熱が下がらなくて焦りましたね。あまりにも症状が長引くので、少し心配になってインターネットでいろいろと調べちゃいましたよ。「家庭の医学」みたいな本を持ってない者にとって、インターネットは本当に便利なものです。ちょっと検索すれば、いろいろな病気の知識が学べますからね。病気にかかったときというのは誰でも心細くなるので、こういうサイトがあると勇気付けられるものです。

 とくに最近は、医療に関する情報を検索できるサイトが増えています。こういうサイトをふだんからチェックしておけば、いざ病に伏せったときに、すばやく対処法を探し出せますよ。病院に行く前に、知識を仕入れておくのにも最適です。というわけで、今回はアタシがオススメの「医学辞典サイト」をご紹介しましょう。





長い歴史を持つ医学書

 まずご紹介するのは、「メルクマニュアル医学百科」です。「メルクマニュアル」というのは米メルク社が非営利事業として提供している本で、最初に出版されたのは1899年。内容は重要な疾患から身近な健康問題までを幅広くカバーします。そんな歴史ある医学書のWeb版が、このサイトというわけです。医学書というと一般の人はあまり見る機会はありませんが、このサイトを見れば誰でも気軽に読めます。利用しない手はありませんよ。

 トップページはシンプルな作りで、とてもわかりやすいです。検索窓に病名やウイルス名などのキーワードを入れるだけで、そのキーワードが含まれる項目を検索できます。たとえば「糖尿病」で検索した場合、なんと337件もヒットします。内容は、栄養に関する一般的な考察や、ビタミンの欠乏症、肥満の合併症など、さまざまな項目が出てきます。情報量はかなり多いですよ。もし検索結果が多すぎる場合は、続けて絞り込み検索も行なえるようになっていて、使い勝手も抜群です。

 フリーワード検索のほかに、索引から項目を選んでいく方法や、目次からたどっていく方法も用意されています。目次から見ていけば、本をめくるような感覚で読めるわけですね。医学のことを学びたい人にとっては、参考書としてかなり役立つのではないでしょうか。





一般の人でも読みやすい家庭版

 さらに、このサイトには「家庭版」も用意されています。医師向けの「メルクマニュアル医学百科」をベースに書かれた家庭向けの辞典で、こちらの方が一般の人が読みやすい内容になっています。試しに「メルクマニュアル医学百科」と同じように「糖尿病」で検索してみましょう。こちらでは、索引からの検索と本文からの検索の2種類の検索結果が表示されます。まず、「索引からの検索」の一番上にある「糖尿病:症状」という項目をクリックしてみましょう。この項目では、「糖尿病は、体がインスリンを十分に産生しないために血糖(ブドウ糖)値が異常に高くなる病気です」と、糖尿病とはどんな病気なのかをきちんと説明しています。これなら、医学知識に乏しい一般の人でも、安心して読むことができますよね。

 また、左メニューの「セクション」を見ると、「知っておきたい基礎知識」「薬についての基礎知識」「心臓と血管の病気」「肺と気道の病気」と、項目別に分かれています。なんとなく肺に違和感がある場合は、肺に関する項目を読めばいいわけですね。男性・女性・小児など、年代や性別ごとに起こりやすい健康上の問題も項目別にまとめられているので、健康に不安のある人は知識として学んでおくといいと思います。

 さらに、このサイトならではのユニークな点として、動画や音声コンテンツが収録されている点が挙げられます。左メニューの下の方にある「マルチメディア」という項目をクリックしてみましょう。「アニメーション」「写真」「オーディオ」「ビデオ」と4項目が用意されています。食道の働きを解説したアニメや、新生児の心拍と呼吸音を収録した音声、内視鏡検査を写したビデオなど、多彩なコンテンツが収録されていて、実に見応えがありますよ。ちなみにこのオンライン版は、定期的に情報が更新されているそうです。医学というのは日々進歩していますから、このように情報を更新してくれるのはありがたいですね。





シンプルながらも使い勝手のいい辞典

「医学辞典」トップページ
 次にご紹介するのは、「医学辞典」というサイトです。米国での事例や症例を元にデータ化された辞典で、約20名の医療機関専門医の監修を受けているとのことです。使い方はカンタンで、検索窓にキーワードを入力して「Seatch!」ボタンを押すだけです。「糖尿病」で検索した場合のヒット数は311件。「メルクマニュアル医学百科」に比べるとちょっと少ないですが、それでも十分な情報量があります。

 さて、「糖尿病」の検索結果の内、4番目の「糖尿病」という項目をクリックしてみましょう。詳細な解説が表示されます。ここでは、「定義」「原因と危険因子」「予防」「症状」「兆候と検査」「治療」など、細かく項目分けされていて、とても見やすいです。また、「メルクマニュアル医学百科」と違って、本文の中にハイパーリンクが埋め込まれているので、何かわからない用語があっても、クリックすればすぐにその言葉の内容を調べられます。サイトのデザインなどは凝っていない簡素な作りですが、細かい使い勝手はヒジョーに良好ですよ。





医薬品の情報も充実

 また、このサイトはちょっとした医薬品データベースとしても使えます。たとえば鎮痛剤として定番の「バファリン」というキーワードで検索してみると、「経口サリチル酸塩」「アスピリン過剰摂取」「アセトアミノフェン」という3件がヒットします。検索結果を読んでみると、「経口サリチル酸塩」の「一般名称」の中に、このバファリンという商品が含まれていました。このように、私たちが普段使っている身近な薬についても調べられるので便利ですね。適切な使用法に加えて、「喉への刺激を避けるために、薬の服用後は少なくとも20分~30分は横にならないほうがよいでしょう」といった簡単なアドバイスも載っています。病院で貰った薬について調べたいときなどにも、このデータベースがかなり役立つでしょう。

 医療情報だけでなく医薬品の情報も調べられる総合的な医療サイトとして、このサイトはとても優れていると思います。場合に応じて、「メルクマニュアル医学百科」と使い分けてくださいね。では、また!


関連情報

URL
  メルクマニュアル医学百科
  http://merckmanual.banyu.co.jp/
  医学辞典
  http://www.kirishimacho.com/housecall/

2006/10/19 11:16

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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