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インターネットテレビ局は地域情報の宝庫


 最近、実に残念なことがありました。アタシの加入しているケーブルテレビで番組改変があり、「NNN24」というニュース専門チャンネルが見られなくなったんです。アタシがもっともよく見てたチャンネルが、これだったんですよ。

 とにかくアタシはニュースが好きなんですよね。家に居ながらにして世界中の出来事を知る。下手なバラエティ番組や映画よりも「現実」の方がはるかに面白いことも多々ありまして、そんな面白いニュースが24時間ぶっとおしで見られるこのチャンネルは、かなり重宝してました。代わりにやってきたのが巨人戦の放送を中心に流す「G+SPORT&NEWS」という放送局で、パ・リーグ派のアタシにとってはほとんど意味なし。ていうか、巨人戦なら地上派でやってんじゃねえかコラ、と憤懣やるかたなかった。

 まあ巨人が好きな人にとっては試合開始時間から終わりまでやってる方がそりゃ良いだろうけど、「NNN24」でも「リレーナイター」という、巨人戦の地上波放送を補完する番組をやってたんだから良いじゃん、と思うのはアタシだけ? まあ、「NNN24」も深夜になればBSデジタルの方で流れるんで、完全に見られなくなったわけじゃないんですけどね。

 それにしても深夜だけっつーのが気に入らん。労働時間が極めて不規則なアタシにとっては、24時間放送がありがたかったのになー。かつて我が家に多チャンネル時代が訪れて、最初に感動したのもこの放送局の存在でした。広域ニュースが見られるのは当たり前だとして、全国各地のローカルニュースまで見られるなんて、なんと画期的なことか、と。

 北海道のニュースを見ていて、「今日の午後、市内にクマが現れました」とかいうニュースを見ると、非日常を感じてしまうんですねえ。旅行に行ったとき、普段とは違うローカル局の番組を見ると旅情が募ったりするけど、アレに似ている。こーゆーのにアタシは弱いもんだから、「こりゃ面白れーや」とビール片手によく見てました。ま、スポーツニュースが巨人中心なのはチト気に入らんかったけどね。


ネットで地域ニュースが見られる?!

 そんなわけで「NNN24」が見られなくなった今、アタシはどうしてるかというと、テレビを見る時間よりパソコン見てる時間の方が圧倒的に多くなりました。なんてったって、ネットなら全国津々浦々のローカルニュースが見放題ですからね。とくに最近面白いのが、地域密着型のインターネットテレビ局。新聞にも地方紙やブロック紙といった地域情報に強いものがあるけど、こちらはその「動画版」といったところでしょうか。

 そういえば前に「ミニFM」についても書きましたね。ミニFMのインターネット配信は音声だけなので、どうしても音楽やトークが中心だったけど、こちらは動画だからニュースやトラベル情報など、ビジュアルがモノを言うコンテンツの割合が高くなる。ニュース好きのアタシにとっては、たまらん状況になってきたわけです。


「天草テレビ」
 それではアタシのお気に入りの放送局を紹介していきましょうか。まずはローカルニュースが充実している「天草テレビ」のサイト。こちらは九州・天草諸島で活動しているネット放送局なんですが、とにかくレポート番組がテンコモリなんです。ナレーションも天草弁なら、レポーターも天草弁。動画のプレイボタンを押すだけで、それはそれはローカルな世界に没入させてくれます。

 扱うトピックも「生きていた!! 大王~衝撃リポート~女子アナ・アヤちゃんが行く!!」とか「ヒトデがおいしい季節になりました?!」とか、とても幅広い。タイトルのつけ方も絶妙ですねえ。「大王って何????」と驚いてクリックすると、それはニワトリの種類のことだったりして、ニヤッとさせられます。

 何よりも「女子アナ・アヤちゃん」がイイ!! もしやミス・天草とか、とびきりの天草美女が登場か!! と思いきや……この先は止めときましょう。見ればわかりますが、かなり衝撃を受けること請け合いです。アタシも最初は驚いたけど、なかなかこの人選はイカしてるな、と思い直しました。ぜひ、アナタの目で確かめてください。



URL
  天草テレビ
  http://www.amakusa.tv/




硬派なニュースも盛りだくさん

「CBCS NETWORK」
 せっかく九州の放送局を見たんだから、今度はもうちょっと南下して沖縄に行っちゃいましょう。「CBCS NETWORK」のサイトへGO!! ここでは「OKINAWA TODAY」というニュース番組を中心に、カルチャー番組、討論番組、バラエティー番組と多彩なジャンルの動画が見られます。

 ニュース好きのアタシとしては、やっぱ地域ニュースを扱った「OKINAWA TODAY」に興味アリアリ。政治・経済・外交など堅めの話題も多いですけど、たまに柔らかいトピックもあって楽しめます。アセロラの生産地である沖縄本島北部の本部町が、5月12日を「アセロラの日」に制定しているという事実を、アタシゃ初めて知りましたよ。こういう小さな発見が、ローカルニュース・ウォッチングの醍醐味ですね。

 このニュースの動画がよく考えられていて、アナウンサーが喋った言葉が、画面の下に文字情報として同時に表示されるようになってます。ストリーミングだと音声だけが途切れることがよくありますから、こういうのはウレシイですね。

 あと、ニュースの他にも色々と面白いのがありますよ~。1番面白かったのはバラエティー分野の「第12回 新唄大賞」かな。沖縄といえば独特の謡い回しと三線を使った「琉球民謡」が有名ですが、なんと今でも毎年300曲以上の新唄が発表されているそうです。

 このコーナーでは、新唄のコンクールである「新唄大賞」の本選の模様が動画で見られるんですねえ。琉球民謡はカラッとした雰囲気の歌が多くて、アタシは大好きなんですが、これを見れば存分にその真髄を味わえます。民族音楽に興味ある人にもオススメしたいですなあ。しかも、コンクールの初めから終わりまでをぶっ通しで動画にしているわけじゃなく、1曲ごとにわけて見られます。こういう些細なとこにも気が配られていてイイ!! ですね。



URL
  CBCS NETWORK
  http://www.cbcs.co.jp/




この面白さは関東一だ!!

「IBARAKI net TV」
 次は沖縄からズズーンと北上して、茨城県に行ってみましょう。その名も「IBARAKI net TV」。ここって地域密着型インターネット放送局としては、関東でも1番のクオリティを持っているんじゃないでしょうか。

 ざっとラインナップを紹介すると、県内のイベントを紹介する「いばらきインフォメーション」、「クイズ・いばらき ど~なってっぺ」「茨城ナイス街」「ちょっとそこまで・茨城物語」など、とにかく番組が多いのなんの。かといって、決して「質より量」ではない。大手民放並とは行かないまでも、1つ1つ丁寧に作られている、というのが見ていてわかります。

 茨城って都内在住のアタシにとっては身近な県なんですけど、はっきり言ってあまり遊びに行く機会はない。けど、このサイトで色々な番組を見てたら、「良いとこだな~」なんてシミジミ思ってしまいました。単純ですね、ホント。何がスゴイって、ターゲットとしてる年齢層がヒジョーに広い。温泉情報もあれば高校総体の特集もあるし、「ギャル道・一直線」という若い男を狙った番組もある。ここまで来ると、脱帽ですな。

 ちなみにサイト内のバナーに「いばらきインターネット放送局」があったのでクリックしてみると、県が運営しているサイトに飛びました。こちらは県政ニュースや知事の記者会見の動画など、堅めのトピックが多い。官・民でそれぞれが足りないものを補っているようで、面白いです。まるでNHKと民放の関係みたい。こりゃ2つあわせて見れば、誰よりも茨城の今に詳しくなれるでしょうなあ。

 それにしても地域によってインターネット放送にもかなり特色が出てて、なかなか考えさせられるものがあります。まだ注目のサイトはたくさんあるけど、とりあえず今週はここまで。次回も、ユニークな放送局をどんどん紹介していきますんで、乞うご期待!!



URL
  IBARAKI net TV
  http://www.ibaraki-nettv.com/
  いばらきインターネット放送局
  http://www.pref.ibaraki.jp/movie/

2002/06/10 11:20

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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