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旅行支援サイトは確実にブロードバンド化していた!!


 く~~~。暑い。夏が苦手なアタシにとっては、「いやもうホント勘弁して」という状態が毎日続いております。某カメラ系家電量販店は「今年も猛暑だ!!」と毎年CMで消費者を煽っていますが、アタシにとっては猛暑かどうかなんて関係ないです。

 なんせアタシは気温が28度以上になると、もうダメダメになりますからね。いくら冷夏でも30度を超える日は必ずあるし。毎年夏が来るたびに、「早く冬が来ないかなー」と祈りながら、ひたすら毎日を耐え忍んでいる次第です。

 でも、耐えてるだけじゃ芸がないので、そんなときは旅行を考えることにしています。アタシの場合、海沿いの温泉地だと暑いから、標高も緯度も高い避暑地が集中する東北自動車道方面に足が向いちゃうなあ。日光、那須、川治、鬼怒川……もっと北に行けば会津高原だってある。いやあ、夏だけここらへんに住みたいくらいですよ。仕事があるので無理だけど。

 だから、せめてたまの旅行くらいは素晴らしいものにしようと、旅行先の選定にはとても気を遣います。旅行代理店の店頭にあるパンフレットをごっそり貰ってきて値段調査、めぼしい旅館を見つけたら旅館名で検索してホームページを突き止め、部屋の詳細画像をチェック。さらに旅館の周りのレジャースポットは何があるか、往復の交通には何を使ったらいいかなど、検討するべきポイントはたくさんある。

 しかも、今はネットがあるから、以前よりもはるかに詳しい情報が得られます。アタシはパソコンやデジカメを買うときも異様な執着心を持ってスペック調査しますが、それと似たようなもんですね。まあ旅行の場合、最後は人間が持つ“野生の勘”で決めた方がいい場合もあるんですが、ある程度候補を絞るには、やはりスペック調査は欠かせない。そこで利用するのが観光情報サイトです。

 この手のサイトって一昔前に比べるとかなり情報が充実してきましたけど、最近はこれに動画による情報が加わりました。宿泊料金や部屋の間取り、風呂の種類などのデータに加えて動画まであるんですから、まさに鬼に金棒ですな。そのうち店頭のパンフレットなんか一切なくなってきて、宿の選定から予約、クーポンの発券まで、すべてネットで処理できる時代が来るのかもしれません。いやホント、恐るべき時代になったもんです。


宿の周辺レジャー情報がぎっしり

「旅の手帖」
 たとえば雑誌で有名な「旅の手帖」のサイトも、ストリーミングによる全国観光地紹介を掲載するようになりました。トップページを見るとわかりますけど、ここは全国の旅館を検索できる総合観光情報サイトです。フリーワードやエリア、目的別に検索できるヒジョーに便利なサイトで、アタシもよく利用してます。

 宿情報たって単なるリンク集ではなく、それぞれの宿についての情報を独自のフォーマットで一軒ずつまとめているので、とても見やすい。これだけでもかなり素晴らしいのに、観光地紹介の動画まで見られるようになったわけです。こりゃー見ない手はない。しかも動画の収録数がハンパじゃないです。都道府県すべてをカバーし、その合計数は3000ヶ所以上。かなりの気合ですね。

 試しにストリーミングのトップページから「群馬」をクリックしてみてください。「見る」「自然・風景」「遊ぶ」「季節」とか、ズラ~っとジャンルが出てきますね。「山」をクリックすると群馬が誇る名山が一挙に出てくるし、テーマパークの情報なんかもある。子どもに「どっか連れてけ~」と急かされてるオトーサンにはオススメですな。

 各スポットの動画は大体1本が30秒から1分くらい。ナレーションも入っててしっかりした作品になってるので、見ているだけでも楽しめます。旅館の検索と組み合わせて、色んな角度から検討するとかなり有効かもね。



URL
  旅の手帖
  http://tabi.joy.ne.jp/
  全国観光地紹介(ストリーミング)
  http://tabi.joy.ne.jp/movie/spot/




テーマ別に旅先を提案

「見る旅」
 「旅の手帖」と同様のコンセプトのサイトは他にも色々ありますよね。要するに従来の観光検索サイトを動画によってさらに充実させていこうというオーソドックスな手法ですが、これとはまた違った方針のサイトも登場してきました。その1つが「見る旅」というサイトです。

 トップページに行くと、いきなり目に入るのが“特集”。「お台場でゆったり過ごす」「完全特集!TDJ VS USJ!!」など、ちょっと若者向けのテーマが多いですが、コレが実によくできてる。お台場ならまず「フジテレビ」とか「パレットタウン」とか、定番のスポットを紹介する動画がドーンと出てきます。で、ダイジェストの動画を見た後、それぞれの施設の詳細データを静止画とテキストで確認できるようになっている。

 おまけに、お台場で泊まるならココ、という具合にホテルの紹介まで掲載されています。お台場に行けばこんな風に遊んでこういうとこに泊まって、という感じに旅行を疑似体験できるわけですね。いわば“バーチャルトリップ”というヤツで、アタシみたいになかなか旅行に行けない人間にとってはウレシイ限り。あと、アレコレと旅行プランを練るのなんて面倒くさい、なんて人にもぴったりですね。

 旅行会社のサイトにもこういうのあるけど、最初に動画を見せている、という点でこのサイトはかなりポイントが高いと思います。動画って視覚に強く訴えるメディアだから、自分が旅行している姿をイメージしやすい。

 さらにこのサイトのスゴイのは、特集以外のコーナーも良く出来る点です。グルメやテーマパーク、温泉、ホテルなど、レジャースポットのジャンルを網羅したデータベースに左のメニューから行けるようになっていて、各施設の紹介が動画で見られるようになっている。

 「確かに特集は面白いけど、そういうお仕着せな旅行はイヤ」っていう人も楽しめるように、好みに合ったスポットの情報が得られるようになってるわけですな。ここんとこも観光情報サイトしては重要です。



URL
  見る旅
  http://www.mirutabi.com/




旅先のイベントならココをチェック

「ヒルサイド オン ザ ロード」
 もう1つ、ブロードバンド・観光情報サイトとしてユニークなところをご紹介しましょう。全国37のFM局による組織「JAPAN FM NETWORK(JFN)」が運営する「ヒルサイド オン ザ ロード」です。

 ここはJFNの人気番組「ヒルサイド・アベニュー」に連動したサイトで、旅に関する色々なトピックを紹介するサイトなんですが、単なる企画サイトと侮るなかれ。「VIDEO ARCHIVES」という面白いコーナーがあるんですねー。

 これ、さまざまな土地のイベントを動画で紹介するコーナーなんですけど、紹介する地域も多彩で、九州の佐賀に行ったと思ったら今度は山形、長野の北アルプス、挙句の果てにはマレーシアのクアラルンプールにまで行ってしまう。ここまで色々な場所にポンポン飛んでると、「次はどこへ行くんだろう?」とやたらと気になってしまいますね。とにかくこのスタッフの行動力には脱帽です。

 観光情報というよりはイベントのレポートといった色合いが濃いので、この動画が直接、旅行計画を練るのに役立つかといえばそうでもないんですが、とにかく見ていて面白い。読者の投稿コーナーなんかもかなり充実してて見ごたえがあります。

 従来の観光情報サイトとは一味違ったこういうサイトが増えてくると、旅行を練るのが楽しくて仕方なくなってきますなあ。鉄道ファンの人は、時刻表を見ながら旅行プランを練る“机上旅行”というものをよくやるそうですが、これからはWebブラウズしながらプランを練るっていうのが主流になってくるかもしれません。

 でもアタシの場合、せっかく時間かけて計画したのに、急に仕事が入って旅行がオジャンっていうパターンが結構あるからなあ。あ~それにしても、どっか行きてぇ~よぉ~。グスン。



URL
  ヒルサイド オン ザ ロード
  http://www.jfn.co.jp/road/

2002/07/08 11:20

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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