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こうすればプロ野球中継がぐっとおもしろくなる


 へへ、それにしても日ハムはなかなか借金を返せませんなあ。ハムファンのアタシとしては毎日悔しい思いをしとります。あんまり勝ち試合が多いと仕事が手につかなくなるから、これでいいのかもしれないですけどね。

 さてさて本題、「Yahoo! スポーツ」の話でした。先週はサワリだけの紹介でしたけど、自分でも皆さんに初めてお会いしたってことで興奮してたんでしょうねえ。「低迷してるプロ野球を救う」なんてブチ上げちまった。

 これはこれで偽りのない感情の発露とゆーもんですが、まず「プロ野球」という大きなものの前に、救わなきゃいけないもんがありました。それはパ・リーグです。パ・リーグ。何の意味か分かります?

 パーム・ボールばっか投げるリーグじゃないですよ。パーマをかけた人たちが多いというわけでもない。つまんないですね。もちろんパシフィック・リーグのことです。

 「午後8時の男」なんて企画をやってる放送局が大好きな球団ばかり見てる人は、その存在すら忘れているかもしれないというプロ野球リーグですな。日ハムが加盟してるリーグということで、アタシにとっては目に入れても痛くないほど愛しいリーグです。


地上波ではほとんど放送されないパ・リーグ

 さて、このパ・リーグの試合、とにかく地上波ではほとんど中継しない。デーゲームは多少やってますが、ナイターとなると皆無に近いわけです。

 視聴率が取れないのは分かるけど、首位争いの試合くらいはやれよなオイ! と長年思って日々を過ごしてきた人は多いでしょう。

 この状態を変えたのが、CSやケーブルテレビによる多チャンネル化ですね。アタシもスカパーの「野球パック」でも導入しようかなあ、と思ってるんですけどね、すでにケーブルテレビを導入しちゃってるもんでして、この上CSを導入したら、毎月テレビに払うカネがバカにならない。

 一昔前は、毎月定期的に払うお金って光熱費に電話代、NHK、新聞代くらいのもんでしたけどね、今はそれに加えて携帯電話代にケーブルテレビ代、インターネットの通信料金なんかが加わる。

 アタシみたいな潜在失業者には、コワイコワイ世の中になっちまったもんです。

 で、そこで「Yahoo! スポーツ」の登場となるわけですな。ここの野球コーナーには球団の偏りはない。すべてのチームについてライブ中継してくれるんです。

 ライブ中継ったって、音声や動画だけじゃないんですよ。

 ま、音声や動画を配信してくれるっつーだけでも、けっこうスゴイことですけどね。とくに西武球場で行なわれる試合は、毎回動画が見られるってことで、日ハム戦のときには重宝してます。

 ちょっと画面が小さいのがタマに傷ですけどね。画質に関しては、これからのブロードバンド時代、どんどんよくなるでしょうね。

 音声中継だって、ウチみたいな下町のビル密集地に住んでると、ラジオが入らないことがよくあるんです。そういうときにも感謝感謝ですな。まあでも、こういうのは既存のメディアの代替に過ぎないわけであって、革命的とまではいかない。

 メリットといえば、会社で仕事をしているフリをしながら野球を楽しめることくらいですか。アタシみたいな在宅労働者にはあんまり意味はないですけど。実はこのサイトの革命的なところというのは、動画・音声以外の、もうひとつのライブ中継なんです。


野球ファンのレベルを上げる「データ中継」

 それは、投げられたタマの球種、スピード、コースといった「データ」を逐一知らせてくれるコーナーなんですね。ハイ、ここがヒジョーに大事なところ。実はこういうデータって、テレビでは分かりにくいところなんです。

 スピードは何キロ出たか表示されますけど、大抵の場合、キャッチャーのミットに収まった一瞬だけ。球種とコースに至っては、例のピッチャーを背にして、2次元的に見ると左から右に投げるように映るアノ画面だと、球がどういう軌跡を描いたのかがよく分からないことがあるんですね。


配球の読み合いもプロ野球の醍醐味のひとつ
 このサイトでは「1球目:スライダー、135Km」とか、投球記録を具体的に表示してくれる。こんなこと、本当はテレビがとっくの昔にやらなきゃいかんことだったんですけどね。解説者なんか、「気合が足りませんね~」とか「この流れを断ち切らないとねえ」とかノンキに話してないで、本当は配球の読み合いにもっと言及するべきだと思いますよ。

 だってカーブもフォークもシンカーも、テレビを見てる野球初心者には「落ちる球」にしか見えないんだもん。「捕手&投手 VS. 打者」という対決をもっときっちり味あわせてくれれば、「ホームランだけが野球じゃない」という考えが浸透すると思うんですけどねえ。

 野球マンガの最高峰というべき“ドカベン”なんかは、こういう「読み合い」がしょっちゅうありました。“ドカベン”は、野球のおもしろい見方を教えてくれる教科書だったんですね。

 ところが実際にテレビを見てても、そういうおもしろさを感じ取りにくい。

 このデータ中継があれば、もっと“ドカベン的”に野球が見られるようになると思うんです。新たな野球ファンの育成につながる、というのはこういうこと。

 ただアタシん家の場合、テレビとパソコンを同じ部屋に置いてないんで、同時に見ることができないというのが、ちょっとしたネックになっているんですけどね。リビングに置いたテレビの横に、パソコンを置こうかとも思ってます。


ここんとこをもうちょっと強化してほしい!

 ちなみに同様のことは「Lycosスポーツ」(http://sports.lycos.co.jp/baseball/npb/)でもやってます。画面の見やすさはむしろこちらのほうがよいかもしれませんね。


画面が見やすい「Lycosスポーツ」
 ただ、こちらは音声や動画のライブ中継はしていません。こういう「Yahoo!」や「Lycos」がやっているデータ込みの中継というのは、BSデジタルでもやり始めてるみたいです。もっともチューナー買う必要があるBSデジタルに比べて、手持ちのパソコンで見られるほうが、はるかに敷居は低いことは確かでしょ。

 改善してほしいこともあります。

 今、「Yahoo! スポーツ」のライブ中継の更新頻度は60秒おきなんですね。これはちと長過ぎやしないか、と。

 今のままだとテレビの中継に比べてどうしてもタイムラグが出てしまう。更新する人はとんでもなく大変な思いをしてるんだ、ということは重々承知の上なんですが、1球ごとに更新してくれるとうれしいんですけどねえ。

 あと、選手の事前データをダイジェストに紹介するコーナーを作ってほしいなあ、とも思います。「少々非力だが選球眼はよい。足は遅め。インハイが苦手」とかね。

 ただ、選手の中には「インハイが苦手」なんて書かれたら「いい加減なこと書いてんじゃねえよ、ボケ」とか思う人もいるかも。

 アタシだってフリーライターのデータベースとかあったらやだなあ。「語彙は少なく、冗談も極めてサムい。構成力など皆無。勢いだけ」なんて分析されたら、そりゃあ落ち込むでしょうねえ。まあそれがプロの世界ってもんですけど。

 とにかく「今日の解説者はおもしろくないな」と思ったら、「Yahoo!」や「Lycos」にアクセスしてみましょう。とくに野球をやってる時間ってのは、テレホーダイの時間帯じゃないんですね。常時接続でヨカッタ!! と思うこと請け合いです。



URL
  Yahoo! スポーツ―プロ野球コーナー
  http://sports.yahoo.co.jp/baseball/
  Lycosスポーツ
  http://sports.lycos.co.jp/baseball/npb/

2001/07/23 11:19

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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