Broadband Watch logo

就職でのブロードバンド活用術


 皆さん、昨日は桜餅、食べました? 雛祭りが終わると「春がきた!」って感じがしますなぁ。アタシ的に3月ってのは、山の雪が融けてさびしいってのと、新しい年度が始まるワクワクした思いがナイマゼになった、アンビバレントな気持ちになる月ですね。学生やサラリーマンの方々にとっては、春は卒業の時期であったり、人事異動のタイミングであったりと、いろいろなイベントが重なっていることでしょう。

 送迎会やら卒業の打ち上げやらで、やたらと夜の街が騒がしくなるのもこの季節。終電の車内で嘔吐されている方もよく見かけます。大学生3年生が、就職に向けて気持ちを新たにするのも3月ですね。就職活動ってのは聞くところによると年々時期が早まってきているようで、早いうちから情報収集して希望業種を決めて、資料請求やらOB訪問する必要があるらしいですなあ。アタシ的にはこの手の王道的な就職活動はほとんどしないでやり過ごしてきたもので、よくわからないですが、やはり人より一歩先をいくには、情報収集がモノをいうんでしょう。バブルのころはともかく、今は買い手市場ですからねえ。厳しい就職戦線であることはもちろんですが、アタシが大学生のころより、情報収集がはるかに楽になっているのはインターネットの存在でしょうね。資料請求やセミナーへの申し込みがWebサイトを通じて簡単にできる。これは、かなりウラヤマシイです。分厚い資料ハガキ本からハガキを切り取って、いちいち出すなんてメンドクサイですからね。


就職の情報集めにはネットを使うのがジョーシキ

 そういえば、インターネットの黎明期には「メールで履歴書を出すと、最新テクノロジーに強いヤツだと思われる」なんてアドバイスがどっかの就職マニュアル本に載ってましたなあ。あ、そんなこと何でアタシが知ってるかっていうと、以前インターネットの本を編集してたとき、就職活動の記事を作ったことがあるんですね。就職マニュアル本というものも、そのとき初めて読みました。わりとあれ、おもしろいですね。ワセダ大学なんかにも取材しに行きましたよ。イマドキの大学の就職センターって、パソコンがたくさん並んでるんですねえ。ビックリしましたよ。アタシのころはパソコンなんて置いてありませんでした。ひさしぶりに行ってみたら学生の皆さん、資料をペラペラめくる代わりにパソコンと睨めっこですからねえ。まあ、どこの会社のホームページにいっても、企業プロフィールや沿革なんかはほとんど載ってますからね。なかには、株主向けの告知とか業績報告まで載せているところもある。就職ガイドとかにもそういう情報は書いてあるけど、わざわざ分厚い本をあれこれ探すより、Webを検索したほうが効率がよい。それに、セミナーの開催告知もあります。あと、Webサイト全体をパッと見るだけでも、その企業の性格みたいなものが何となくわかりますよね。人間ってのは単純なもんで、デザイン的に凝っていたりするだけで、その会社に対してよいイメージが湧くもんです。


動画による人事部長からのメッセージ

職場の雰囲気や仕事の内容がわかりやすいアンリツの就職サイト
 何よりも、Web上で就職情報のコーナーが充実しているかどうかを見るだけでも、いろいろと判断できますよね。「ああ、この会社は本当によい人材を探してるんだな」なんて思うと、「ヨシ、やったろかい!!」と張り切ってしまいますな。とくにブロードバンド時代の今なら、会社案内や採用情報にも動画を使ってほしいもんです。たとえば計測機器や産業機械などで有名なアンリツ株式会社の就職サイトでは、工場案内を動画で見られるようになっている。しかも、「こんな人にきてほしい」という3カ条が書いてあったり、各職場のスタッフの1週間の仕事状況なんかも掲載していたりと、リクルートページとして非常に完成度が高い。

 あと、繊維事業などでおなじみの帝人株式会社の新卒採用情報ページもおもしろい。なんと、2002年春に入社する人の、内定式の模様を動画に収めたものが見られるんですねえ。まあ実際には内定式だけではなく、新入社員たちの志望動機とか将来の夢とか、これから就職活動する人へのアドバイスなども収録されているんですが、なかなか見応えのある立派な作品に仕上がっています。懇親会で皆が団らんしてる場面なんかも出てきて、「なんだか楽しそうな会社だな」と思いました。やっぱり動画のサイトがあると、「新しいことに敏感な会社なんだな」というイメージを持てますよね。



URL
  アンリツ株式会社の就職サイト
  http://www.anritsu.co.jp/Japanese/recruit/kaisya.htm
  帝人株式会社の新卒採用情報ページ
  http://www.teijin.co.jp/japanese/recruit/JBC/recruit.htm




一番気になるのは人事担当者

企業の人事担当者のインタビュー動画が集められている「就職TVドットコム」
 自社の採用情報サイトで、この手の動画が見られるようになっている会社はほかにもいくつかあるんですが、やっぱり就職活動する人がもっとも気になるのは「人事担当者はどういう人なのか」ということだと思うんです。実際に面接を受ける場合に、一番お世話になる人ですからねえ。人事担当の責任者がどういう人か、事前に動画で見られれば、それに越したことはない。そんな人にオススメなのが「就職TVドットコム」。ここは各企業の人事担当者のインタビュー動画を集めたページなんですが、その情報量たるやスゴイもんです。「金融関連」「流通サービス関連」「インフラ関連」とかそれぞれカテゴリー分けされていて、どれかを選ぶとそのジャンルの企業がズラズラ表示される。かなりの大企業からベンチャーまで幅広い規模の会社を網羅しているので、見応えがあります。何社か動画を見てみましたけど、おもしろいですねえ、コレ。会社によって求める人物像はさまざま。抽象的なことをいう人もいれば具体的な人もいる。けど、さすが課長から部長クラスまでの人のインタビューだけあって、言葉の重みを感じます。すでに就職しちゃってる人なんかは、自分の会社の動画を探してみるのもおもしろいかもしれませんね。「う~ん。オレってウチの会社が求めてる人物像とはずいぶんかけ離れてるけど、よいのかなあ?」なんて、しみじみとわが身を振り返っちゃったりしてね。



URL
  就職TVドットコム
  http://www.shushokutv.com/




ネットを活かしてよりよい就職を!

 ほかにも就職に関する動画を集めたサイトってのは結構あるもんで、たとえば「日経就職ナビ」にいくと、「Web会社訪問」というコーナーがあります。実際に働いている人や、会社のアピールなどが動画で見られるようになっているんですが、単に動画を流すだけでなく、右側にプレゼンテーションのウィンドウがあって、ここで動画を補うようなデータやコメントが次々に表示されるような仕組になっています。考えてみれば、人事担当者やら現場で働いている人たちにインタビューするっていっても、アナウンサーじゃないんだから、スムーズに話すのはなかなか難しい。なかには喋っていることが聞き取りづらいときもあるわけです。だからこういうふうにテキストで補足すれば、登場する人物の真意を確実に受け取れる。その点のツボを押さえた見せ方には感動しました。

 こうして就職支援サイトを見ていると、世の中にはいろいろな会社があるんだなあ、とつくづく感じます。聞いたこともないような会社が実はアノ商品を作ってるんだ! なんて発見もしばしば。テキストの会社案内は読む気にならなくても、動画でアピールされると、思わず見入ってしまうもんです。そういう意味では、就職活動中の人以外も、見る価値はあるのかもしれない。もしかしたら、これを見たきっかけに転職してしまう人だっているかも?! 数多くの採用案内動画を見てたら、何かアタシも変な気持ちになってきました。ここはアタシもひとつ浮き草のような仕事から足を洗って、就職活動してみようかなあ……なんちて。



URL
  就職TVドットコム
  http://www.shushokutv.com/

2002/03/04 11:20

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2002 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.