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無料で技術者向けの知識を学べる「Webラーニングプラザ」


「Webラーニングプラザ」トップページ
 先日、とある展示会にエントリーする際に、エントリーのプレゼントとして某エレクトロニクス専門雑誌の1年間の定期購読権が当たるキャンペーンをやっていました。面白そうなので応募してみたところ、なんと見事に当選。エレクトロニクスの専門紙なんて読んでわかるのかな、と不安も感じましたが、いざ読んでみるとこれがなかなか面白いです。

 たとえば、少し前にMacBook Airが話題となりましたが、その雑誌ではMacBook Airの分解写真を載せていました。筐体を開けて内部の写真を載せた上で、その薄さの実現がどれくらい難しいのかを検証してました。一般のパソコン誌ではここまでやる雑誌はあまりないので驚きましたね。ほかにも最先端の技術がいろいろと紹介されていて実に面白かったです。直接、仕事などで役立つわけではないですが、こういう専門外の本を読むと純粋に知的好奇心が満たされて、ビジネスのアイディア作りに役立つものです。文系の人にとっても、たまには理系の知識に接すると、脳がかなり刺激されると思いますよ。

 そのために活用したいのが、さまざまな知識を学べるインターネットのWebラーニングサイトです。とくにオススメしたいのが、独立行政法人科学技術振興機構が運営する「Webラーニングプラザ」というサイト。なんとこのサイトでは、エンジニア向けのWebラーニングを無料で受けることができます。扱っているジャンルも幅広く、学習のしがいがありますよ。





幅広いジャンルを網羅

 トップページにアクセスすると、教材のカテゴリリストが並んでいます。このサイトで扱っているジャンルは、「ライフサイエンス」「情報通信」「環境」「ナノテクノロジー・材料」「電気電子」「機械」「化学」など、計14種類あります。これだけ多くのジャンルを網羅していれば、幅広い人の知的欲求に応えられるのではないでしょうか。

 教材を選ぶ際は、これらのカテゴリリストの中からどれかを選択してもいいし、フリーワードでの検索も可能です。とりあえず興味のあるカテゴリをどれかクリックしてみましょう。たとえば「情報通信」を選ぶと、「組込みシステム技術コース」「コンピューターアーキテクチャコース」「データ構造とアルゴリズムコース」「移動通信の基本技術コース」「ソフトウェア工学コース」と、さまざまな教材のリストが表示されます。他分野の関連教材のリストも表示されるので、わかりやすいですね。

 教材選びにあたっては、「教材マップから選ぶ」という方法も用意されています。これは同サイトに収録されているすべての教材のタイトルと目次が一覧できるコーナーです。とくに目当ての教材がない場合は、この一覧リストを見て興味のある項目を選んでみてもいいでしょう。


教材リスト 教材マップ




音声入りのわかりやすいコンテンツ

 ここでページ右上の「詳細を表示」をクリックすると、各教材の学習目標と前提知識が表示されます。「前提知識」というのは、その教材を学習する上で、あらかじめ知っておくことが望ましい知識のことです。ただ、個人的にはこれにこだわりすぎるのも良くないと思います。前提知識が欠けていても読んでいて理解できる場合もあるので、とりあえず興味のある講座にはどんどんチャレンジすることをオススメします。それでも不安な人は、前提知識の項目に「なし」と書かれている講座を選ぶといいでしょう。

 また、講座名の下にある「解説」というアイコンをクリックすると、さらに詳しい解説が別ウインドウで表示されます。解説を読んで興味のある講座を見つけたら、タイトルをクリックしてみましょう。目次のリストが表示されるので、とりあえず最初の項目をクリックすると、Webラーニングの画面になります。左に最短学習時間などの基本的なデータが表示されて、右には目次が表示されます。目次から項目を選んでクリックすると、今度は左側にFLASHなどで作られたラーニングコンテンツが表示されます。実際に見てみるとわかりますが、このコンテンツは音声入りでとてもわかりやすいですよ。上部に設けられた矢印のボタンを押しながら、ページをめくるように教材を閲覧できます。


詳細を表示 ラーニングコンテンツ




自己診断テストも用意

自己診断テスト
 目次のタブを切り替えることで、ナレーション文も表示できます。音声では聞き取りづらい場合や、どのような漢字で書くのかわからない場合は、ナレーション文を確認するといいでしょう。また、上部のボタンを押すことで、そのカテゴリ用に作られた用語集や、よくある質問と回答をまとめたFAQも見られます。さらに、ラーニングコンテンツ内に「参照」や「動画」というボタンが表示されるものもあり、これをクリックすると別ウインドウが立ち上がって静止画や動画を閲覧できます。単に教材の映像を流すだけでなく、教材だけでは理解できない人のためにさまざまな工夫がなされていて助かります。

 また、教材のほかに「自己診断テスト」も用意されています。これは各教材で学んだ内容のテストで、回答を終えたら「判定」ボタンを押せば結果がすぐにわかるようになっています。これを利用すれば、学んだ知識が身についているかどうかをしっかりチェックできます。





ユーザー同士で交流できる掲示板

学習者登録画面
 このサイトの利用はすべて無料で、ラーニングコンテンツの利用についても、事前の会員登録などは一切必要ありません。その分気軽に使えるわけですが、一方で「学習者登録」をすることも可能です。登録をすると、レッスンやコースが修了したあとに通知が送られてくるように設定できます。また、トップページで学習済みのレッスンを表示する「しおり」の機能や、学習画面を「ふせん」として登録しておいて、あとからすぐに呼び出せる機能も使えます。学習者登録にあたって必要な個人情報はメールアドレスだけなので、登録しておいて損はないでしょう。

 さらに、学習者登録をすると、ユーザー同士でコミュニケーションを図れる「WLP掲示板 まなびあい」が使えるようになります。掲示板を見るには、さらにIDとパスワードの登録が必要になりますが、氏名などは入力しなくてもOKなので、気軽に登録できますよ。掲示板では、教材の中でわからない点について質問すると、詳しい人が教えてくれることがあります。また、教材の中で誤植や間違いがある場合なども、この掲示板に投稿すると管理者が対応してくれるようです。

 このようなWebラーニングサイトはほかにもいくつかありますが、このサイトのように無料で利用できるところは貴重です。上手に活用して、役立つ知識を身に付けてくださいね。では、また!


関連情報

URL
  Webラーニングプラザ
  http://weblearningplaza.jst.go.jp/

2008/05/22 11:08

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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