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海が俺を呼んでいる!!


 いや~。もうすぐ7月20日「海の日」がやってきますねえ。各地のビーチが、一斉に海開きをするのも今の時期です。アタシはこの連載ではさんざん「夏なんか嫌いだ~」と書いてますけど、夏がきてウレシイことが、1つだけあります。それは、湘南に名物の「生シラス」を食べに行けること。

 生シラスってご存知ですか? あのスーパーで売っている白い小魚のことではありませんよ。あれは「釜揚げシラス」といって、熱を通したシラスです。生シラスは獲ったシラスそのままの状態のことを言うんですが、釜揚げと違ってグレーの半透明なんですね。これがなかなか苦くて、コリコリしてて美味い。

 この生シラス、図体が小さいだけあってヒジョーに傷みやすく、湘南から東京へ輸送しただけでたちまち味が落ちてしまう。極上の生シラスを食べるためには、漁港の近くに行って現地の店で食べるのが1番なわけです。

 夏以外に食べられないって訳ではないんですけど、せっかく湘南に行くんだったら生シラスを食べるだけじゃもったいない。海で泳いで、シャワーを浴びて生ビール。そして肴は生シラス、と。これがタマランのですよ。そんなわけで我が家では、海水浴・生ビール・生シラスという豪華フルコースを満喫するために、毎年7月後半になると湘南に行くのが慣例になってます。

 ただ、湘南って独特の情緒はあるけど、首都圏にあるし人もたくさん来るしで、海はあまりキレイとは言えない。「海水浴といえば湘南」というアタシも、たまにはハッと息を呑むような美しい海を見てみたくなります。

 でも、沖縄とか南太平洋とか遠いところに行かないと、なかなか出会えませんよね。マリンスポーツをあまりやらないアタシでさえ、こんなことを思っているくらいだから、ダイバーやサーファーの方々は、サンゴがあるようなキレイな海に行きたくてウズウズしてるんじゃないかな?

 そんな人のために、今回は海の動画が見られるサイトを集めてみました。人はブロードバンドを手に入れると、やたらと美しい映像を配信したくなる欲求にかられるようで、この手のサイト、けっこう多いんですよね~。


サイパンの景色を1人占め

オーシャンクラブ・ブロードバンド・ステーション
 まずはサイパンのダイビングサービス「オーシャンクラブ」が運営する「オーシャンクラブ・ブロードバンド・ステーション」。ここではサイパンの海中の景色の動画と、空港からオーシャンクラブのクラブハウスに行くまでの地上の景色が見られます。

 ここのスゴイところは、とにかく画質がイイ! ということ。画像のサイズも大きいし、鮮明だし。やっぱりねえ、せっかくのキレイな海なんだから、画質も良くなくては意味がない。海って自然のものだから、岩肌や魚の色、海草のゆらめき、気泡や光の加減など、情報量がかなり多いですからね。それにただ漫然と海の景色を入れているだけではなく、ときどき地上から見た海岸の風景などが挿入してあったりと、編集の仕方も心憎いです。

 あと、水中の動画だけでなく、「空港からオーシャンクラブまでのドライブを楽しもう」という地上撮影の作品も、なかなか良くできてますよ。これ、最初に見たときは「レンタカーを借りて自分で運転する人に向けた道路案内かな~」とナメてかかったんですが、再生してみて驚きました。どうも景色の良いところや、サイパンの名所を撮るために、ワザと海沿いの道を走って遠回りしているようなんですよ。

 空港から出て、どんどん海の方に走っていって、パアっと景色が開ける様子が、よくわかります。もちろん道路案内としても秀逸で、車窓の景色の変化に合わせてマップのルートの色が変わったり、曲がり角のチェックポイントを強調したりして、実際にクルマで訪れる人が迷わないように配慮もされている。

 しかも、道が長い直線道路の場合は、うまく途中で端折ってあって、観る人を飽きさせません。BGMもセンスいいしね。う~ん、環境ビデオのお手本のような作品でありながら役にも立つ。こういう動画って、なかなかないですよね。



URL
  オーシャンクラブ・ブロードバンド・ステーション
  http://www.oceanclubsaipan.com/bbstation.htm




ダイビングのポータルサイト発見!!

e-diver
 なんだかサイパンの映像見てたら、ダイビングをやりたくなってきちゃいました。あれだけ夏が嫌いと言っておきながら節操ないですね、アタシって人間は。アタシはこれまでの人生、山方面にばかり目を向けてたんですが、これからは海方面にも注目することにしましょう。というわけで、まずは情報収集。何かを始めるときは、まずネットで検索。今や当たり前ですね。

 色々と調べたら見つけたのがコレ。「e-diver」です。全国のダイビングスクールたショップ情報、商品情報、水質情報、ライセンスの取得の仕方など、ダイビングに関するあらゆる情報が得られるポータルサイトです。

 データ的な情報に加えて、ブロードバンド・コンテンツがあるのも同サイトならでは。海中の映像を揃えた「Web TV」と、魚の映像に絞った「インターネット水族館」と2コーナーあります。「Web TV」の方はミクロネシア連邦の海を撮ったもので、「オーシャンクラブ」に負けず劣らず画質がイイ。

 が、アタシとしては、やはり「インターネット水族館」を推したいですな。なんと日本の近海に生息する魚の映像が勢揃い。その数たるや、91種類と膨大です。和名や科名で検索できるのも親切ですね。色とりどりの魚を見て楽しむのはダイビングの醍醐味の1つでしょうから、こういう情報はウレシイ。

 それぞれの魚について、日本のどの地方で生息しているのかも詳しく書いてあるので、ダイビングから帰ってきて「今日、あそこで泳いでた魚はなんて名前なんだろう」と疑問を持ったときに、すぐに調べられます。釣りが好きな人にも、オススメしたいですね。子ども用の「キッズサイト」も用意されているので、魚類図鑑の代わりに見せてもイイかもしれません。



URL
  e-diver
  http://www.e-diver.ne.jp/
  キッズサイト
  http://www.e-diver.ne.jp/kids/index.html




海の動画ならココが決定版

「AGG Broadband Channel」
 ほかにも海のサイトを色々と探していたら、素晴らしいサイトに巡りあってしまいました。「AGG Broadband Channel」です。海に関するネイチャー・ドキュメンタリー映像の制作集団「アクア・ジオグラフイック」が運営するサイトなんですが、ここはとにかく映像の種類が豊富で、数も多い。

 トップの画面の上部にあるメニューをクリックすると、「Entertainment」「Dive Sites」「Ecology」「Fish Catalog 」「Reports」「Photo Gallery」と6種類ものテーマに分かれています。「Dive Sites」とか「Fish Catalog 」とかは、他のサイトでも見かけるけど、残りのカテゴリーはなかなかお目にかかれません。「Ecology」にあった「ウミガメの生と死」には感動したなあ。都会の人間に取ってみればレジャーの場所である“海”が、そこに住む生物から見たら大切なところなんだ、ということを実感しますわ。

 それに、ここに掲載している動画を見てると、「これを撮った人たちってホントに海が好きなんだなあ」としみじみ思います。Webサイトのデザインもカッコいいし、なんかそういう思いが伝わってくるんですね。やっぱり海のサイトってのはカッコよくなきゃダメですな。

 登山の情報サイトだと、洗練されてないデザインが多いんだけど、この差は何なんでしょうね。南の島にパソコンを1台持っていって、波の音を聞きながらのんびりとこういうサイトを見たらいいだろうなあ、と思います。ナローバンド用の動画も用意してくれてるしね。

 いやー海のサイトって、あんまり見てると危険ですね。これだけ非日常的な景色を家で手軽に見られるようになってくると、妄想が妄想を呼んで、まるで自分が南の島にいるかのような錯覚に陥ってしまう。トリップしたら、そのまま2度と帰ってこれないかもしれないので、アタシはほどほどにしときますよ。仕事になりませんわ、ホント。



URL
  AGG Broadband Channel
  http://www.aquageographic.com/Broadband/channel.html

2002/07/15 11:23

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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