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ブロードバンドで笑いのツボを探せ!!


 いやー、それにしても毎日毎日こう暑苦しいと、歩くだけでも大変ですね。拭いても拭いても、ダラダラと汗がしたたり落ちてきちゃって。そんでもって、ついつい苦虫を噛み潰したような顔になりやすい。その上、仕事でイヤなことばかりあると、思いっきり笑う機会が輪をかけて少なくなる。まあ、ヘラヘラと笑いながら歩くのも問題かもしれませんが、ムッとした顔してるよりはマシでしょうな。

 そんな風に笑うことを忘れてしまった人はどうすればいいかというと、1番手っ取り早いのがテレビでお笑い番組を見ることでしょうね。あまり明るくはないご時世を反映してか、昨今の民放テレビ番組はお笑い系の番組がヒジョーに多い。“お笑い番組”と銘打っていなくても、バラエティーや音楽番組には芸人さんが出演しているのが当たり前になってます。

 ただ、テレビのお笑い番組を見て誰もが笑えるか、っていうとそうじゃない。“笑い”ってのは全ての生き物の中で、人間にしか持てない感情だそうで、かなり複雑な思考回路のもとに成り立っているんですね。だから、個人差がとても激しい。ある人から見たらとんでもなく詰まらないギャグが、別の人から見たら腹を抱えるほど可笑しく感じられる、ということが往々にしてあるもんです。いわば、「波長が合う」ってことなんでしょうね。

 で、テレビの場合、その時代に売れている芸人ばかりがやたらと出演して、そのほかのマイナーな芸人の出演頻度はどうしても低くなる。そんなわけで、もしドリフの全盛期にドリフの笑いを理解できない人間に生まれてしまったら、テレビを見てもあまり面白くないわけです。ところが!! 今やインターネットというメディアが、こんな状況を打破しつつあります。ブロードバンドによるお笑い番組の配信が、どんどん増えてきているんですね~。

 いろいろなタイプの芸人を幅広く見れば、自分と波長の合う芸人が見つかる可能性は高い。一方的にお笑いを見せられる時代から、視聴者が「芸人を選ぶ」時代に突入したとでも申しましょうか。いささか大仰ですが、これはかなり画期的なことです。「最近、バカみたいに笑うことがなくなったなあ」とお嘆きの方、ぜひぜひブロードバンドで自分にジャストフィットの“お笑い”をお探しくださいマセ。


天下のヨシモトが送る充実サイト

「HiFandango!」
 え~それではアタシが見つけたお笑いサイトを紹介していきましょうか。まずは「吉本興業」の「HiFandango!」というサイト。“お笑い”といえば多くの人が真っ先に思い浮かぶのがこの事務所だと思いますが、さすが天下のヨシモト、かなり充実したブロードバンド・お笑いサイトに仕上がっています。

 ココリコや山崎邦正など、テレビでお馴染みの芸人によるオリジナル・コンテンツがあるので、初めてお笑いのサイトを見る人には、とっつきやすいんじゃないかな? しかもこれらのコンテンツは、制限はあるけどほとんど無料で見ることもできます。

 無料会員の登録も、メールアドレスとパスワード、生年月日だけとシンプルだし。無料会員のときにコンテンツを色々と見て、バックナンバーも見たくなったら有料登録するというシステムだけど、けっこう太っ腹だと思うのはアタシだけではないでしょう。なんせ、大物芸人のオリジナルネタを無料で見られるんですから。ネット配信ということで変な“出し惜しみ”をしていないところは、かなり好感が持てます。

 大物だけじゃなくて、若手芸人のライブを配信する「ルミネ劇場中継・5じ6じ」というコーナーなど、若手芸人のネタも存分に見られます。ライブの舞台裏でインタビューする「ルミネ楽屋生6じ7じくらい」とか、芸人の私生活を追った「オフ×オフ」など、マニアックなコンテンツを用意したところも心憎い。それほどお笑いには興味ない人も、ディープなお笑いのファンも、両方楽しめるわけです。こりゃネット上のお笑いもヨシモトが独占か?! と思えるような素晴らしい出来に、思わず脱帽しちまいました。



URL
  HiFandango!
  http://www.fandango.co.jp/hi/




他にもあるぞ!! プロダクションのサイト

マセキ芸能社 インターネットTV
 同様のサイトは他にもあります。ウッチャンナンチャンが所属する「マセキ芸能社」の「インターネットTV」などもその1つ。こちらは若手に絞ったラインナップではあるものの、なかなか侮れない。さすが、大物を輩出したプロダクションだけのことはあります。

 ラインナップは1人の芸人がとっておきのネタを見せる「MONTHRY CLUB 今月のお当番」と、ライブの動画配信の2つ。アタシが観たときは、「今月のお当番」に“ふじいあきら”という手品系の芸人さんのネタが配信されていたんですが、これツボにハマリました。大爆笑。

 バックナンバーも公開されていて、お気に入りのネタはいつでも鑑賞できますよ。ただ、ライブの動画配信がちょっと短いのが残念でしたね。面白いネタはやはり全部通して観たいのが人情ってもんで、ここらへんをなんとかしてくれると嬉しい。これからに期待!! ってなとこですかね。



URL
  マセキ芸能社 インターネットTV
  http://www.maseki.co.jp/main/i-tv/i-tv.html




インディーズ芸人にも注目

ブレストTV
 有名な事務所を2つほど紹介しましたが、これだけで終わらないのがネットの良いところ。メジャーなものだけではなく、もっとマイナーな、テレビでは絶対に見られないような“お笑い”にも出会えます。たとえば「ブレストTV」というサイトを見てみましょう。

 ここはインディーズのお笑いライブを動画配信するという画期的なことをやっています。それにしても、昔は“インディーズ”っていうと音楽関係の人を指したもんですが、今やお笑い界でもこういう言い方をするんですねえ。要するにメジャーな放送局でなくて、小ホールとか学園祭とかで活動している草の根の芸人さんのことです。

 以前はこの手のライブを見るためには、実際に舞台に足を運ばなきゃならなかった。しかも、初めての人にとっては、1度も見たことのない芸人の公演チケットをポンと購入するのはやはり抵抗があった。でも、あらかじめどんな芸人なのかをネットで見られれば、そういう心配もないですよね。ブロードバンドが普及したことで、誰もが気軽にライブを見られるようになった。これはスゴイことです。言わばこのサイトはインディーズ芸人の“カタログ”のようなもので、これを見て自分の波長に合う芸人が見つかったら、後は舞台を見に行けばいいわけです。



URL
  ブレストTV
  http://www.brst.tv/




笑った後はボタンを押そう

 インディーズと言っても、笑いに対する姿勢は真剣そのもの。動画を見ていただければおわかりになると思いますが、芸の質は下手なメジャータレントを上回る人がたくさんいます。

 アタシのお気に入りは、「増田周平」という人の「8時のニュースです」という作品。実は、これを見たきっかけは「高視聴率作品」と銘打ってトップページに大きく掲載されていたからなんですが、こういった配慮も親切ですね。あまり知られていない芸人ばかりのサイトだから、どれを見たらいいのか分からず、困惑してしまう人もいるでしょうからね。

 視聴者からの応援メールを併載している点もイイ!! これを読めば、どんなコントなのかが大体わかるようになってます。さらに、動画の窓が立ち上がると、下段の操作バーの部分に「面白かった」というボタンが表示されます。面白いと感じたときにボタンを押せば、サイトに対してリアクションを返せるわけですね。これもお笑いサイトならではの仕掛けですな。

 配信している方もネタがウケてるかどうかってのは気になるでしょうから、皆さんも面白いと思ったときは、きちっとボタンを押すようにしましょうね。何と言ってもこれだけのものをタダで見せてもらってるんですから、面白かったら拍手を送ってあげるのが礼儀ってもんです。ボタンを押すのは拍手の代わり。自分の好きな芸人を盛り立てていくことも、楽しみの1つですね。

 とにかく、今までは陽の目を見ることのなかったインディーズの芸人を気軽に見られるなんて、贅沢な世の中になったもんです。まだまだほかにも紹介したいお笑いサイトがあるんですが、とりあえず今週はここまで。次回も引き続き、抱腹絶倒のサイトを紹介しますんで、乞うご期待!!


2002/08/05 11:13

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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