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国会図書館の膨大な蔵書を検索できる「PORTA」


 最近、時代小説にハマってしまいました。この手の小説は江戸時代の風俗や制度などを知っているとより面白く読めるので、自然とその手の文献を調べることが多くなりました。こういうお堅い資料を探すには、やはり図書館が一番ですね。椅子があるので時間を気にせずじっくり調べられるし、なによりもお金がかからないのが良いです。

 ただ、中には区営図書館ではどうしても見つからない資料などもあって、そんなときはもっと規模の大きな図書館に行くこともあります。たとえば国立国会図書館。いうまでもなく日本でただ1つの国立の図書館であり、日本で流通するすべての出版物を納入することを義務づけられた納本図書館でもあります。

 この膨大な図書収蔵量を誇る図書館が、先日あるサイトをオープンさせました。「国立国会図書館デジタルアーカイブポータル」というサイトです。通称「PORTA」と呼ばれるこのサイトでは、同図書館の図書を検索できるだけでなく、リコメンド機能やランキングの表示、RSSリーダー機能、パーソナライズ機能など、さまざまな機能を備えています。従来の図書館のデーターベースというと、蔵書検索だけのシンプルなものがほとんどでしたが、このような機能豊富なデータベースが登場したのは画期的です。国会図書館を利用する機会のある人は要チェックですよ!





20種類のデータベースを横断検索

 同サイトで検索できるデータベースは、国立国会図書館の蔵書を収録した「NDL蔵書目録」や、雑誌記事索引の一部である「NDL雑誌記事索引」、明治や大正に刊行された図書の情報を収録した「近代デジタルライブラリー」、江戸時代以前の資料を閲覧できる「貴重書画像データベース」などです。また、公共図書館や大学図書館のレファレンス事例や調べ方マニュアルを集めた「レファレンス共同データベース」や、著者の死後50年が過ぎて著作権が切れた作品を電子化した「青空文庫」なども調べられます。

 さらに、各府省や独立行政法人が持つ資料のリスト「府省等デジタルアーカイブ」など政府関連のデータベースや、児童書の目録システム「児童書総合目録」などもカバーしています。このほか、岡山県域の電子図書館システム「デジタル岡山大百科」や、秋田県立図書館のデジタルライブラリーや記事・索引など、地方の図書館データベースシステムも一部扱っています。アーカイブの種類は全20種類で、これだけの量のデータベースを横断検索できるってのはスゴイですね。絶版書など通常では手に入らない本や資料でも、この検索システムを見れば手がかりが見つかるかもしれませんよ。





豊富な検索方法を用意

 トップページにアクセスしたら、まずは検索機能を試してみましょう。上部のタブから「検索」を選ぶと、検索ページが表示されます。検索方法は、キーワードで検索する「簡易検索」と、タイトルや作成者を細かく指定する「詳細検索」、入力した文章に関連性が高いものを検索する「連想検索」、カテゴリを指定しながら検索できる「分類検索」の4種類があります。

 このうち、分類検索については日本十進分類法(NDC)と国立国会図書館分類表(NDLC)と、2種類の分類法が用意されています。なお、このほかに辞書データを検索する「辞書検索」という機能もあり、国立国会図書館の典拠データを調べられます。辞書検索では、入力したキーワードについて上位語や下位語、関連語、類義語などの関係がグラフィカルに表示されてわかりやすいです。

 とりあえず、もっともシンプルな「簡易検索」の画面で、なにかキーワードを入力して検索してみましょう。試しに「浅草」「歴史」という2つのキーワードを入力すると、31件がヒットしました。検索リストに加えて、右端には辞書検索の結果も小窓で表示されます。Wikipediaでの検索結果へのリンクが載っているのも使いやすいですね。





関連情報リンクやリコメンド機能も搭載

 検索結果のリストから興味のある文献を見つけたら、タイトルをクリックすると詳細情報が見られます。ここでは作成者や発行日、ページ数などの基本情報が見られます。さらに、画面右の「提供元詳細画面」というボタンをクリックすると、そのデータベースの元となったサイトが表示されます。

 また、「関連情報リンク」をクリックすると、検索結果に関連する情報をさまざまなサイトで探すことができます。サイトのラインナップは、「NDL総合目録ネットワーク」のほか、「Amazon.co.jp」や「Kinokuniya BookWeb」、「オンライン書店 ビーケーワン」などのブック通販サイトに加えて、「Googleブック検索」、「Google Schlar」「Googleイメージ検索」などGoogle関連のサイトです。タイトルや作成者など、いろいろな切り口で関連情報を検索できるので、1つのテーマに沿って資料を探す場合に使うと便利ですよ。

 さらに、「Amazon.co.jp」などでおなじみのリコメンド機能もあります。「関連情報リンク」の横にある「おすすめ」というリンクをクリックしてみましょう。ウインドウがポップアップして、「この資料を閲覧したユーザーは他に以下の資料を閲覧しています」というリストが表示されます。自分と似た嗜好の人がどんな資料を調べたのかがわかるので、これをきっかけに面白い資料を発見できるかもしれませんよ。





ユーザー登録するとさらに便利に

 今度は上部メニューから「新着・更新/ランキング」を選んでみましょう。ここでは最近登録された情報や、データ更新が行なわれたコンテンツをリストで表示します。RSSフィードでも配信しているので、RSSリーダーに登録しておけば、いつでも最新の更新情報が手に入ります。

 ランキング情報も充実しています。「アクセスランキング」のコーナーでは、アクセス数の多い情報を10位まで表示しています。ちなみに10月後半に見たところ、ランキング1位は夏目漱石の「坊ちゃん」でした。2位と7位と9位に農林水産関連の資料がランクインしていたり、4位に「2002FIFAワールドカップ大会報告書」が入っていたりするのを見ると、やはり政治家やお役所関係の人の利用が多いのだな、と実感します。また、キーワードランキングでは、1カ月間のキーワードのベスト20が掲載されています。9月23日~10月23日の集計結果では、1位が「夏目漱石」、2位が「図書館」、3位が「歴史」でした。キーワード利用回数の推移もグラフで表示されているのでわかりやすいです。

 なお、このサイトはユーザー登録しなくても基本的な機能はほとんど使えますが、登録することでパーソナライズ機能が使用できるようになります。登録にあたっては、ユーザーIDやパスワード、メールアドレスなどの簡単な情報だけで、本名や住所などは入力不要なので、気軽に登録してみてはいかがでしょうか。

 パーソナライズできる機能は、ユーザーグループや画面デザインの選択、検索オプションの初期設定、ダイレクトメニューの編集、ブックマーク機能などで、とくにブックマーク機能を使うと検索した情報をタグやコメントを付けて保存できるので便利です。従来の図書館では考えられないほど多機能なこのデータベースを上手に使って、ビジネスや趣味に役立ててください。では、また!


関連情報

URL
  国立国会図書館デジタルアーカイブポータル
  http://porta.ndl.go.jp/portal/dt

2007/11/15 11:05

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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