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ちょっと変わった懸賞サイト


 世の中っつーのはうまくできてるようで、たとえば学校や仕事でちょっと失敗したとしますね。そうすると、なぜかプライベートではよいことがあったりする。両方がよいことってほとんどないけど、どちらか一方はイイってことはあまり珍しくないですね、アタシの場合。きっと神サマがバランスを取っているんでしょうなあ。まあよいことっていってもいろいろありますけど、小さいことではカミさんがいつもより優しくなったとか、競馬が当たったとかありますね。だけど、そういうイイことって、ほとんどは事前に想像が付く。まあこの前うまいメシを奢ってやったからカミさんも当分は機嫌がイイだろうなあとか、競馬だって「なんか今回は当たりそーだ!」とか。逆に悪いことというのは、いつも突然やってきます。突然やってくるからダメージも大きい。きっとよいことも、突然やってくるとヨロコビは倍増なんでしょう。

 ここで本題なんですが、日常生活の中で、突然やってくるヨロコビの最たるものが、“懸賞”だと思うんです。なんせ、懸賞っていうのは応募してから締め切って、抽選して、発送されてくるまでの期間が意外と長い。長いと人間は忘れます。忘れるとどういう事態になるのか。ある朝ピンポーンと呼び鈴が鳴り、「ちわー、サガワ急便でーす」とかいって、突然シアワセが訪れるわけですねー。これはウレシイ。アタシも味わったことがあるのでわかります。これでもねえ、福引とか懸賞にはけっこう当たる星のもとに生まれ付いてるんですよ。古くは子どもの頃、町内会で1等を当てたことに始まり、スピードくじで1万円とか、携帯電話の懸賞でミニコンポとか、この手の類には強いんです。今まで懸賞で当たった最高額は7万円かな? 最新型のPDAを当てたことがあります。





懸賞は、応募しなけりゃ始まらない

 が、この手の懸賞は、今やインターネットで応募するのがジョーシキになってきました。昔はせこせこハガキを書かなきゃならなかったのが、インターネットなら連絡先をコピー&ペーストで入力するだけでハイ終わり、という具合です。アタシもこれにはまったくもって感動したけど、実際にインターネット懸賞に応募しまくり始めたのは、やはりCATVインターネットに加入してからですね。

 この辺は先週の話題と重なりますが、ダイヤルアップでの応募は、「何かイイ懸賞はないかな~」なんて探し回ってるうちに、ヘタをすると切手代を上回る通信料がかかってしまう。となると、インターネットを使うメリットはほとんどないわけです。でも常時接続になると、その考え方は180度変わる。「どうせ毎月一定の額を払うんだから、もっとインターネットを生活に役立てよう」という気になるんです。早い話、「通信料金の分、懸賞でヒトヤマ当てて取り返したるぞ~」ということですな。まあ考えてみるとちょっとサモシイ話ではありますが、そんなことで躊躇してる場合ではありません。何しろ懸賞というのは、応募すれば応募しただけ当たる確立は増えるわけです。それなら仕事の合間とかを使って、できるだけたくさんのチャンスを活かしたほうが賢い。





応募するのも一苦労になってきた

 でも一方で、敵もなかなかやります。たんに名前と住所書いてハイ応募、てな感じに簡単に応募できる懸賞が、最近減ってきてるんですねえ。「このページを見た感想を書いてください」とかいうヤツをよく目にするようになりました。まあ、個人情報だけでなく、Webサイトの質を向上させるためにアンケートを利用するようになってきたんでしょう。なかにはメルマガ登録が条件、というのもあります。こういうのを際限なく登録していくと、収拾つかない事態に陥ってしまうことあるのでご注意を。とくに、最近は「無料メールアドレスお断り」のメルマガも多いですからね。ただ、Webサイトのデザインなどについての感想くらいなら書いてもいいですけどね。

 懸賞の場合、抽選で選ぶ場合がほとんどですが、相手が当選者をホントにランダムに選んでいるかどうかはわかりません。Webサイトの感想などのフリー記述欄を見て「コイツは有益な情報をくれた。ウムウム。誉めてつかわす。褒美に賞品をあげようぞ」てな感じで意図して選んでいる場合が、まったくないとはいえないわけです。というか、こういうのにマメに書いたほうが当たりやすい、てなことは懸賞のハウツーサイトなどを見ると実際によく書いてあります。話からは外れますけど、試写会の応募は女性のほうが当たりやすいとか、この手の話は尽きませんなあ。企業で懸賞の抽選担当者のウラ話のサイトとかあると、おもしろいんですけどねえ。





アイデアで勝負の懸賞もある

欲しい賞品のキャッチフレーズを考えて応募する「インビジ」
 一方で、「これぞブロードバンド時代の懸賞ナリ!」というサイトも登場しました。「インビジ」というサイトです。ここは欲しい賞品を見つけた場合、その賞品のキャッチフレーズを考えて応募するというスタイル。で、採用されたキャッチフレーズは、デザイナーとミュージシャンの手により動画のCMへと生まれ変わります。この完成したCMを見てもらうとわかりますが、かなりカッコイイですぜ。うーむ。これはおもしろいかも。アタシもモノ書きだからわかるんですけど、キャッチコピーを考えるのって意外と難しい。「これはいいデキだ!」なんて自己満足するだけなら簡単ですけど、CMですからねえ。いくら斬新ないい回しのコピーが作れても、クライアントが「そんなんじゃイカン!」といえばそれで終わりですから。だからこそおもしろいっていうのもあるんですけどねえ。

 日ごろ必死こいて書いている本職のライターが作るコピーより、素人が何気なくポッと作った言葉のほうが、クライアントが気に入るってこともある。ふだん電車の中吊り広告なんかで、「ヘッ。こんなコピーくらい、オイラにだって書けるぜ!」とか思っている人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。なにしろ日本人というのは、世界に冠たる読書好きらしいですから、それだけいろいろないい回しが頭にインプットされているわけです。「1行ウン百万」というコピーに匹敵するようなクオリティのものを、いっちょ考えてみたいもんですな。しかもこのサイト、お酒やら毛ガニやら、賞品のラインナップがとても幅広い。いろいろ見て回れば、きっと欲しいものが見つかるでしょう。こういう懸賞で採用されると、賞品がゲットできるというヨロコビもあるけど、「う~んよくわからんけど自分ってなんだかスゴイ!」と誇らしくもなれる。まさに一石二鳥のサイトです。



URL
  インビジ
  http://www.in-visible.net/




ブロードバンド懸賞の時代がやってくる?!

ミステリードラマを扱う「webrama」でも謎解きを懸賞に
 まあインビジのようなサイトが出てきたっていうのも、ブロードバンド化の恩恵のひとつといえるでしょう。細い回線じゃ、「動画のCMなんかいちいち見てられっかよ。ウゼーウゼー」ということになってしまいがちですからね。そういえば以前、インターネットドラマについて書いたときに紹介した「webrama」というミステリードラマのサイトも、謎解きを懸賞にしていました。今のところ、ストリーミングによる動画や音楽配信は、実際の賞品を紹介する上での手段として使われている段階ですが、その内、ブロードバンド・コンテンツ自体が懸賞の賞品として扱われる時代もくるかもしれない。たとえば新しいアーティストの音楽はネット配信で買うのがジョーシキ、という時代になった場合、「賞品は新作アルバムのデータですよ~ん」ということになってしまう可能性もあるかもネ、ということです。

 ただ、そういう時代になったとしても、ある日突然「当たりました!」というメールがきたら、やっぱりいきなりサガワ急便が来るのと同じ感動が味わえるんじゃないか、とアタシは思いますねえ。トツゼンの幸福は、生活をホワワ~ンと暖かくしてくれます。ブロードバンドを存分に利用して、トツゼンのシアワセを噛み締めましょう。



URL
  webrama
  http://www.webrama.net/

2001/11/05 11:20

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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