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Web上でパソコンのセキュリティを確認できるチェックサイト


 そろそろ秋の風が吹き始めている今日この頃ですが、今年の夏は例のBlaster騒動で大変でしたね。ウイルスといえば、アタシは以前Klezでエライ目に合った覚えがあります。取引先の出版社でKlezの感染者が大量に出たおかげで、アタシのところにも何度もKlezメールが来て、そのたびにインストールし直すハメになってしまったんですね。アタシの周りにはけっこうHTMLメールを使う人が少なくないので、HTMLメールが来てもあまり警戒心を抱かないカラダになっていたのがいけませんでした。

 それでもKlezが話題になってからは一応気を付けていたんですが、心に余裕がないときにメールが来るとつい開けてしまう。開けたらもう終わりですから、たまったもんじゃありませんよ。以来、メールソフトはIEと関連のない独自のものを使い、ウイルス対策ソフトもインストールして、簡易ファイアウォールも立てて、やっとウイルスへの心配はほぼなくなりました。だから今回の騒動についても高見の見物としゃれこもうとしたんですが、そうは問屋がおろしませんでしたね。

 アタシ自身はBlasterに感染しなかったものの、今度はCATVインターネットのプロバイダーの方に問題が起きてネットワークが使えなくなる事態が起きてしまいました。つまり、加入者の誰かがBlasterに感染したおかげでプロバイダーのサーバーが常時ウイルスの攻撃を受けてしまい、結果としてネットワーク全体が使えない状況に陥ってしまったんですね。仕事をしているといきなりケーブルモデムのランプがチカチカ点滅し、そのままつながらなくなるという事態が頻発するので、そのたびにプロバイダーのサポートセンターに連絡しなければなりませんでした。

 プロバイダー側としてはBlasterに感染しているパソコンを突き止めた上で、加入者に電話などで連絡して対策してもらう他はないわけです。これにはかなり時間がかかったようで、ほぼ1週間くらいこの現象に悩まされました。怒りをぶつけようにも誰にぶつけていいのやらわからないのでストレスもたまりますよ、ホント。ウイルス作った人を見つけたら、首ねっこひっつかまえて文句の1つも言ってやりたいとこですな。


Web上で自分のセキュリティ状況を確認

 そうこうしてる内に友人からも「Blasterにやられた」という連絡がちょくちょく来るようになりました。取引先からも、「OSを再インストールし直したら仕事のデータ消えちゃった。もう1回資料送って」なんて言われたり。「バックアップくらいちゃんとしよーよ」と心の中で呟きつつ、その対応に追われました。

 なんせアタシの場合、サブマシンは大昔の486マシンしか無いもんで、今使っているパソコンが壊れたらエライことになります。だからKlezで被害を受けてからはDVD-RAMドライブも買ってきちんとバックアップするようになりました。過去の原稿のストックややりかけの仕事が露と消えたら、ライター生命の危機ですからね。やっぱり仕事にパソコン使ってるなら、それなりにリスクマネジメントを図る必要はあると思いますよ。

 バックアップに対する心構えもさることながら、市販のアンチウイルスソフトを入れておくのも大切ですね。最近のウイルス対策ソフトってのはファイアウォール機能も備えてますから、Blasterなどにも効果はあります。アタシの周りでBlasterにかかった人は、みんなアンチウイルスソフトを入れていない人たちばかりでした。まあ、入れておけば100パーセント感染しない、というわけじゃないですけど、アンチウイルスソフトでユーザー登録をすると、メールマガジンなどで新種ウイルスの情報をいち早く得られるというメリットもあります。

 あと、頻繁にパターンファイルが更新されることで「最近、なんか騒がしいな」と気づくこともできますね。ただ、そうは言っても、メイン以外のサブマシンにまで、くまなくこの手のソフトを入れると財布が心細い。お遊び用のパソコンのために、毎年数千円の更新料を払うのに抵抗を感じる方もいるのではないでしょうか。そういう方にぜひオススメしたいのが、Web上で気軽にセキュリティ状況が確認できる「セキュリティチェックサイト」です。とりあえず自分のパソコンがどれくらい安全なのかを知っておくことも、けっこう大事ですよ~。





チェックサイトはこんなにあるぞ!

シマンテック・セキュリティチェック
 この手のサイトで世界的に有名なのは、なんと言っても「Shields UP!!」でしょう。これを使えば、自分のパソコンがインターネットにどのように接続しているかを調べられます。セキュリティホールなどの弱点を確認するにはうってつけですな。「英語はちょっと苦手……」という方は、日本語で解説してあるサイトもありますんで、これを見ながら操作すれば迷うことはないと思います。

 もう1つオススメなのが、いわゆるウイルス対策ソフトを提供しているソフトメーカーのサイトですね。「Norton Antivirus」で有名なシマンテックのWebサイトには、Web上からセキュリティチェックができるコーナーがあります。コンピュータの開示度がテストできる「セキュリティリスクのスキャン」や、トロイの木馬が感染しているかを調べる「ウイルススキャン」など、色々と用意されていますヨ。(※編集部注:本サイトは個人ユーザー向けサービスのため、企業からの利用は推奨されておりません。)

 また、このサイトでは多数の人のスキャン結果を統計でまとめています。これを見れば、最近被害が起きている“旬”のウイルスが何かが一目瞭然なわけですね。ウイルス対策ってのは情報が命ですから、これは必見ですよ。アタシのマシンで試した結果、「ネットワーク脆弱性」「NetBIOS有効性」「アクティブなトロイの木馬」ともに「安全」と出ました。あーよかった。

 ちなみに「ウイルスバスター」で有名なトレンドマイクロも同様のチェックサイトを提供していますが、こちらはウイルススキャンのみで、コンピュータの開示度などは調べられないようです。で、当たり前ですがこのようなチェックサイトで異常が見つかっても、ウイルスを駆除したりすることはできません。もしウイルスを発見したら、対策ソフトを買ったり手動で駆除する必要がありますので、気を付けてくださいね。



URL
  Shields UP!!
  https://grc.com/x/ne.dll?bh0bkyd2
  Shields UP!! 日本語解説サイト
  http://www.upsizing.co.jp/news/report0426.htm
  シマンテック・セキュリティチェック
  http://www.symantec.com/region/jp/securitycheck/




ブラウザに特化したチェックサイトにも注目!

PC診断士
 このほかにも、エー・アイ・ソフトが運営する「PC診断士」というサイトがあります。このサイトはなんと言っても使い方がカンタン。イラストを多用したわかりやすいインターフェイスなので、初心者もとっつきやすいですね。このセキュリティチェックはブラウザーに特化したものになっていて、個人情報漏洩の危険やモバイルコード対策について確認できます。メールチェックやファイアウォールがいくら万全でも、肝心のブラウザのセキュリティレベルが低ければ意味がないでしょ、ということですね。

 実際に試してみたところ、なんとアタシのパソコンのセキュリティレベルは10段階評価の3つ目で、かなり低い評価でした。そういや色々なサイト見るんで、ブラウザーのセキュリティレベルをかなり甘く設定しているのを思い出しました。あまりセキュリティレベルを高くしても、アクセスするときにいちいちダイアログが出たりしてウザいですからね。

 ただ、ふだんからセキュリティを甘くしていると、ちょっと変なサイトを訪れるときにも無警戒になってしまう恐れがあります。このようなセキュリティチェックサイトを頻繁に利用していれば、ある程度警戒心が保てるもんですヨ。最近は、OCNのように、会員向けに専用のセキュリティチェックサイトを作っているプロバイダーもあります。楽しいブロードバンド生活を送るために、みなさんもセキュリティチェックサイトをフル活用してください。トラブルが起きてからじゃ遅いですぞ。



URL
  PC診断士
  http://ai2you.com/PCshindanshi/
  OCN Security WEB
  https://www.security.ocn.ne.jp/security/scs.html

2003/09/29 11:22

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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