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複数の辞書サイトを横断検索できる「Weblio」


「Weblio」トップページ
 最近、近所の100円ショップに行ったら書籍関係が充実していたので驚きました。小説や雑学本、子ども向けのドリルなど、種類も豊富です。もちろんカバーはかかっていないし紙質もそれなりで簡素な作りですが、なにしろ100円です。気軽に読書を楽しむには十分な金額ですね。中でも興味を持ったのは辞書でした。国語辞典や漢和辞典、英和辞典などのほかに、類語辞典まであります。数年前までは、辞書が100円で買えるなんて誰も想像してなかったんじゃないでしょうか。新品の辞書を数冊まとめて購入しても1,000円に満たないんですから、アタシみたいな辞書好きにはたまりません。

 そういえばインターネットで無料の辞書が登場したときも、似たようなコーフンを覚えました。それまでは必要な辞書ソフトをいちいちパッケージで購入しなければならなかったのが、Webの辞書サービスを使えばタダで利用できるので、ヒジョーに感動しましたね。その後、さまざまなポータルサイトで辞書を取り扱うようになったり、Wikipediaのようなユーザー参加型の百科事典などが登場して、今やインターネットはそれ自体が巨大な辞書コンテンツのような存在になってきました。

 ただ、インターネット上の辞書サイトには串刺し検索がやりづらいという問題もあります。EPWINGなどの規格に基づいたパッケージの辞書ソフトなら、複数の辞書を組み合わせての串刺し検索は簡単ですが、インターネットの場合は好きな辞書サイトを一緒に横断検索するとなると、なかなか難しい。ところがそんな問題を解決するための画期的なサイトがあります。「Weblio」というサイトがコレ。このサイトを利用すれば、さまざまな辞書サイトを自由に横断検索できますよ。





200以上もの辞書をカバー

「ビジネス」カテゴリの辞書リスト
 トップページにアクセスすると、検索窓の下に膨大な数の辞書名がズラリと並んでいます。これらの辞書すべてを、このサイトから直接検索できるというのだからすばらしいですね。カテゴリは「ビジネス」「業界用語」「コンピュータ」「乗り物」「工学」「建築・不動産」など、計17種類。中には「人名」「方言」なんてのもあります。各カテゴリにそれぞれかなりの数の辞書が登録されていて、たとえば「ビジネス」カテゴリには「MBA用語集」「資格大辞典」「職業図鑑」など、普通の辞書とはひと味違った辞書もカバーしています。

 また、「乗り物」カテゴリでは「陸上自衛隊装備品」「電車図鑑」「消防装備」、「文化」カテゴリでは「刀剣用語解説集」「能面図鑑」「世界の流通コイン」など、マニアックな辞書も揃っています。さらに、「コンピュータ」カテゴリでは「携帯電話」という項目がキャリア別に並んでいます。これは携帯電話の機種データベースで、機種名などで検索するとスペックや概要を調べられます。普通の辞書と同じ感覚で、携帯電話の機種を調べられるので便利ですよ。

 5月中旬現在で、すべての辞書の登録件数は241。これまで知らなかった辞書サイトやデータベースサイトがぎっしり並んでいるので、このリストを見ているだけでも面白いです。





一度の検索ですべての辞書を横断検索

 検索方法はいたってカンタンです。普通の検索エンジンと同じように、検索窓にキーワードを入力して「検索」ボタンをクリックするだけ。これだけでキーワードが含まれている辞書と、その意味が表示されます。たとえば「ブロードバンド」というキーワードで検索してみましょう。一番上にスポンサーリンクが表示されて、その下には大学の研究室が提供する「時事用語のABC」、次に広告業界専門の求人サイト「広告転職.com」が提供する「広告用語辞典」、その次にはビデオリサーチが提供している「視聴率関連用語」、農林水産省が提供する「農林水産関係用語集」、「weblio」が独自に提供する「IT用語辞典バイナリ」、ウィキペディアと続きます。

 「ブロードバンド」と1回入力しただけで、6種類もの辞書や用語集が一度に引けるわけですね。さらにamazonでの商品検索も掲載されていて、ここを見ればブロードバンドに関してどんな書籍があるのかを調べられます。

 これだけの辞書を横断検索できるのは、まさに圧巻の一言ですよ。ちなみに、もし検索窓に入力したキーワードに該当する項目がない場合は、そのキーワードで辞書の全文を検索する仕組みになっています。


「ブロードバンド」の検索結果 全文検索の結果




キーボードショートカットも可能

ハイライト表示
 細かい使い勝手も良好です。たとえば右メニューの「ジャンプ」には辞書のタイトルがリストとして並んでおり、各項目をクリックするとその本文に飛べるようになっています。ページ上部にはキーワードのハイライト表示ボタンも用意されていて、これをクリックすると検索したキーワードの強調表示が可能です。

 また、「Shift+l」でハイライト表示、「Shift+r」で検索結果のランダム表示、「Shift+q」でキーワードの検索窓に移動、「Shift+t」でページトップに移動と、キーボードショートカットも用意されています。辞書というのはテキストエディタやワープロなど、ほかのソフトと併用することが多いので、キーボードショートカットがあるとすばやく操作できて便利ですね。

 このほか、右メニューでは検索したキーワードの前後にリストされたキーワードを一覧できたり、キーワードのアクセスランキングを閲覧できたりします。「ランダム表示」ボタンも面白いですね。とくに目的なくさまざまなページを見たいときには、このボタンを利用すればいろいろなキーワードでの検索結果を見られます。アイディアに煮詰まったときなどは、このランダムボタンを使って気分転換を図ってみてはいかがでしょうか。





独自の辞書も用意

 特定の辞書を指定して検索したい場合は、トップページの辞書リストの中から辞書名を直接クリックしましょう。各辞書の索引は、キーワードが50音別やアルファベット別にリスト化されているので、このリストを使えば調べたい言葉をすばやく探せます。

 同サイトに登録されている辞書はポータルサイトや一般企業が提供している辞書コンテンツやデータベースですが、中には「IT用語辞典バイナリ」や「weblio類語辞典」など、「weblio」が独自に提供している辞書もあります。このようなマッシュアップサイトというのは、情報ソースをすべてほかのサイトに頼ってしまうケースが多いのですが、このサイトの場合は独自のコンテンツを加えることによって、さらに全体のクオリティを高めているところが素晴らしいですね。

 とくに「weblio類語辞典」は、類語辞典とシソーラス辞書を一度に検索できるので、文章をよく書く人にとってはヒジョーに重宝します。ほかの辞書同士を関連付ける役割も果たしていて、この類語辞典のおかげで思わぬ関連用語に出会えたりすることもあります。辞書好きな人はもちろん、ビジネス文書を書くときなどにもぜひ役立ててみてくださいね。では、また!


「時事用語のABC」索引 「Weblio類語辞典」索引

関連情報

URL
  Weblio
  http://www.weblio.jp/

2007/06/07 11:01

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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