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Webサイトで天体観測


 さて、今年一発目。みなさん、明けましておめでとうございます。正月休みはゆっくり満喫できましたか? まあ最近IT関連の会社なんかは、正月なんか関係ねーよっていうとこも増えているようですから、これから休みの人も中にはいるかもしれません。ウラヤマシイことです。正月ってどこ行くのも混んでますよね。高速道路に入れば渋滞し、スキー場とかアミューズメントパークとか行けば行列地獄。それならいっそ、ズラして休むほうがなんぼマシか。アタシの場合、この世で一番忌み嫌っているのは「並ぶ」ことです。できるだけ行列とか人混みを避けることに日ごろから心血注いでますから、たとえ正月だからといって人が集まるようなとこにはなるべく近付かないようにしています。探せば、人のいないところなんかいくらでもありますからねえ。下町に住んでいても、浅草寺にお参りするのは三が日を過ぎてから。これ鉄則です。それまではマイナーな神社で初詣をすませるってのがシアワセの秘訣でしょう。インターネットだって、パケット方式でよかった。メールをすぐに出したいのに、「今は混んでますから、ちょっと待っててね」なんていわれて整理券でも渡されようものならブチ切れモンですよ。

 そういえば常時接続が一般的でなかったころは、ダイヤルアップで「ビジー」という忌まわしきものがありましたね。ネットで接続するだけのことで待たされるなんて、アタシにはとてもたえられない。ブロードバンドが普及してホントに助かった。と、新年一発目のブロードバンド賛歌が終わったところで、本題に移りましょう。行列なんかに並ばなくても楽しめるものがアタシたちにはあるじゃないか、というお話。そう、それは天体観測です。


天文関連サイトはよりどりみどり

 寒くなってくると星がキレイに見える、というのはみなさんご存じだと思います。混んでいるところにいってお金と時間をむだに使うより、川原とか丘の上とか、身近にある見晴らしのよい場所に出かけてみましょう。空を見上げれば、そこには大スペクタクルが待ってますよ、ホント。でも、いきなり“天体観測”っていっても、フツーの人は引いちゃいますよね。「望遠鏡なんて持ってねーもん」って人がほとんでしょうから。けど、ただ星を観るだけでも、けっこう感動できるもんです。オリオン座とかカシオペア座とか、有名なヤツを見つけてハシャぐだけでも、疲れたときの気分転換になる。アタシも子どものころ、星座早見盤を買ってもらって、夢中になって夜空を見ていたことがあります。おもしろいですよねえ、アレ。今はインターネットという便利なモンがありますから、今月の夜空とか星座とかいうキーワードで検索すれば、すぐに星座の配置を解説したページが出てきますよね。

 実際にやってみるとおわかりになると思いますけど、天文に関するWebサイトというのは意外と多い。天文台とか大学とか、個人の天文マニアの人とか、この手のサイトはそれこそ星の数ほどあります。天文関係の人は、コンピュータが使える人が多いってことですかねえ。ま、たしかに天文学もコンピュータも、どっちも理系の人が有利な世界ですけど。


専門の知識がなくてもOK!

 ただ、理系の世界といっても、天文関連のサイトというのはある程度初心者にもわかるように配慮してあるところが多いようです。これはエライ! と思いますよ。たとえばインパクで公開されていた「五島プラネタリウム 最終投影」というページ。ここでは渋谷の東急文化会館の屋上にあるプラネタリウムの投影場面を動画で観ることができました。すでに公開は終了してしまいましたが、なかなか楽しめるサイトだっただけに残念です。

 ところでプラネタリウムじゃ飽きたらない、やっぱ本物の星空だという人は、ライブカメラのサイトにいってみましょう。たしかに天文関係のWebサイトは多いけど、夜空の映像をライブで掲載してるところは意外と少ない。ライブカメラというと、どうしても地上の画像を映したくなるのが人情なんでしょうね。でも、なかには夜空にこだわってる人もちゃんといます。有名なのは、やっぱ@niftyの「スペースフォーラム(FSPACE)」のトップページに掲載してある、八ヶ岳と那須の星空ライブカメラでしょう。流星群とか日食とか、イベントのときしかライブ中継しない天文台が多い中、ここはカメラが常設されている。たいしたもんです。それにこのサイトはフォーラムですから、ライブカメラだけじゃなく、掲示板とかデータライブラリなどもある。気の合った仲間を見つけて星について語り合う、なんてこともできるわけです。なんか、星に対する愛情が伝わってくるサイトですよね。



URL
  スペースフォーラム(FSPACE)
  http://www.nifty.ne.jp/forum/fspace/




イベントのときもネットを活用

日食や流星群のガイドから星座めぐりまで幅広く解説されている「WNN-UNIVERSE」
 さて、こういう風にネットを活用しつつ夜空を観るようになると、宇宙とか星とかについてもっと知りたくなってきませんか。そんな人にお勧めなのが、「すばるアストロ総合ステーション」のページです。ハワイの国立天文台「すばる」のサイトなんですが、メニューの中から「イベント」を選んでみてください。ここではインターネット放送「すばるクラブ」が観られるようになってます。テーマは「火星人はいるのか?」などのSFチックな話題から「星も輪廻する」「銀河の世界」など、宇宙全般の話まで、多岐に渡ります。これ、BGMがジャズになっていたり、きちんとしたスタジオで収録されていたりと、かなり気合が入った映像作品に仕上がっていて、見応えアリアリですよ。ゲストは大学教授とか天文台の研究者とか偉い人ばかりですが、知識がない初心者にもわかりやすく作られています。

 あと、この手のサイトでは「WNN-UNIVERSE」もイイです。こちらは「インターネット観望会」と題して、日食とか流星群のガイドから星座めぐりまで、やはり幅広く解説してある。寒い夜は、ベランダで星見をしつつ、体が冷えたら中に入ってコタツでミカンをムキムキ、それからこういうサイトを観る。いいですなあ。熱燗をちょっとクイっといったりなんかしちゃったり。

 でも、お酒飲んでそのまま朝まで寝ちゃうなんてこともあるから、気を付けましょうね。なんせアタシは去年のしし座流星群のとき、前の晩にしこたま酒を飲んでドンちゃん騒ぎして、星を見るのをすっかり忘れて熟睡してしまいました。ダメダメですな。「そんなヤツが星のことについて語るンじゃねえ!」とお腹立ちのアナタ、ご意見はごもっともです。だが、しかし! だからこそ今年は健康的な生活をしつつ、星を観て清い心のまま1年過ごしたいという願いを込めて、今回の記事を書いたわけで……ってこんな言い訳はダメ? まあ何はともあれ、今年もヨロシクお願いしま~す。



URL
  すばるアストロ総合ステーション
  http://www.inpaku.melco.co.jp/top02.html
  WNN-UNIVERSE
  http://www.wnn.or.jp/wnn-u/wn.html

2002/01/08 11:12

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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