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野生動物のライブ映像が楽しめる「インターネット自然研究所」


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 暑くもなく寒くもなく、過ごしやすい季節になってきました。山や海などへ行楽に行くには最適な時期ですね。みなさんが旅行の計画を立てる際に参考にするのは、どんな情報源でしょうか?

 ガイドブックやインターネットの旅行サイトなどいろんなメディアがありますが、忘れてはならないのがインターネットの定点観測カメラです。ガイドブックやパンフレットに載っているような映像はカメラマンが意図的に絵を作ったものですが、それに対して定点観測カメラは、飾らない生の映像が見られるのが魅力です。

 中でもとくにオススメなのが、「インターネット自然研究所」というサイト。ここは環境省が運営しているサイトで、国立公園の風景や野生生物のライブ映像が集められています。静止画だけでなく、一部の地域では動画も収録されていたりと、豊富な映像が揃っていますよ。

 また、国内の世界自然遺産や渡り鳥生息地ネットワークなど、映像データベース以外にもさまざまなコンテンツがあります。美しい自然の景色を楽しみたいと思っている人は要注目ですよ。





過去の画像も豊富にストック

 トップページにアクセスすると、さまざまなメニューがズラリと並んでいます。まずは「国立公園・野生生物ライブ映像」を見てみましょう。ここは日本全国43カ所に設置した定点カメラのライブ映像が見られるコーナーです。国立公園の風景はもちろん、そこに生息する生き物の姿も見られますよ。

 メニューをクリックすると日本地図が表示されます。北は北海道のサロベツ原野から、南は西表島まで、まさに日本の津々浦々の国立公園のリストが並んでいます。地図上のアイコンにマウスのポインタを重ねると、対応するリストのアイコンの色が変わるので、各スポットの位置と名前がわかりやすいです。また、下部には写真が表示されるようになっていて、そのスポットがどのような場所なのかもすぐにわかります。

 試しにスポットの中のどれかをクリックしてみましょう。そのスポットの最新の画像が表示されます。画像の更新は1時間ごとで、サイズも大きくキレイな映像が楽しめますよ。左メニューを見ると「1日の推移(1時間毎)」「1カ月の推移(1日毎)」「1年の推移(1カ月毎)」「5年の推移(1年毎)」とリストが並んでいて、過去の画像の推移が見られるようになっています。

 また、日付を指定して画像を見ることもできます。ライブカメラの映像を5年前まで遡ってストックしているサイトは珍しく、貴重な風景データベースと言えるでしょう。このほか、関連情報としてYahoo! Japanの天気情報サイトをはじめ、さまざまなサイトのURLが掲載されているのも親切です。「利用案内」としてカメラの設置箇所情報や簡単な観光PRも載っているので、実際に現地に訪れる際の参考にしてください。


国立公園・野生生物ライブ映像 過去の推移




動画のライブカメラも用意

国立公園ライブ映像
 このサイトのライブ映像は静止画だけでなく、動画も用意されています。トップページ右のメニューの一番下にある「国立公園ライブ映像(動画版)」をクリックしてください。ここでは草津の上信越高原国立公園と、富士吉田の富士箱根伊豆国立公園の2カ所のライブ動画が見られます。静止画が日本全国をカバーしているのに対して、こちらは2カ所だけですが、これから設置箇所が増えることを期待したいですね。

 映像は草津温泉の西の河原公園と、富士北麓から見た富士山の動画です。左メニューから「富士山ライブ(動画)」をクリックすると動画が表示されます。右下に「コントロール開始」というボタンがあるので、ここをクリックするとコントロール権を取得できます。コントロール権を取得すると、カメラアングルやズーム倍率の変更、パノラマ機能などの操作が可能になります。

 また、下部にプルダウンメニューが表示されるので、ここからカメラの位置を選択すると、さまざまな地点が選べます。コントロール権は1回につき1分と少し短いですが、操作している人が少ないときは再び「コントロール開始」ボタンを押せば続けて操作できます。さらに、左下のカメラの絵が描かれたボタンをクリックすると、別ウインドウがポップアップして静止画をキャプチャーできます。動作も重くなく使いやすいライブカメラですよ。





希少生物や湿地などを詳しく解説

 映像データベースのほかにも、このサイトには色々なコンテンツが収録されています。たとえば「RDB図鑑」というコーナーでは、絶滅の恐れのある希少な野生生物の情報をまとめた「RDB(レッドデータブック)」に掲載されている動植物をわかりやすく解説しています。イラストマップから生き物を検索できる「生息環境」というコーナーや、希少生物がなぜ減少したのかを解説するアニメーションなど、豊富な資料が収録されています。各生物の詳細画面では、その姿を捉えた写真とともに詳細な解説文も掲載されています。

 「日本の世界自然遺産」というコーナーでは、国内で世界自然遺産として登録されている屋久島と白神山地、知床の3スポットについてのガイドを掲載しています。写真も豊富なので、貴重な自然遺産の風景をたっぷり楽しめますよ。

 「日本の重要湿地500」のコーナーでは、環境省が選定した日本の重要な湿地500カ所を地図から検索できます。湿地にはさまざまな生物が生息していますが、湿原で有名な尾瀬をはじめ、さまざまな地域の湿原の情報が得られます。各スポットの湿地タイプや生息している生物群、選定理由などが詳しく載っているので、ハイキングや登山などで湿地を見に行くときの参考になります。


RDB図鑑 日本の重要湿地500




充実したブロードバンドコンテンツ充実

四季の自然学習室
 このほか、渡り鳥の重要な生息地をネットワークで結んで各国が連携して保全するための国際協力プログラム「フライウェイネットワーク」の活動内容を紹介する「渡り鳥生息地ネットワーク」や、狩猟の意義や歴史、制度などをまとめた「野生鳥獣との共生」、鷲や鷹などの猛禽類の種を特定するための図鑑「猛禽類同検索図鑑」など、さまざまなコーナーがあります。

 また、アニメーションやゲーム、クイズを通じて水辺の自然を学べる「みずが島・水辺の自然を学ぼう」や、四季の移り変わりを学べる「四季の自然学習室」など、学習コンテンツも用意されています。

 とくに「四季の自然学習室」は、子どもはもちろん、大人にも役立つ内容になっていて、「桜の開花前線」「ウグイス初鳴き前線」「ツツジの開花前線」「田植え前線」「虫の鳴き声前線」「ヒガンバナ開花前線」など、季節の風物詩についての解説が詳しく載っています。「ウグイス初鳴き前線」や「虫の鳴き声前線」ではウグイスや虫の鳴き声の音声データを聴けたりと、いろいろな角度から自然や生き物について学べます。

 定点観測カメラやライブ動画、アニメーション、音声データなど、さまざまなブロードバンドコンテンツが充実したこのサイトで、日本の自然を満喫してくださいね。では、また!


関連情報

URL
  インターネット自然研究所
  http://www.sizenken.biodic.go.jp/

2008/10/02 11:13

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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