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家計簿を自動でつけてくれる!? ユニークな家計簿サイト


 最近、書店に行くと「節約マニュアル」の類がよく売ってますよね。いわゆる生活の中での節約の知恵が色々と載っている本です。「トイレのタンクに水を入れたペットボトルを入れておくと、タンクの容量が減って水道代が浮く」とか、「風呂の残り湯を洗濯に使う」とか、「レジャーから帰ってきた後は外食をしがちだが、ぐっと我慢して料理を作る」とか。

 まあ、この手の本に書いてあるのは、「言われてみればそうだな」と思うようなアイディアがけっこう多くて、これをすべて実行すればそりゃかなりの節約になるだろうけど、面倒くさいから結局やらない、ってなことも結構多いわけです。仕事してクタクタになって帰ってきた後に、あれこれ節約のために努力できるかというと、なかなか難しいですもんね。肝心なのは節約のためのアイディアではなくて、「節約しよう」という意思をどれだけ維持できるか、ということかもしれません。

 そのためには、やはり「家計簿をつける」っていうのが一番有効なんじゃないでしょうか。先週、家計簿サイトを紹介したのをきっかけに、アタシは改めて自分の家計簿を見てみましたよ。「う~ん、電気代使いすぎだな~」とか、「なんでガス代が去年より多いんだ?」とか色々と考えてたら、なぜか自然と自分の奥底から、節約へのモチベーションがふつふつと湧いてきてアタシ自身もびっくりしました。

 やはり自分の財布の中にいくら入ってるのか、貯金がいくらあるのか、そういうことを1円単位できっちりと把握しておくと、自分の中で“歯止め”がかかるみたいですね。ついつい衝動買いをしてしまって後で後悔してしまう人は、ぜひ家計簿をつけてみることをオススメします。まずは、インターネット上の「家計簿サイト」を使ってみるのはどうでしょう。ノートに使った金額を書き殴るよりも、使い心地はイイですよ!!


定期的な入力の手間が省ける便利サイト

 というわけで先週は「インターネット家計簿」を紹介したわけですが、家計簿サイトはまだ他にもあります。たとえば、「@家計簿」というサイト。これもわかりやすい入力方法で手軽に家計簿をつけられます。「インターネット家計簿」と違って左のメニュー画面にカレンダーを表示し、日にちをクリックするとその日の収支状況が表示されるスタイルになっていて、これはこれで見やすいですね。

 入力する情報は「内容」「費目」「金額」「税別」「カード利用」「メモ」の6項目。固有の商品名を「内容」に書いて、捕捉情報は「メモ」欄に書くという風にすれば、1つの収支についてかなりの情報を盛り込めるでしょう。

 まあ、ここらへんは家計簿サイトとしては普通のことですが、さらにこのサイトでは「固定入力項目」が設定できるようになっています。つまり、家賃や新聞代など、毎月支払日が決まっている項目をあらかじめ登録しておけるんですね。これを登録しておくと、毎月いちいち決まった日に決まった項目を入力する手間が省けます。電話代や電気代、水道代など料金が決まっていないものに関しては料金をその都度入力し直す必要がありますが、少なくとも入力を忘れることがなくなりますよね。アタシみたいなズボラな人間にはうってつけの機能だと思います。



URL
  @家計簿
  http://www.my-fp.com/kkb/




家計診断機能がユニーク

 あと、このサイトでは普通の家計簿の機能以外に、クレジットカードやローンなどの支払い管理も可能です。左メニューを見ると、「今日の家計簿」という項目の下に「クレジットカード管理」「キャッシュローン管理」「金融資産口座管理」など、多彩なメニューが用意されているんですね。

 たとえばクレジットカードの場合、実際に使った日と支払い日が違うので、現金で支払った分と混同して訳がわからなくなってしまうことがあります。このサイトを使えば、クレジットカードで支払った分を別メニューから入力できるので、混乱することが無くなるわけです。株式や外貨預金など財テクに励んでいる人は、「金融資産口座管理」を使うと便利ですね。金融資産を家計とは分けて管理できるので、親切な機能だと思います。

 さて、このように色々な項目を入力した結果は、左メニューの「今月の予算と実績」をクリックすれば一覧できます。ここで1つ注目したいのは、収支画面の一番下にある「家計診断」というリンク先ですね。これをクリックすると、なんとサイト側が自分の収支状況を診断してくれるんです。

 まあ、要は収入・支出・貯蓄の状況を照らし合わせて、コンピュータが自動的にコメントを選んでるだけなんですが、読んでみるとけっこう面白い。「安心生活度(総合診断)」「ゆとり生活度」「貯蓄志向度」と3つのバロメーターがあって、それぞれミシュランのように星の数で評価してくれるんですが、たとえばアタシの場合、

 「支出額からみるともう少し食・住生活を見直した方が良いでしょう。ゆとり支出が少ないですので、その効果はかなり貯蓄に好影響を与えるでしょう。ただし、見なおした結果浮いたお金をゆとり支出に使ってはなにもなりませんのでご注意を。」

 というコメントが出てきました。なかなか的を得たアドバイスで、「う~ん、なるほど」とアタシは思わず唸ってしまいましたよ。このサイトは今のところ無料で、将来有料化するかもしれないとのことですが、こういうアドバイスを逐一してくれるんだったら、お金を払ってもいいかな、とちょっと思いました。





収支データのCSVファイルがダウンロード可能

web家計簿
 他にも同様のサイトとして、「web家計簿」というサイトもあります。こちらも基本的には「インターネット家計簿」や「@家計簿」などと同じような入力形式で、やはり無料で使えます。入力や表示形式が少し違いますが、このあたりはそれぞれの好みでしょうね。「月別集計表」「年間集計表」の切り替えもワンタッチだし、区分別の支出の推移をグラフで表示することも可能です。

 たとえば各月の電気代をグラフにして、「ああ、やっぱり夏はクーラー代がかかるなあ」とか確認できるわけですね。表計算ソフトを使って家計簿をつけている人にとっては、このような機能は当たり前かもしれませんが、専用ソフトやフリーソフトの場合、グラフ表示機能が無い場合もあるので、使い始める前に付加機能はきちんとチェックした方が良いと思います。

 さらに、このサイトは入力した家計簿のデータをダウンロードできる機能があるんですね。上に表示された「メニュー」の中から「設定」を選ぶと、「家計簿データをダウンロード」という項目が表示されるので、これをクリックしてみてください。ダウンロード画面が出てくるので、Windowsの場合なら右クリックで「対象ファイルを保存」でダウンロードできます。

 収支データはあらかじめCSVファイルに変換してあるので、表計算ソフトや他の家計簿ソフトで読み込めます。こりゃーけっこう便利ですよ。表計算ソフトやデータベースソフトのグラフ機能を使えば、さらに多角的な分析もできるし、市販の家計簿ソフトと連動させながら使うこともできますからね。

 こうして色々な家計簿サイトを見てみると、各サイトごとに本当に色々な工夫がしてあって、ホントに面白い。家計簿のつけ方って人によって千差万別なので、やはりユーザー側がこのようなサイトをひと通り使ってみて、どのサイトが自分の使用スタイルに合っているのかを、見極める必要があります。先週でもちょっと触れましたが、「プライバシー」についての考え方も同様のことが言えますね。やはり家計簿サイトを使う上で、最も気になるのはプライバシー漏えいの問題。次回はこの点について考えていきたいと思います。どうぞお楽しみに!!



URL
  web家計簿
  http://kakeibo.neut.co.jp/

2003/07/28 11:26

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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