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さまざまな広告アイディアを見られる「オシウリ」


「オシウリ」トップページ
 前回は商品のアイディアやデザインの投稿サイト「マイデザイン」をご紹介しました。従来は「投稿サイト」というと写真とか文章など私的な作品を扱うサイトが主流でしたが、今やこのようなビジネスに関わる投稿サイトも増えています。

 さて、「マイデザイン」と並んでもうひとつ注目したいのが、広告クリエイター集団「デザインバーコード」が運営する「オシウリ」というサイトです。同サイトは広告アイディアの投稿サイトとして、今年の秋にポータルサイト「エキサイト」上でオープンしました。もともとは同社が持つ数々の広告アイディアを通販で購入できるサイトということで始まったのですが、リニューアルを機に同社以外のクリエイターも投稿できるようになりました。

 「広告はアイディアが命!」というポリシーを持つ同社が主催しているだけあって、とにかく秀逸な広告アイディアがぎっしり詰まっています。企業の宣伝担当者はもちろん、クリエイティブな仕事に就いている人や、これから広告クリエイターを目指そうとしている人も要チェックのサイトです。広告以外の仕事をしている人にとっても、ひょっとしたらビジネスのヒントになるような画期的なアイディアが隠れているかもしれませんよ。斬新なアイディアの数々を見て、頭に刺激を与えてみませんか?





幅広いジャンルとメディアに対応

 トップページにアクセスすると、投稿された作品の一覧リストが出てきます。作品の画像がサムネール表示されるので、どんな作品なのかが一目でわかりますね。画像の下には、その作品を視聴者が何回見たのかを示す「視聴回数」と、作品の「形式」が表示されています。形式は、説明のための静止画をプレゼンテーションのように表示させる「プレゼンボード」と、動画による「ムービー」の2種類があります。今のところはプレゼンボードによる投稿の方が多いようですね。

 リストは日付順、視聴回数順、投票数順と3種類の方法で並べ替えが可能です。視聴者から送られる「投票数」というのは作品に与えられる評価で、これが多いほど優れたアイディアである確率が高いです。このほか、右のメニューには広告主の業種別にカテゴリ分けした「広告主から探す」や、広告媒体別に分けた「メディアから探す」というコーナーもあります。

 「広告主から探す」では、「エネルギー・素材・機械」「食品」「飲料・嗜好品」「薬品・医療用品」「化粧品・トイレタリー」「ファッション・広告」など、計21種類もの業種が用意されています。また、「メディアから探す」の方も、「ポスター」「交通広告」「雑誌広告」「テレビCM」「プロモーションビデオ」「バナー広告」「ダイレクトメール」「折込チラシ」など、従来のメディアからネット広告まで、さまざまなスタイルを用意しています。これだけのジャンルとメディアが用意されていれば、ほとんどの広告主のニーズに応えられるのではないでしょうか。


「飲料・嗜好品」カテゴリー 「雑誌広告」カテゴリー




作品を値段付きで公開

作品詳細画面
 サムネイル画像の横には簡単な説明文が書かれているので、興味のある作品を見つけたらタイトルをクリックしてみましょう。作品の詳細画面が表示されます。プレゼンボードの場合は画像が大きく表示されて、右下にあるページ送りのボタンをクリックしていくとプレゼンが進んでいきます。このプレゼンボード、文章だけで表現しているものもあれば、図や表を交えて丁寧に解説している作品や、写真を使ったものもあります。広告業界に疎いアタシとしては、「広告のプレゼンってこういう風にやるのか」と素朴な感動を覚えました。商品や企業の良さを、どのような手法で消費者に訴えれば効果的なのかを簡潔にわかりやすく説明しているものが多く、見ているだけでとても楽しいです。

 なお、各作品には、ターゲットとなる広告主の業種や、どのようなメディアで展開するのかといった細かいデータも掲載されています。また、ここがこのサイトの最もユニークな点なのですが、なんとその広告の値段がズバリ書いてある場合があるんです。たとえば「風邪の予防と対策」という作品の場合は300万円、「決意」という作品の場合は10万円の値が付いていました。もちろん値段を表示していない「priceless」という表示の作品もあるのですが、値段を公開している作品がけっこう多いのでビックリしました。投稿者もそれだけ自信を持っているということなんでしょうね。

 ちなみにもし企業の宣伝担当者が同サイトの作品を気に入った場合、「商談する」ボタンを押せば同サイトを通じて直接購入もできます。要するに、ネット通販で買い物をしているような感覚で広告アイディアを購入できるわけで、ヒジョーに画期的なシステムだと思います。ただし、あくまでも同サイトは取引の「場」を提供するだけで、仲介やサポートは行なわないとのことです。





ランキングや特集にも注目

特集
 右メニューの下部には「週間ランキング」というコーナーがあり、ここでは人気の高い作品のベスト3が見られます。多くの人の評価を受けているだけあって、秀作揃いですよ。上部メニューの「特集」のコーナーで注目の作品や投稿者などを紹介しているので、これを参考にしてもいいでしょう。どの作品を見ればいいのか迷っている人は、とりあえずランキングや特集に掲載されている作品を見ることをオススメします。

 また、「カダイ」というコーナーでは、誰でも制作に参加できる「オープン・ブリーフ」という形で課題を開示しています。たとえばオープン・ブリーフのNo.1は、アディダスジャパンの新しいウェアコレクション「adidas X」、No.2はランニングシューズ「adizero Tempo」の広告でした。それぞれの作品について、投稿作品と授賞作品が見られるようになっています。とくに授賞作品の方は、厳しい審査を勝ち抜いたすばらしい作品ばかりが揃っていますよ。なお、「オープン・ブリーフ」に投稿された作品には、一覧リストの中にそれを示すアイコンが表示されていて、アイコンをクリックするとその課題の投稿作品を絞って表示できます。


オープン・ブリーフ 授賞作品一覧




審査を経た質の高い作品がぎっしり

 みなさんがもし何か広告アイディアを持っているなら、自ら投稿するのも手です。投稿にあたっては、エキサイトのIDを持っていれば誰でも参加可能なので、気軽に挑戦できますよ。ただし、投稿された作品はすべてサイト上に公開されるわけではなく、審査を通ったものだけが公開されるそうです。

 審査基準は公序良俗に反していないか、著作権や名誉毀損などのリスクがないか、アイディアがあるかどうかの3点で、とくにアイディアの有無については同サイトの質を左右する問題なので、けっこう厳しくチェックするようですね。つまりこのサイトで公開されている作品は、いずれも審査をくぐり抜けてきた作品ということで、だからこそどれもクオリティの高いものばかりです。閲覧する側にとってはかなり楽しめる秀逸なサイトというわけで、今後もどんな作品が投稿されるか注目していきたいですね。それではみなさん、よいお年を!


関連情報

URL
  オシウリ
  http://oshiuri.excite.co.jp/

2007/12/27 11:06

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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