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ブロードバンドは動物園


 最近、東芝のエアコンのCMで犬が出てくるヤツありましたよね。「マイナスイオンでリフレッシュ~」というキャッチコピーで、家族一同に加えて犬までもが、マイナスイオンを浴びて恍惚の表情を作ってるというCMです。これを見てふと思いました。このところ犬や猫が登場するCMが増えているなー、と。テレビだけでなく、雑誌とかでも犬猫が表紙に使われるのをよく見ます。実は出版界では「困ったときには犬と猫」という通説があるんですね。とにかく犬や猫を表紙にすれば、普段より売れ行きがよくなるという説なんですが、これがあながちウソではないからコワイ。動物ってのは、どんな売れっ子タレントにも引けを取らない魅力を持っているのかもしれません。不景気でモノの売れ行きが落ちたり雑誌の部数が減ったりすると、人は犬や猫に頼るものなんですなあ。なんか情けないけど。でも、世の中がいろいろギスギスしてくると、人は動物の無邪気な顔に癒しを求めてしまうんでしょう。

 まあ何もテレビや雑誌で見なくても、自分で飼えばいいじゃん、と動物好きな人はいうかもしれないけど、諸事情によって飼えない人も多い。アタシもそんな一人です。犬が欲しいんですけどねー、ライターなんて仕事してると、ずっと家に帰れないこともあるので、ヘタをすると餓死させかねない。そんなわけで、今のところはメディア経由で動物を愛でるのが精一杯。ブロードバンドを使えば、いつでもいろいろな動物が見られるしね。アタシと同じような境遇の方、いつかペットが飼える日を夢見ながら、ネットを探してみてください。


あらゆる生き物の“今”が見られる

世界中の生き物サイトへのリンクが集められている「いきもの中継大集合」
 てなわけで今回は、ブロードバンド・生き物ウォッチングについてお話しましょう。まずはライブカメラから。世の中には自分のペットを他人に見せたがる人が多いようで、ライブカメラの黎明期から、ペットを映したサイトが数多く登場しては消えていきました。まあ、子どもの写真を年賀状に使うのと似てますね、これは。でも、こういうサイトは個人で運営しているところが多いので、ひとつひとつ検索エンジンで丹念に探していくのはなかなかめんどうです。そこでお勧めなのが「いきもの中継大集合」というサイト。世界中の生き物サイトのリンク集なんだけど、これがまあ実によくできてる。「ペット系」「哺乳類系」「トリ」「は虫類系」などジャンル別になっていて分かりやすいし、それぞれのジャンルをクリックすると、「ネコ」「イヌ」「ネズミ」と、さらに細かく分かれてる。ひとつひとつのリンクに簡単なコメントも添えられていて、好みの犬種が決まっている人ならすぐに目的のサイトにたどり着けるというわけです。アタシの場合、プードルなどの「カワイイ系」よりも、柴犬とか樺太犬とか精悍なヤツが好きなんですが、そういうライブカメラもすぐ見つかる。日本だけでなく、アメリカやヨーロッパのサイトもかなりの数が掲載されているので、ホントおもしろいですよ。海外の動物って、日本のより顔つきが微妙に違っていたりしますからねえ。

 こういうライブカメラサイトって、毎日欠かさず見ていると、なんだかモニター越しに情が移っちゃって、まるで自分の犬のように思えてくるもんです。本当の飼い主にしてみたら迷惑な話かもしれないけど、ただ思うだけなら勝手だもーん。というわけで、お気に入りのライブカメラを見つけて、勝手に飼い主になってしまいましょう。こーゆーのって、楽しんだほうが勝ちですがな。



URL
  いきもの中継大集合
  http://homepage1.nifty.com/NewSphere/goto/livealive/




貴重な野生生物が勢ぞろい

 こんな風にペットを愛でるというのも、生き物に接するひとつ方法ですが、別の方法をとる人もいる。それは、野生の動物を観察するというやり方ですね。とても家では飼えない動物や、絶滅寸前で個人が飼ってる場合じゃない動物を好きになってしまった人は、野生に生息する姿をひっそりと見つめるしかない。けど、そうそう野生動物が住んでいるようなところに行くヒマなんかないですよね。そんな人に見てもらいたいのが「インターネット自然研究所」の「野生生物ライブ映像」というサイトです。ここでは日本全国の野生生物の姿を捉えた映像を集めています。残念ながら完全なライブ動画というわけではなく、1時間おきの静止画しか見ることはできません。が、最近の画像の中からベストショットの映像を選んでどーんと載せているので、なかなか見応えがある。なんせ野生動物だから1カ所に留まっているわけではない。ライブカメラを設置しても、一生見られない可能性だってあるわけです。それなら動物の姿をバッチリ捉えた画像を掲載してくれたほうが親切ですよね。

 それに、このサイトでは過去の静止画も日付を指定することによって見られるようになってます。単に動物愛好家の好奇心を満たすだけでなく、学術的にも意義のあるサイトなんですね。まだ始まって間もないから、「5年の推移」というオプションを指定しても去年のヤツが1枚しか出てこないという状況だけど、この先何年も画像を溜め込んでいけば、とんでもなくおもしろいサイトになる可能性もある。あと、動物に関する知識とか、カメラを設置した近辺の自然環境だとか、ためになる情報も詳しく解説してあります。公園などの場合は開園時間をはじめとしたデータもしっかり書いてあるし、アクセス方法や地図まで載っている。実際にそこに行きたい場合にも、このサイトは役立つというわけです。なんか、生き物好きな人の心理をよく分かってますね、このサイト。アッパレ!!。



URL
  野生生物ライブ映像
  http://www.sizenken.biodic.go.jp/pc/live/html/index.html




オルカ好きはここを見ろ!!

多摩川ライブと沖泳良部島ライブ、オルカライブが用意されているNTTデータの「NATURE NETWORK JAPAN」
 さて、お次は海の生き物にいってみますか。NTTデータが運営している「NATURE NETWORK JAPAN」というサイトを見てみましょう。ここには多摩川に生息する生き物を捉えた「多摩川ライブ」と、ウミガメが見られる「沖泳良部島ライブ」、そしてカナダのハンソン島でオルカ(シャチ)の姿を追った「オルカライブ」と、3コーナーあります。アタシ的には3つ目の「オルカライブ」にシビレたなあ。水族館とかでオルカを見たことはありますけど、海で泳いでる姿は、水族館とは大違い。広い海原を背ビレがゆっくり上下するその雄姿を見ると、なんだかエライ感動を覚えてしまいます。このサイト、「ライブ」とはいってますが年中やってるわけじゃない。期間限定の中継だけど、きちんとその映像をハイライトとして残しています。ハイライトの動画はRealPlayerで見られるようになってます。画質は非常にGOOD!! あと、音質もイイ。オルカの鳴き声も実にクリアに収録されていて、ホント、その場にいるような気になる。この画像を見つけたとき、時間を忘れましたよ。ああ、オルカって美しいなあ、と画面に見入ってしまいました。このライブ中継、今年の夏にもまた実施されるとのことです。また、沖泳良部島のウミガメライブも5月中旬にリニューアルしてパワーアップするとか。うーん楽しみ楽しみ。

 水中の生き物ってのはイイですなあ。なんか、モニターからマイナスイオンが放出されているかのような、癒しの気分を味わえますね。オルカより魚だ!! という人には、「東京都葛西臨海水族園」のサイトなんかよいんじゃないでしょうか。アタシは魚を見ると「おいしそうだなあ」とグルメ方面に考えてしまうタチなので、水族館は苦手かも。まあブロードバンドでどんな生き物を見るかは人それぞれですが、その人がどんなサイトを気に入るかで、なんとなく人となりが分かってしまうような気がします。オルカみたいな“癒し系”の生き物に惹かれるってことは、やっぱアタシは疲れてるのかもしれん……、はあ。



URL
  NATURE NETWORK JAPAN
  http://www.nature.nttdata.co.jp/
  東京都葛西臨海水族園
  http://tslp.kirc.wide.ad.jp/jp/

2002/04/22 11:20

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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