Broadband Watch logo

ブロードバンドでスキーがうまくなる!?


 先週の冒頭でアタシは冬が大好きだと申しましたが、寒いときにイイ!のは何も温泉だけってわけじゃない。そう、ウインタースポーツです。アタシの場合、冬になるととにかく仕事よりもスキーに心が奪われてしまって、手が付けられない状態になります。三度のメシより、スキーが好き。「30を過ぎた男が何を遊んでんだ!」と怒られても、こればっかは直りません。平日にカミさんに黙って一人でゲレンデに行き、黙々と技術向上に取り組んでいる姿は、ハタから見ればバカですね。

 別にリゾートに現実逃避したいっつーわけではないんですよ。アタシの場合、いざゲレンデに行ったらサルのようにとにかく滑りまくって、そりゃあもう「優雅なレジャー」とはかけ離れた、ある種イジキタナサを感じさせるくらい貪欲に雪山を楽しもうとします。ここまでくるとジャンキーですな。一時期、社会人に成り立てのころはスキーから離れていた時期もありましたが、最近になってまた目覚めてしまった。それは今、スキー界に未曾有の革命が起きているからなんですね。俗にいう「カービング革命」というヤツなんですけど、これがまた、今までのスキーに比べて段違いにおもしろい。カービングスキーを使えば、ゲレンデスキーヤーだって簡単に、ワールドカップのトップレーサーが味わうような圧力を体感できます。初心者にとっては曲がりやすいのでカンタンだし。

 あと、スキーヤーの趣味が細分化しているのもおもしろいですね。モーグルとかニュースクールとかいう“飛び系”もいれば、ゲレンデ外を山スキー感覚で滑るエクストリーマーもいる。最近はスキーボードという短いスキーも流行ってきてるし、スキークロスという障害物レースみたいな競技も人気です。アタシはといえば、最近はもっぱら、ストックを持たずにハンズフリーでカービングを楽しむ“エクストリームカービング”にハマっています。これがまた、病み付きなんですよ。


スキーの新しい潮流はブロードバンドでチェック

 バブルの頃、「私をスキーに連れてって」という映画でスキーは大流行しましたけど、もう10年前とはゲレンデの様子も違ってますし、技術も変わってきているわけですね。「またスキーでも初めてみるかな」と久しぶりに行く人は、おそらくその変化に戸惑うでしょう。そんな人にオススメなのが、インターネットで現在のスキー事情をチェックすることです。たとえば雑誌「スキージャーナル」が主宰しているWebサイト「SKI CHANNEL」では、雑誌と連動してテクニックを解説した動画を載せています。その名も「動くスキージャーナル」。スキージャーナル誌といえばスキー専門誌の中でもっとも定番の雑誌。ITの世界でいう「デファクトスタンダード」みたいなもんです。

 アタシは高校のときスキーのレースをやっていたんですが、そのころからこの雑誌にはお世話になってました。ヒジョーにマジメにスキー文化のことを考えているすばらしい雑誌だと思ってるんですが、インターネットの使い方もウマイですねえ。なにしろスキーの動きっていうのは、なかなか連続写真では全容がわからない。これは野球とかゴルフとか、ほかのスポーツ全般にもいえることだと思うんですが、トップアスリートの動きは実に滑らかですよね。この滑らかさを伝えるには、実際に動画を載せることが一番イイわけですね。おまけにここのサイトは、過去に掲載した動画もストックしてあります。このまま動画を溜め込んでいけば、日本のスキー技術の変遷が一覧できるすばらしいサイトになるんじゃないか、と密かに期待しています。



URL
  動くスキージャーナル
  http://www.skichannel.ne.jp/ugokusj/index.html




商社やメーカーのサイトにも期待

「EXTREME SKI」ではスキーの新しい遊び方を提案したビデオを流している
 「SKI CHANNEL」を見てると、「やっぱスキー文化を引っ張っているのは雑誌なんだなー」と思うんですが、スキー用具を販売している商社やメーカーにも、がんばってもらいたいもんです。たとえば海外のスキーやウェアを扱っている「フルマークス」では、「EXTREME SKI」と題して、スキーの新しい遊び方を提案したビデオをWeb上で流しています。こちらは技術志向な「SKI CHANNEL」とはうって変わって、かなりノーテンキな感じ。ハーフパイプでエアを決めたり、オフピステでパウダーを食ったりと、ちょっとイメージビデオっぽい。でも、見てるだけでスキーに行きたくなるようなビデオですねえ。長さも10分弱と、Web上の無料動画としてはかなり長いほうです。がんばってますなあ。

 一昔前にスキーにハマった人は、飛んだり跳ねたり、っていう今のスキーの流行はピンとこないかもしれませんけど、何でもアリなのが今のスキーなんです。ヘタでも自分なりのスタイルで楽しめばOK、ということですね。そういう今の風潮を教えてくれる意味でも、このビデオは役に立ちます。他の会社も、もっとこういう動画をWebで見られるようにして、自社商品の宣伝をすればいいと思うんですが、なかなか腰が重いようですな。レースや大会などを主催している会社なんかは、腐るほど動画を持っているんだろうから、もっと活用してほしいもんです。素人が撮影したものでも、ネット動画の画質ならそれほど苦になりませんから。



URL
  EXTREME SKI
  http://fullmarks.pod.tv/




ネットが盛り上げるウインタースポーツ

 その他にも、雑誌「スキーグラフィック」を作っている「ノースランド出版」が主催している「スキーネット」とかでは、同社の新刊ビデオの一部が動画で見られるようになっています。でも、こういう一部の会社は力を入れてるけど、「まだまだたりんわい!」というのがホンネですな。スキーっていうのは季節モノですから、年がら年中盛り上がっているとはとてもいえない。でもだからこそ、ネットに後押ししてほしいと思うんです。野球とかサッカーならTVでイヤというほど見られますよね。でも、ウインタースポーツのテレビ番組なんか数えるくらいしかない。昔は「SKI NOW」という伝説の番組をテレビ東京が作っていたんですけど、今はそれもない。さびしいもんです。こういうある意味マイナーなものこそ、ネットをフル活用すべきだと思うんですよねえ。

 「Yahoo!」のスキー掲示板なんかを見るとわかりますけど、最近は文書を投稿するとともに、「これ私の滑ってるビデオだから、ちょっと見て!」なんて動画のリンク先がよく載っていたりします。ビデオカメラもデジタルになって随分と小さくなってきましたから、ゲレンデに簡単に持っていけるようになりました。あと、DVだとWeb上で見られるように加工するのも簡単ですよね。そういう事情もあって、一般のスキーヤーが手軽に自分の滑りの映像を公開しています。こういうのを見ると、「会社は何やってんの!」といいたくなる。スキーっていうスポーツはイメージトレーニングが重要ですからね。ビデオを見れば見るほどうまくなる、不思議なスポーツなんです。だから、もっともっとWeb上の動画を増やして、スキーフリークを熱狂させてほしいですねえ。Web上でウインタースポーツが盛り上がれば、「雪山に行ってみようかな」と思う人も増えるかもしれません。今はスキー場も経営的に結構厳しいご時世ですから、不景気解消のきっかけになるかもしれない。スノーボード界とも手を携えれば、いろいろなことができると思うんですけどね。

 さてスキーネタ、来週も続きます。いよいよ12月に入って各地のスキー場が次々にオープンしていますけど、いざスキーに行く際は、やはりブロードバンドを活用しちゃいましょう、というお話です。乞うご期待!



URL
  スキーネット
  http://www.skinet.co.jp/

2001/11/26 11:15

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2001 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.