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クルマが欲しい、そんなあなたにお勧めは!?


 男が欲しがるものといえばカネ・名声など、昔からいくつか定番がありますが、なかにはクルマを筆頭に挙げる人もいるでしょう。そういえば「こち亀」で、フェラーリを欲しくてたまらない男が家から財産まであり金はたいて手に入れ、ついにはフェラーリに寝泊りしながら家族とともに生活する、なんてシャレにもならない話がありました。「ほかには何もいらないからこのクルマが欲しい!」と、男の人生を狂わせる魅力がクルマというものにはあります。

 かくいうアタシが乗っているのは「ローバーミニ」という、50年前に設計されたという実にクラシックなクルマですが、これも普通の人はあまり選ばないチョイスですね。なにしろギアにオーバートップがないから高速ではウルサイし、オイル交換も3カ月に1度の頻度でやらなきゃいけない。今どき、グリスアップをやる必要のあるクルマなんて、ほかにはないでしょう。そのあまりの使い勝手の悪さに、買ったはよいものの1年かそこらで売り飛ばしてしまう人が結構絶えないというクルマです。でもアタシにとって、そんなデメリットはまったく関係ない。ほれたら欠点は目に入らなくなるもんです。

 つい最近、旧型ミニは生産中止となりましたが、その前に買っておくことができて実にラッキーだったなあと思ってます。ただ、これで遠出したりすると、ごくたまに最新式のクルマを見て「いいなあ」なんて思ってしまうこともある。クルマ好きにとっては、たとえ好きなクルマを手に入れた後でも、新車情報にはけっこう敏感で、雑誌なんかを見て「オッ、今度のヤツはいいねえ」なんてつい身を乗り出してしまうこともしばしば。われながらカナシイですなあ。こういう人間にとって、「東京モーターショー」の開催はたまらないもんです。自動車王国・ニッポンに生まれてヨカッタ!なんて天に感謝してしまうほど。なにしろ、世界中のメーカーが一堂に会する大イベントですからねえ。



URL
  モーターショー オフィシャルページ
  http://www.motorshow.or.jp/




クルマ業界はインターネットが大好き?!

 そんなクルマ好きの“お祭り”ともいえる東京モーターショーですが、今年も開催されました。モーターショーといえば思い出すのが、インターネット雑誌の編集をやっていたころ、初めてプレスとして見に行ったときのことですね。学生のころは、モーターショーといえば隅田川の花火大会に匹敵するほどの人込みで、ごった返す来場者の群れを必死にかきわけながら各ブースをまわったものですが、いやープレスで行くとこんなにラクなのか、と感動しました。何しろ人が少ない。プレスのほうが来場者より多いなんてことはあり得ないのでこれは当然なんですが、実際に行くと、「空いてるモーターショーってなんて快適なんだ!」と実感しましたね。

 ここで「どうしてパソコン雑誌のオマエがモーターショーにプレスで入れるんだよ。ハハーン、さてはインチキだな」なんて思った皆さん、それは誤解です。アタシが取材に訪れたのは、とある数社のブースで展示されていた、インターネットによるクルマ情報のコーナーでした。インターネットの黎明期には、こんなことがニュースとして取り上げられていたんですねえ。女子高生までもが携帯でウェブを見るご時世からすると、なんとも牧歌的であります。おまけにモーターショーの会場内には、ライブカメラが据え付けられていました。展示会をライブカメラで中継するのって、今じゃちっとも珍しくないですが、このころとしたら実に画期的だったんですねえ。

 まあこんな風に、自動車メーカーというのは他の業種よりも、不思議とインターネットに対して興味を持つのが早かったような気がします。インターネットもハイテクなら自動車だってハイテクが命、きっと同じハイテク同士で何かしら惹かれるものがあったんでしょう、というのはもちろん冗談。実際のところは、消費者へのアピールやら部品調達のネットワーク化、インターネット・カーナビなど、自動車とインターネットとは、今や密接に関係してます。今現在、こういうことになるということを、自動車メーカーは6、7年前からすでに予感していたんでしょうね。





モーターショーのWebサイトを見てみよう

 今年の第35回東京モーターショーでも、インターネットを使ってさまざまな情報を提供したようです。とりあえずオフィシャルホームページを見てみましょう。さしあたって今年の会期や入場料などの告知、ブース紹介などが掲載されていますが、メニューの中に気になるものがありますね。そう、ブロードバンドを使ってるアナタなら、「ビデオライブラリ」という言葉にお気づきでしょう。ここをクリックしてみると、過去のショーの記録や、クルマの歴史についてのビデオが紹介されている。さすがモーターショーです。ブロードバンド時代にも素早く対応してますね。

 クルマが好きで好きでたまらない人にとっては、こういうビデオはとってもウレシイ。あと、テレビのCMで使っているものなのか、イメージビデオも見られるようになっています。世界のモーターショーサイトへのリンク集もおもしろいですね。外車好きは、チェックしたい情報ですからね。あと、各社のクルマのスペックがリスト化されているのも便利ですなあ。ま、ちょっとビジュアル的に味気ない気はするけど。





もっとスゴイのはメーカーサイトだ

国産に加えて外車の発表会映像も充実しているhi-hoの「MOTORLAND TV」
 まあスペックを見るなら、メーカー別のサイトに行ったほうが早い気もしますけどね。最近では、新車の発表会を、ストリーミングで観られるサイトも増えてきました。たとえばホンダの「S2000」のサイトでは、レセプションのビデオが観られます。クルマの案内だけでなく、社長の発言までビデオ化してあるというのがスゴイ。まるで発表会の現場にいるような気分にさせられます。あと、三菱自動車の「インターネット新車発表会」のサイトもよいですな。軽快な音楽とともにハデな照明でエアトレックがバーンと出てきて、演出が効いています。

 カタログパンフレットをじぃーっと眺めるのもよいですが、これからの時代は、ネットのクルマ紹介ビデオを眺めてヨダレを垂らすというのが、正しいクルマ愛好家の姿なのかもしれません。また外車党の方は、「hi-ho」が運営している「MOTORLAND TV」がオススメです。国産に加えて、外車の発表会ビデオも充実しているこのサイトには、評論家によるレポートもビデオで観られます。いわば、Web版のカーグラTVみたいなもんですな。実際にショールームに行って試乗する暇のない人は、ネットで情報を集めましょう。意外とクルマの全体像って、ネットを検索して回るだけで、かなりの部分が把握できますよ。



URL
  ホンダ「S2000」
  http://www.honda.co.jp/S2000/style/event/reception/
  三菱自動車「インターネット新車発表会」
  http://www.inter-g7.or.jp/mmc/AIRTREK/
  MOTORLAND TV
  http://media-tv.hi-ho.ne.jp/motorland/




中古車情報もアツイ!

 新車を買うだけがクルマ選びではありません。当然、決められた予算内で好きなクルマを手に入れたい場合は、中古車情報も視野に入れますよね。逆にいえば、これこそブロードバンドが活きるコンテンツだと、アタシなんかは思います。なにしろ中古車情報誌を見たって、外側から見た写真しか掲載されていない。イザ買うとなれば当然店に行って実際に触ってみるのが普通ですけど、欲しいクルマがある中古屋に限って、家から遠いところにあるもんです。そんなとき、事前にもっと情報が得られればむだ足を踏む必要もなくなるでしょう。

 そんな人にぴったりなサイトが、「Web Car Channnel」です。ココはスゴイですぜ。中古車情報についてはすべて動画付き、その上修理ショップの紹介まで動画で見られます。これはエライ! 1台1台ビデオを作るのは大変でしょうけど、お客の立場から見れば、ホントに便利ですよね。なんだかブロードバンドの普及によって、クルマ選びの際に誰しもが体験するめんどうくささが、次々と解消されていく気がします。余計なことに気を使わずに、自分に合う世界でたった1台のパートナーはどれか、ということをWeb上で比較検討できる。そういう時代がやってきたようですな。さ、後は購入資金を貯めるだけ……、いちばん難しいのは、コレなんだよなあ。



URL
  Web Car Channnel
  http://www.car-channel.co.jp/

2001/11/12 11:12

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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