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急速に進化するブロードバンド検索サイト(3)


 突然ですが、つい最近、某雑誌で「フリーペーパー」というテーマで記事を書いたんです。これがなかなか取材してて面白くて。色々と調べたら、日本には今や、無料の新聞や雑誌が1,000誌以上もあるとのこと。最近話題になっているのはリクルート社の「Hot Pepper」のようなクーポンがついたタウンガイド誌です。賃貸情報や求人情報、スクール情報など、とにかくデータをぎっしり詰めてナンボ、という媒体はどんどん無料になりつつあるようですね。

 個人が趣味で出しているミニコミ的なフリーペーパーもそれはそれで面白いんですが、「Hot Pepper」のような広告料で成り立っている商魂バリバリのフリーペーパーの方が今は活気があるようで、なんだかとても面白かったです。けれど、データが羅列された雑誌ってのは、やっぱりネットに慣れた自分にとっては少々「読みにくい」と感じましたね~。

 アタシは紙媒体をこよなく愛しておりますが、クヤシイけどデータの閲覧については、もはやパソコンを使った方が圧倒的に使い勝手が良い。紙媒体でも一応カテゴリ分けはしてあるけど、「検索ができない」というのがとにかくもどかしい。ふだんネットを使っていると、検索エンジンを使って情報に辿り着くというのが当たり前になっているので、それができないという状況が耐えられないんですね。どうやら人間ってのは便利な環境に置かれると、際限なくワガママになってしまうようです。


検索エンジンにも2種類ある

 ただ、一口に検索エンジンと言っても色々あるわけで、そこがまた難しい。インターネットを長く使っている方はご存じでしょうが、検索サイトには2種類あります。世界中のサイトを回って自動的にサイト情報を収集する「ロボット型」と、人が手動でサイトを登録する「ディレクトリ型」ですね。その昔、検索サイトが登場し始めた頃は、サーチエンジンはディレクトリ型がほとんどでした。

 最近はロボット型とディレクトリ型双方の長所を生かした「複合型」も登場していますが、やはり多く使われている検索エンジンは「ロボット型」でしょう。そりゃそうですよね。2つを比べた場合、ロボット型の方が圧倒的にヒット数が多い。人の手によって集められるものには限度がありますが、コンピュータが24時間休むことなく勝手に集めて回れば、かなりの量が集まるわけですからね。

 ただ、ロボット型が主流になったことにより、ある問題が出てきました。ヒット数が多すぎて、検索結果をすべて見て回るのがタイヘンなことですね。そこで必要となってくるのが「検索技術」というヤツで、複数の言葉を組み合わせたり、検索範囲を区切ったりといった作業が重要になってきます。たとえば一般名詞だとヒット数が膨大になってしまう場合には、固有名詞を組み合わせて絞り込んだりとか、そういうテクニックですね。

 しかし、これは初心者にとってはなかなかツライことかもしれません。なんせ「検索」という作業そのものがコンピュータに特有なものです。普通に生活していたら、まず必要のないことですからね。そういう意味では、ディレクトリ型の検索エンジンも、まったく無くなってしまったら困るかもしれません。

 ディレクトリ型の検索エンジンの良さっていうのは、何も考えずに一般名詞で検索しても、希望にあったサイトがすぐに見つかることです。ロボット型のように小細工せずに済む分、労力も少ない。弱点がときには強みにもなるわけですね。というわけで、先週までは「hi-hoサーチ」で採用されている「NAVER Japan」に代表される、ロボット型ブロードバンド検索についてお話してきましたが、今回からは、ディレクトリ型のブロードバンド検索サイトでオススメのところをご紹介しましょう。





ディレクトリ型も結構イイ

 まずご紹介するのは「Broadband Navigator」。トップページにさまざまなカテゴリ名とその下のサブカテゴリが並んでいる、典型的なディレクトリ型検索サイトですね。検索オプションには「Yahoo!」や「Google」などの主要なポータルサイトが使えるようになっていて、これを利用すればそれらの検索機能をそのまま活用できます。

 その右側のメニューでは「AND/OR」検索を選ぶ機能と、検索結果のウインドウを別に立ちあげるかどうかが選択できるようになっています。検索オプションとしては標準的ですが、はっきり言ってディレクトリ型の場合って、そんなに細かいオプション機能が無くても使えちゃいますから、これで十分でしょう。

 ここで、先週も使った「スキー」というキーワードを入力してみます。ヒット数は6件。「スキー場最新情報」とか、「2003 スキー&ボードツアー」など、スキーに関するサイトがズラっと出てきましたね。その中に「アクセサリーパーツショップ」や「アジアンアクセサリー専門店」など、アクセサリーショップが含まれています。なぜだ? と思いましたがすぐに判明しました。どうやらオーストリアの高級クリスタルガラスメーカー「スワロスキー」の「スキー」という言葉を拾ってしまったようですね。でも、ロボット型のサイトと違って検索結果にいちいち解説のコメントがつけられているので、「このサイトはウインタースポーツのスキーとはまったく関係がない」ということがすぐにわかります。

 うーん、こうやって改めて使ってみると、ディレクトリ型もなかなかイイですね。ふだんロボット型ばかり使ってると、検索結果が表示された後が問題になりますからね。カンで良さそうなサイトを選んでは期待外れに終わって、再び検索結果画面に戻ってくるという繰り返しに陥りやすい。ディレクトリ型はその点、検索結果の中から自分の目的にあったサイトを見つけ出すのがとてもラクです。



URL
  Broadband Navigator
  http://www.broadnavi.com/




複数のサイトを合わせて使うのがコツ

「OH!NEW!」
 「OH!NEW!」というサイトもオススメです。こちらはとにかく検索画面がシンプルで、何も考えずにキーワードを入れれば検索できます。TOPページも「今日のライブ中継対決!」というテーマでオススメのサイトを紹介するコーナーがあるくらいで、これまたシンプル。検索結果の画面もわかりやすいです。

 面白いのは、RealPlayerやQuickTimeなどのビデオ動画に加えて、Macromedia Flashの動画も検索対象にしているところですね。Flashは対象外にしているところが多いので助かります。まあ、「スキー」で検索して「リリー・ソビエスキー」という俳優が出演している映画までヒットしてしまったのはご愛敬ですが、こういうハプニングもまた検索エンジンの面白さです。見当違いのサイトがヒットしても、ディレクトリ型ならすぐに内容がわかるから笑って済ませられますしね。

 ただ、やはりヒット数が少なめなのがネックですな。まあロボット型のサイトだと、1つのサイトに10個の動画が存在している場合でもヒット数は「10」となりますから、ヒット数を比べて単純にロボット型よりも情報量は少ない訳ではありませんが、それを差し引いても、ディレクトリ型の方がヒット数が少なめと言わざるを得ないでしょう。そのためにも、ディレクトリ型を使う場合は、複数の検索サイトを併用することをおススメします。というわけで、来週もディレクトリ型検索エンジンの使えるところをジャンジャン紹介していきますヨ。では、また!!



URL
  OH!NEW!
  http://www.ohnew.co.jp/

2003/02/24 11:13

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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