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経路検索サイトの便利な機能を使いこなせ!!(2)


 いやーめっきり春ですねえ。陽気が良いので眠くてたまりません、ホント。暖かいときに何もしないでいると、「1日中寝て終わり……」ということになりかねませんので、アタシは春になるといつも以上に外に出かけるようにしています。

 たとえばスキーとか。雪とかベチャベチャでちょっと滑りにくいけど、春スキーもなかなか楽しいもんですよ。それに、シーズン最盛期の頃に比べて交通費がとんでもなく安く上がるのもイイですね。中には、「リフト券と新幹線往復で7,000円ポッキリ!!」なんていう日帰りツアーもあります。

 こういうパックツアーの場合、何時何分発の列車に乗るかを選べるようになっているんですが、どれに乗るかを検討するのもまた楽しい。駅からスキー場までの連絡バスにスムーズに乗るのはどれで行ったらいいかとか、駅で少し空き時間を作って立ち食い蕎麦でも食おうかとか、あれこれ考えるのがイイんですね。やっぱり旅行ってのはプランを練ってるときが一番面白いのかもしれませんな。


JRのサイトもなかなかイイ!!

えきねっと
 そんなときに便利なのが、「えきねっと」というサイトです。ここは「乗り換え案内サイト」でありながら、時刻表の機能も持つという超便利なサイトなんです。紙の時刻表ってアタシは昔から苦手なんですよ。ページ数が多くて重いし、細かい数字が色々と出てて読みにくいし、目的のページを見つけ出すまでちょっと面倒だし。だから「えきねっと」で時刻表が簡単に検索できるようになって、すごく感動しましたね。

 それに、スキー場やホテルの情報も今はインターネットで調べられるので、これに電車の時刻表が加われば、旅行プランの検討がすべてパソコンでできます。紙媒体とパソコンのモニターを交互に見比べながら考えるのは面倒ですからね。「乗り換え案内サイト」っていうとビジネスで使っている方が多いと思いますけど、遊びにも使うと楽しいですよ。一度、お試しあれ!!

 ところでこの「えきねっと」、実はJR東日本が運営してるサイトなんです。とにかく鉄道会社が運営してるサイトだけあって、さまざまなメリットがあります。たとえばTOPページの上部にあるメニューを見ると、なんと「運行情報」というコーナーがある。クリックすると、遅延などのトラブルが起きている路線が一目でわかります。こういう情報はまさに現地に行かないとわからないものですから、Webで告知してくれるのはヒジョーにありがたい。

 肝心の「乗り換え案内」機能はどうかというと、これまた結構便利です。アタシはてっきり、「JRがやっているサイトだから地下鉄の情報なんか載ってないだろう」とタカをくくっていたんですが、これがきちんと載ってるんですよ。地下鉄だけでなく、私鉄の情報も調べられます。さすがに私鉄の時刻表まではわかりませんけど、経路については普通の乗り換え案内サイトと同じように探索できるんですね。JR東日本の運行エリア以外をカバーしてるのも立派。出発地に「福岡」、到着地に「宮崎」と入力しても、ちゃんと検索してくれます。さらに、航空機の情報も抑えてあります。検索ワードの記入欄の下にあるチェックボックスを入れれば、航空路線の出発時間がバッチリ表示されるんですね~。これにはお見それしました。



URL
  えきねっと
  http://www.eki-net.com/




各駅出発時間と空席照会が可能

市ヶ谷-札幌間をえきねっとで検索
 さらにこのサイトの本領は、やはりJRでの経路を調べるときに発揮します。試しにインプレスがある東京の市ヶ谷から、北海道の札幌までの経路を調べてみましょう。出発地と目的地を記入して、「利用交通手段」の中から「新幹線」と「特急」を選んでください。経路が3つまで出てきますが、どれも東京・八戸・函館で乗り換えるルートです。違うのはそれぞれの列車の便名ですね。

 東京~八戸間は「はやて1号」「はやて3号」など。「八戸~函館間は「スーパー白鳥1号」や「白鳥3号」など。函館~札幌間は「北斗11号」「スーパー北斗13号」など。時刻表と連動していない乗り換え案内サイトの場合、これらはすべて1つの経路として扱われますが、このサイトの場合、出発時間ごとに別の経路を調べられるわけです。さすがJR!!ってなもんですな。

 おまけに、それぞれの便名をクリックすると、到着駅のリストと各駅の出発時間まで調べられるようになっていて、まさに時刻表を見ている感覚です。東京から乗る人が大宮から乗る人と途中で合流したいときなんかは、この機能を生かせば簡単に調べられますよね。新幹線ってのは停まる駅が便によってまちまちなので、とても助かります。

 検索結果の右上には「列車空席案内」というボタンがあって、これをクリックするとなんと空席の照会までできちゃいます。アタシはディスカウントチケットでないと指定席は利用しないケチケチ人間ですが、“指定席派”の人にはタマラン機能でしょうな。また、主要な駅の構内図や駅周辺地図、観光情報などの付加機能も充実してます。各駅で売っている駅弁のリストが見られる「駅弁情報」なんてのもユニーク。いやはや、JRおそるべし!!という感じです。





他のJRはどうよ?

JRおでかけネット
 ただし、「えきねっと」にも弱点はあります。まず、一度に3つまでの経路しか表示できない点。これはちょっと少ないかな、という気がします。あと、運賃も表示されないのはちと残念ですね。まあ、他のサイトで調べればいいんでしょうけど、二度手間になってしまうのはツライ。ちなみにJR西日本が運営している「JRおでかけネット」では、運賃まで調べられます。こちらは検索結果も5件まで表示できるし、申し分なしです。ただし、検索できるのは西日本エリアのみ。エリアをまたがって検索する場合は、主要な駅でしか調べられません。たとえば到着駅に東京の「市ヶ谷」を指定しても、「到着駅が見つかりません」と出てしまう。JR東日本の「えきねっと」だと四国や九州のマイナーな駅同士の路線情報まで調べられるのに、これは惜しいなあ、と思いました。(編集部注:JR西日本では、検索エリアを限定することで時刻表の毎月更新、現地で実際に乗り換え可能な検索結果の表示など独自のカスタマイズを実施しています。)

 さらに他のJRはどうなのか?ということで色々と調べてみたら、JR九州が運営している「KENSAKUくん」だと、やはり九州エリア内だけの検索しかできませんでした。こちらは駅を入力する際に、グラフィカルな路線図から指定できるので、使い勝手は一番なんですけどね。広域の検索は東京とか大阪とか、主要な駅を指定してもダメのようです。

 残るはJR東海とJR四国、JR北海道ですが、東海と四国の方は乗り換え案内サービスは見つからず、時刻表だけが見られるようになってました。JR北海道の方は時刻表検索サービスだけの提供です。一応これを簡易な乗り換え案内サービスとして使えるんですが、またしても道内の駅同士だけの提供で、他のエリアとまたがっての検索はできません。


大阪-福岡間をJRおでかけネットで検索
 う~む。こういう状況を見ると、「国鉄」って地域別に分割しない方がヨカッタのではないか?! なんて思いますけど、しょうがないんでしょうね。確かにエリア内で色々と調べるには便利なんだろうけど、やっぱり電車ってのは遠くに行くために乗るもんだから、エリアを越えてお互い検索できるようにしないと不便に感じてしまいます。JR西日本の「JRおでかけネット」もJR九州の「KENSAKUくん」も、それぞれが乗り換え案内サービスとして優れている点があるんだから、ぜひこれを日本全国でエリア検索できるようにしてもらいたいな、と思います。これからに期待!! ですね。

 さて、というわけで今週は、JR関連のサイトを色々と見てみましたが、なかなか使えるサイトだということはおわかりいただけたかと思います。来週は電車だけでなく高速バスなどの交通機関も網羅した、マルチな乗り換え案内サイトをご紹介しましょう。それではまた!!



URL
  JRおでかけネット
  http://www.jr-odekake.net/

2003/04/14 11:16

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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