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スピートテスト・サイトで回線パフォーマンスを最大限に利用!!(4)


 いや~。ここのところスピードテスト・サイトばかり探していたら、回線速度を測るのがなんだか中毒のようになってしまいました。インターネット全体の回線資源のムダ使いになってしまうので、やりすぎには気を付けようとは思っているんですが、なにしろ体が言うことを聞かない。

 責任を転嫁するワケじゃないけど、スピードテスト・サイトって、アクセスすると瞬時にトップページが表示されるところばかりなんです。サイトの主旨が主旨だけに、それなりに大容量の回線を使っていないと「スピードテスト・サイトのくせにレスポンスが悪いなんて、カッコわりぃ~」なんて言われかねません。信用問題ですからね。

 で、レスポンスが良いサイトばかりなもんだから、実にリズム良くココが終わったら今度はアッチ、その次はあそこも試してみよう、と渡り鳥的な行動が取りやすいわけです。こうなってくるともうやめられない止まらない、1日はスピードテストに始まりスピードテストに終わる、なんて異常事態に陥ってくる。アタシはパソコンの改造をあまりやらないので、パソコン自体のベンチマークテストにはほとんど関心がなかったんですが、そういう人たちの気持ちがわかりましたよ。はっきり言って面白いです、コレ。

 まあ、予想以上にスピードテスト・サイトの数が多かったっていうのも一因なんですけどね。測り方とか、計測結果の表示の仕方など、実に色々なバリエーションがあるっていうのにはオドロキました。これだけ豊富にテストサイトがあるっていうことは、きっとスピードテストの仕方に「コレ!!」っていう定番のものがないからなんでしょうね。各サイトごとにMacromedia FLASHを使ったりJAVAを使ったりして試行錯誤していて、それがまた面白い。まだまだこれからも進化の余地を残してるってところに、そこはかとなくロマンを感じますなあ。


ネットワークゲームも快適に

 さて先週の最後に、「スカパー! BB」のサイトが会員向けにWebサイト上でスピードテストを提供しているという話をしましたが、「他のサイトもこういうことやれよっ!」と思った方、少なくないんじゃないでしょうか。こういう場合、自分がよくアクセスするサイトに「スピードテスト機能付けてください、お願いしますだ~」と要望を出すのも一案かもしれませんが、実は別の方法もあります。

 たとえばココを見てください。「ウルティマオンライン-プロバイダ回線速度調査」というサイトです。ここは、ネットワークゲームで有名な「ウルティマオンライン」のサーバーとどれくらいのパフォーマンスで通信できるか、みんなで測っちゃおうというサイトなんです。回線速度の測定はユーザーが各自がPINGで測り、それを投稿するという方法です。(編集部注:現在はユーザーからの投稿受付が一時中止されており、過去の投稿結果データベースが閲覧できます)。

 サイト自体の情報は少々古く、測定結果をまとめたデータベースも現在の時点で役には立たないかもしれません。でも、このサイトの画期的なところは、ある特定のサイトに集まったユーザーに、スピードテストを呼びかけているという点なんですね。つまり、この手法は他のサイトにも応用できるということです。

 たとえば「impress TV」がとても好きで毎日訪れる人がいたとします。その人は今よりもっと快適に楽しみたいと思っているけど、それにはどこのプロバイダーを選べば良いのかわからない。もしそんな悩みを持っている人がいたら、「impress TV」に特化した回線速度情報サイトを立ちあげてしまえば良いわけですね。

 そうして「impress TV」のファンの人に呼びかければ、同じようなことを思っている人がもしかしたら答えてくれるかもしれない。Webサイトの立ちあげなんかカンタンにできる時代ですから、ある特定のサイトへのパフォーマンスにこだわる人は、こういう方法もアリなのではないでしょうか。スピードテストは与えられるだけのものではなく、自分からアクションを起こして、ムーブメントを作っていくのも可能だということですね。



URL
  ウルティマオンライン-プロバイダ回線速度調査
  http://www.joy.hi-ho.ne.jp/teiiku/ultima/kaisentyousa.htm




カンタン操作のフリーソフト

 ところで、このように草の根の情報共有サイトを作ってしまうことは画期的な試みだと思いますが、いざやろうとしたときに1つ問題が出てきます。それは、「どういう方法で計測するか」ということですね。Windowsのコマンドプロンプトでは「PING」が使えますが、このツールも結果表示が初心者には少々わかりにくい。やはり「○Kbps」と書いてあった方がはるかに理解しやすいと思います。

 それに、いちいちテキストでコマンドを打ち込むっていうのも少々敷居が高い。そこでオススメなのが「Webベンチ」というフリーソフト。まずはソフトをダウンロードしてみましょう。使い方は圧縮ファイルを展開してEXEファイルをダブルクリックするだけというカンタン操作。メインウインドウが表示されますので、「URL」の項目に適当なアドレスを入力してください。面倒くさかったら、「簡易測定」メニューから適当なサイトを選ぶという方法もあります。

 その後、「測定開始」ボタンを押せば計測スタート。しばらくすると「測定履歴」ボックスの中に結果が表示されます。結果を保存しておきたかったら「コピー」ボタンを押してエディタや表計算ソフトに貼り付ければOK。

 あと、この結果を「Webベンチ」のホームページに設けられたデータベースに投稿もできます。「結果投稿」ボタンを押せば、回線種類や契約速度、業者名、県名などを入力するダイアログボックスが出てきますので、入力欄に自分の環境を書いて「投稿(Web)」ボタンを押す。これで投稿終わりです。

 結果報告はホームページをご覧になればわかると思いますが、結構たくさんの人が投稿していて、ヒジョーに役に立ちます。Webサイトでスピードテストをやるのではなく、単体のソフトにしてしまうというこの発想、まったくもってスバラシイ~。あるサイトについて回線速度の情報共有をするときも、「Webベンチを使ってね~」とみんなに紹介すれば、きっとスムーズに行くでしょう。



URL
  Webベンチ
  http://www.ne.jp/asahi/tsu/i/webbench/




メールのスピードテストも可能

 さらに、このように単体のソフトにすることで、「Webベンチ」は他では真似できない機能を実現しました。なんとこのソフトは、メール送信時のスループットまで測れるんですね。メニューの中から「UP/DOWN」をクリックして「メールベンチ(アップロード)」を選んでみましょう。「SMTPサーバ」と「あなたのメールアドレス」に入力して「測定開始ボタン」を押すと、テスト用のメールを自動作成して、どんどん送信し始めます。このときの転送速度が測定されるというわけ。なかなかナイスなアイディアですね。

 ちなみにメールの送信先は必ず自分のアドレスを正しく指定するようにしてください。他の人のアドレスに送ったり、微妙に間違ったアドレスを書くと他人に迷惑をかけてしまう恐れもあるので、気を付けましょうね。なお、このソフトの作者は他にも「Webベンチ2 Line Speed Tester」というソフトを作っています。こちらはより回線の速度を正確に測れるようなので、ぜひお試しあれ!!

 てなわけで4週続けてスピードテスト・サイトについてお話しましたが、いかがでしたか? 今回はソフトも紹介しましたけど、Webサイトへの投稿機能が付いていますんで、これはこれで広義のスピードテスト・サイトと言えるのではないでしょうか。まあ、良いプロバイダーを選ぶには、スピードだけではなく、サポートの質や障害の少なさなど他の要素も考える必要がありますが、とにかく速い方が良いに越したことはない。スピードテストと、結果の情報共有をしっかり行うことで、より快適なブロードバンド・ライフの実現に役立ててください。それでは、また!!


2003/03/31 11:10

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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