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進化する検索サイト


 インターネットって何が便利かって、わからないことを検索すればすぐに関連サイトを教えてくれるとこですよね。子どもだろうが大人だろうが皆が同じ土俵に立って情報を提供できるインターネットですから、そりゃWebサイトの数は膨大なものになる。そこから目的となる情報にたどり着くためには、まずは検索サイトを足がかりにする必要があります。この検索サイト、インターネットの黎明期からありましたけど、おもしろいことに、時代とともに人気のサイトが移り変わる。まあ検索キーワードの指定の仕方とか、それぞれ使い勝手が微妙に違っているから、個人の好みもありますけどね。

 アタシ的には最近はもっぱら「Google」を利用してますけど、別にココが一番イイから、というわけでもない。もしかしたらほかにいけばもっと便利なサイトのリンクが導けるかもしれないけど、どこか1つヒイキのサイトを決めておく必要がありますからね。ちょっとしたときにすぐにキーワードを打ち込んで、検索ボタンをポーンと押す。この作業をアタシは1日におそらく100回以上はやっているでしょう。街ネタ記事のリサーチをするとき、IT関連の用語の意味を知りたいとき、よく使われている言い回しの正しい意味を調べるとき、あらゆるシチュエーションで検索は役に立ちます。最近では国語辞典がマルマル入っているサイトもあるくらいで、もはや辞書ソフトさえもワザワザ買う必要なんてないんじゃないかなあ、とも思ってます。

 で、アタシがいつも使ってる「Google」なんですけど、最近になって単なるテキストの検索だけじゃなくて、“イメージ検索”なんてサービスもやりはじめた。おもしろいですよねえ、コレ。たとえば「富士山」という言葉を入れると、ホントに富士山の画像がズラズラズラ~と出てくる。内容も、「さよなら富士山測候所ドーム」なんていう新聞記事から、駿河湾に浮かぶ洋上レストランから見た富士山の景色まで、実に多彩です。アタシはテクノロジーには疎いもんで、いったいどういう仕組で画像の検索システムがなり立っているのかは詳しいところは知りませんけど、画像に付随してるテキストや、画像のファイル名から判断してるんですかねえ。頭のイイ人もいるもんですなあ。

 検索結果から画像をクリックすると、ブラウザの上半分は画像、下半分はその画像が掲載されているページが丸ごと表示される。これも親切ですねえ。こういうのが出てきたってのも、ブロードバンド化が進んでることが背景にあるのかもしれません。なにせ、皆がモデムでダイヤルアップしてた時代は、「画像がたくさんあるページは重くなるので、人は見ない。アクセス数を増やすんなら、テキスト主体にして軽いページ作りをめざすべきだ」なんてことがセオリーとしていわれてたくらいですから。

 「いくら画像があろうとも全然平気だもんねー」という現在では、雑誌記事や旅行パンフレットと同じように、画像を入れてページを華やかに彩ることがアタリマエになってきました。そんなトレンドの中で、「これだけ画像があるんだったら、画像を主体に検索できてしかるべきだ」という発想が出てきてもおかしくはないですよね。



URL
  Google
  http://www.google.com/intl/ja/




ついに動画検索がスタート!

キーワードで動画が検索できる「hiho MediaTV」
 でも、「Google」のイメージ検索で対応しているフォーマットは、JPEGとGIFです。つまり、まだ静止画だけということですね。「静止画の検索システムが作れるんだったら」と誰もが思うでしょう。そう、動画の検索です。そんなアナタに朗報なのが、「hi-ho MediaTV」の動画検索サービス。今年10月に始まったばかりの、ホヤホヤのサービスなんですね、コレ。ついに出るべくして出たというか、なんという絶妙のタイミング。ではその使い勝手はというと、これがハツモノとは思えないほどよくできてる。たとえば「スキー」というキーワードを指定すると、検索結果は12件でした。内容は修学旅行のスキーレポートとか、初心者向けの解説ビデオとか、「よくこんなの探してきたな~」というものばかり。

 しかもこれ、検索時間がやたらと速いんです。実際に何秒かかったかが左上に表示されるんだけど、「0.0008秒」とか、とんでもない数字ばかり。始まったばかりのサービスだから人が少ないのかどうかはよくわかりませんけど、検索サイトというのはとにかく速ければ速いほどイイ。今後も、この秒数をキープしてもらいたいもんです。登録件数についてまだ始まったばかりなので、数は多いとはいえませんが、今後さらに増えていくことは間違いないでしょうね。こういうサイトが登場したことによって、今まで個人が趣味で撮影した手作りの動画ファイルが、もっと日の目を浴びることになるわけです。そうすると、個人の動画作りへのモチベーションが上がることは間違いない。デジタルビデオカメラの売れ行きもよくなっちゃったりしてね。



URL
  hi-ho MediaTV
  http://media-tv.hi-ho.ne.jp/




使い勝手に関するアレコレ

 とまあ手放しに褒めちぎってみましたけど、まだまだこのサイトには発展途上の部分も多い。たとえば検索結果は動画へのリンクが直接表示されるけど、そのファイルが登録されているページ(親ページ)のリンクは貼られていないんですね。一応URLは書いてあるけど、クリックできないようになっている。これはチト使いづらいなあ、と思います。「Google」のイメージ検索のように、リンクをクリックすると同時に親ページも表示するようになっているほうが便利ではないかなあ。

 あと、ビジュアルの検索なんだから、そのビデオの内容もやはり視覚的に一覧できたほうがイイですね。今の状態だとテキストだけがズラズラ表示されるだけなので、どの動画を見るかを検討する際に、ちょっともたついてしまいます。できればビデオの出だしの画像を静止画にして、その縮小画像を併載すればカンペキなんだろうけど、これは著作権の関係で難しいのかな? RealPlayerとかの動画って、簡単には静止画キャプチャできないしね。ユーザー側のワガママをいえば、検索結果のページに小窓がいくつも現われて、それをクリックすればすぐに画像が動き出す、なんてのが理想なんですけどね。せっかくブロードバンドで帯域が増えたんだから、技術的には可能なはずです。こういう要望なんかはいずれ各方面から噴出することが予想されるので、たとえば動画への著作権システムを整備するといいかもしれません。「この動画はリンクフリーです」というものについては、検索サイトから直接見られるようにして構わない、とかね。





もう1つの可能性

 「hi-ho」を皮切りにようやく始まった動画の検索ですが、今後はいろいろな使い道が考えられるでしょう。今現在はテキスト版検索システムの焼き直しという感じですが、動画ならではの検索スタイルというのもあるはずです。たとえば「立命館大学ARC・動画鑑賞システム―能楽篇―」を見てください。これは能楽に限定した検索システムです。演目・詞章・演者と、能を知らない人には縁のない言葉が並んでますが、詳しい人にとってはたまらないサイトでしょうね。こんなふうな、あるジャンルに絞っての検索というスタイルも、動画の場合はアリなんじゃないかなあ、と。

 スポーツの技術検索や武術の“型”の検索、花火の種類検索など、いろいろと応用できますよね。「hi-ho」などの総合サイトでオプションにしてもいいし、あるジャンルの動画検索をメダマにポータルサイトを作ってもいいかも。うーん夢が膨らみますなあ。



URL
  立命館大学ARC・動画鑑賞システム―能楽篇―
  http://www.arc.ritsumei.ac.jp/db2/noumad/search.htm

2001/12/10 11:20

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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