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次世代の検索インターフェイスを体験できる「検索UIラボ」


「検索UIラボ」トップページ
 職業柄、検索サイトを利用する機会がものすごく多いアタシですが、検索する際にもっともよく使う言葉は、「とは」ですね。ある単語の意味を調べる際に、その単語だけを入力欄に入れるでのはなく、「○○○とは」と入れることでその言葉の意味を解説したサイトにヒットしやすくなります。ただ、この方法はその単語の基本的な意味を調べる際には有効ですが、たとえばその人がいつ行動を起こしたか、その人はなぜそのような行動を起こしたのかといった、時期や理由を調べる際には適しません。そのような場合は別にほかの単語と組み合わせて検索する必要があります。

 このように、検索サイトで効率よく検索するためにはいろいろな工夫をしなければなりませんが、一方でそろそろ検索方法をもう少し簡単にしてもいいのではないか、と思うこともあります。検索のコツなどなにも知らなくても、その言葉についてさまざまな角度から検索できるような検索サイトがあれば、インターネットはもっと使いやすくなるでしょう。

 そんなことを思っていたら、最近になって面白いサービスが始まりました。gooラボが提供している「検索UIラボ」です。次世代の検索インターフェイスの実験をしているこのサイトは、今年の春にオープンしましたが、その後いろいろなサービスを次々に追加しています。最近では「5W1H検索」というユニークなサービスも始まりました。今回はこの「5W1H検索」を中心に、同サイトが提供するさまざまな検索方法についてご紹介しましょう。





6つの切り口でキーワード検索

5W1H検索
 まずは「5W1H検索」です。「5W1H」というのはWhy、What、Who、Where、Whenの5つの言葉の頭文字である5WにHowのHを付けたもので、新聞記事やニュースの文章を書く際に基本となる要素です。ある出来事を他人に伝える際には、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって行動したかという6つの要素を入れることが必要だということを説いているわけですね。この「5W1H」検索は、1つのキーワードをこの6つの基本要素に沿って検索できるサービスです。つまり、1つのキーワードに対して6つの切り口でアプローチするわけですね。

 検索画面にアクセスすると、入力欄の下に6つの要素を示したアイコンが並んでいます。検索する場合は調べたいキーワードを入力欄に入れて、いずれかのアイコンをクリックすればOKです。たとえば総理大臣になったばかりの福田康夫氏の名前で検索してみましょう。9月末に「福田康夫」を入力して「What?」をクリックしたところ、最上位にはWikipedia、次点には「福田康夫オフィシャルサイト」がヒットしました。

 検索の結果リストの画面を見ると、左側に5W1Hのアイコンが並んでいるので、次に「Who?」を押してみます。すると今度は「福田康夫ってどんなヤツ?」と題したブログが最上位に来ました。ポータルサイトに収録されている福田氏のプロフィールも上位に来ています。今度は「Why?」をクリックすると、「安倍晋三の責任と無責任-福田康夫有利を予想できた理由」というタイトルのブログが最上位に来ました。


「Who?」での検索結果 「Why?」での検索結果




効率のいい情報収集が可能に

 つまり、「Who?」を押せばその人のプロフィールが書かれたサイトがヒットし、「Why?」をクリックすると、その人が関わった事件についての分析や、なぜそういうことになったのかという理由が書かれたサイトが上位に来るわけです。使ってみるとわかりますが、これはかなり使い勝手がいいですよ。

 たとえばあるキーワードについて、それが「いつ」なのかを調べる場合、「開催時期」「期間」といった言葉と組み合わせて検索していたのが、このサイトを利用すればクリックするときにアイコンを選ぶだけで済みます。さらに、一回検索したあとに、ほかの切り口から検索し直すこともワンタッチできるので、操作も実に簡単です。これなら初めてインターネットに触れる人も、すぐに使いこなせるのではないでしょうか。

 最近は単純に1つのキーワードで検索するとWikipediaにヒットすることが多くなりました。Wikipediaは確かに便利なすばらしいサイトですが、いちいち長文を読んで必要な情報を探すのが面倒なときもあります。そんなときにこのサイトを使えば、掲示板やブログの中から必要な情報が入ったサイトをすばやく見つけられます。





複数の検索結果を一覧表示

 次は「スクロール検索」を見てみましょう。検索サイトを使うと、何百件も何千件もヒットすることがありますが、そんなときにいちいち「next」ボタンを押してページを送るのはとても面倒です。この「スクロール検索」を利用すれば、わざわざクリックすることなく自動的に検索結果リストをスクロールできます。ホイールを回すだけで結果がどんどん表示されるので、膨大な検索結果をすばやくチェックできますよ。

 「goo mix検索」にも注目です。これは1つのキーワードについて、Web検索やブログ検索、画像検索などさまざまな検索方法を1度で検索できるサービスです。しかも検索結果はすべて1つの画面上に表示されるので、視認性も抜群です。たとえば「富士山」で検索した場合、左にWeb検索の結果、右に富士山の画像検索結果が表示されます。ほかにも上部に「ブログ」「教えて!」「動画」などさまざまなタブが用意されているので、各項目をクリックすると検索結果が画面の横に次々と並んでいきます。

 最近はディスプレイもワイド液晶が増えてきましたが、このサービスならワイド画面の横の長さをフルに生かせますね。複数の検索を同時にこなしている割には表示もすばやく、なかなか快適な使い心地ですよ。


「スクロール検索」検索結果 「goo mix検索」検索結果




独特の浮遊感覚が味わえる空とび検索

goo 空とび検索
 最後は「goo 空とび検索」です。これは検索結果にエンターテインメント性を盛り込んだUIになっています。アクセスすると一面に空が表示されて、下にはコンソール画面みたいな計器が並んでいます。キーワードを入力して検索ボタンを押すと、なにやら画面の上から四角い枠がフワフワと降りてきました。枠の中には検索結果とURLが表示されています。つまりこのサービスは、検索結果を1つずつ枠に入れて、それを次々に表示しているわけですね。

 検索したキーワードは左側にストックリストとして蓄積されます。背景の画像は宇宙から見た地球になっていて、次第にスクロールしていきます。最初は青い画面だったのが、次第に宇宙が見えてきて、その中で検索の結果の枠が漂っているという浮遊感が楽しめます。検索結果のリストとしては効率がいいわけでなく、仕事の資料探しなどで急いでいるときに使うには適しませんが、とくに目的もなく「なにか面白いサイトはないかな?」と探す場合に使うといいかもしれません。

 というわけでユニークなUIを使用した検索ばかりが集まったこのサイト、次世代の検索をいち早く先取りしたいという人にはぜひオススメです。最近は多摩美術大学とのコラボレーションなども始めているので、今後どのような検索UI実験が登場するのか期待したいですね。では、また!


関連情報

URL
  検索UIラボ
  http://labs.goo.ne.jp/UI/
  gooラボ
  http://labs.goo.ne.jp/
  情報提供元:インターネットポータルサイト「goo」
  http://www.goo.ne.jp/

2007/10/18 11:07

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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