Broadband Watch logo

オンラインストレージでいつでもどこでも自分のデータにアクセス!


 突然ですが、アタシはバックパックマニアなんです。一時期登山にのめり込んだことがあるもんで、そりゃもう15リッターのアタックザックから冬期縦走用の80リッタークラスまで一通り揃えてあります。

 最近のバックパックは人間の背骨の形状なんかを考慮して上手く作ってあるんで、実に疲れにくい。重い物を入れて背負ってもとても楽チンなんですね。ストラップの位置なんかもメーカーによってさまざまなので、色んな種類のバックパックの中から自分の使い方に合ったものを探し出すのがホントに楽しいです。

 もちろん町歩き用のカバンを選ぶのも面白いですよね。取材用のツールをうまく収納できるポケットの多いやつが好きなんですが、なかなか自分の好みに合ったものがないので、いつも迷います。カバンやバックパックってのは、うまく選べば日々の仕事や遊びを格段に快適にしてくれるので、選択には慎重になりたいもんですな。

 さて、同じことはパソコンについても言えます。たとえば会社で作業中のファイルを家に持ち帰る場合、みなさんはどんな風にデータを運びますか? 一昔前はフロッピーディスクに入れるのが定番でしたが、今はファイルサイズも増えているのでなかなか難しいですよね。

 データをCD-Rに焼いたりUSBフラッシュメモリに書き込んだりして持ち運ぶってのも、毎日の作業ともなると面倒くさいものです。メールではあまり容量の大きなデータは送れないし、パソコンのデータを運ぶ“バックパック”にはなかなか決め手がありませんよね。

 そんな方におすすめなのが「オンラインストレージ」です。インターネット上にハードディスクを持てば、どんな場所からでも自由にデータが引き出せる。実際に使ってみるとわかりますが、こりゃヒジョーに便利ですよ。


一度使うとやめられない

Internet Disk
 アタシが最初に出会ったオンラインストレージは、ワープロソフトの「一太郎」についてた「Internet Disk」というサービスでした。ATOK欲しさに買ったこのソフトでしたが、50MBもの容量がタダで使えるとあって、すぐに申し込みましたね。

 最初は「50MBって中途半端なサイズだよなー。もしかしたら使う機会はないかも」と思ってたんですが、これがあるのとないのとでは大違い。アタシの場合、原稿のテキストファイルに加えて画像ファイルも納品するときがあるんですが、今まではメールで分割して送ったり、わざわざCD-Rに焼いて郵送したりと面倒くさい方法を取っていました。

 ところがInternet Diskを使えば数十MBクラスのファイルが一気に相手に渡せるんですから、これを使わない手はない。しかも出張で自宅を離れたりしても、パスワードさえ覚えておけばWebブラウザや携帯電話を使える場所からならどこでもデータが引き出せる。自分にとってはかなり画期的でしたね。

 Internet Diskでアタシが最も気に入っているのは、その機能の豊富さです。何と言ってもアクセスする方法が多彩なのがイイ!! 最もスタンダードなアクセス方法は、「IDiskツール」という専用ソフトをパソコンにインストールしておいて、ここからデータのアップロードとダウンロードを行うやり方。インストールするとデスクトップに「マイ インターネットディスク」というフォルダが作成されるので、ここにアップロードしたいデータをコピーしてからタスクトレイのアイコンをクリックするだけで、アップロードが完了してしまうんです。

 クリックする手間さえ面倒だと思う人のために、「オートシンクロ」という定期的にファイルを同期する機能も備えています。また、IDiskの他に「IDiskマネージャ」というソフトも用意されていますが、こちらはフォルダ単位で一気にアップロードしたりするときに便利です。アップロードしたファイルの公開設定がやりやすいのでアタシはこちらを多用していますが、なかなかイイですよ。もちろんWebブラウザからのアクセスする方法も可能ですが、このような専用ツールを使った方が、はるかに効率よくファイルが操作できます。



URL
  Internet Disk
  hhttp://www.idisk-just.com/




細かな使い勝手がイイ!!

Internet Diskの専用ユーティリティ
 さて、Internet Diskにアップロードしたファイルを「公開」設定にした場合、そのファイルの場所を示すURLが発行されるんですが、これがまた実に長い。セキュリティのことを考えるとURLの文字は多いに越したことはありませんが、いざメールで他人に送ろうとすると自動改行されてしまい、受け取った人が見づらくなってしまいます。

 ところがこの点についてもジャストシステムはちゃんと考えてくれてるんですね。IDiskマネージャからURLをコピーして他のソフトにペーストすると、「このURLはメールソフトによっては改行されてしまうかもしれないので、もし切れていたら元通りにつないでからアクセスしてね!」という意味の説明書きがちゃんと書かれています。

 初めて見たときはヒジョーに感心しましたね。これならわざわざメール上で説明する手間が省けます。ただ、1人だけこの説明でも分かってくれない編集者がいて、電話で説明する羽目になりましたけどね。パソコンに不慣れな人にはこの手の作業は難しいかもしれませんな。でも、ほとんどの人はこの説明文だけで内容を理解してくれるので納得はしています。

 あと、忘れてはならないのがメールストレージ機能。これはオートシンクロ機能を利用して、メールをInternet Diskに自動的にアップロードする機能です。たとえば家のパソコンで取得したメールを外出先から確認したいときに、この機能を利用すればWebブラウザからメールを読めちゃうんですね。これならノートパソコンを持ち運ぶ必要もなく、インターネットカフェにでも入ればメールが使えることになります。アタシもぜひ使ってみたいところですが、実はこの機能は一太郎のおまけについてきた50MB以上のコースでは使えません。うーむ、ますます容量を増やしたくなってきたなあ……。

 いずれにしてもInternet Diskは細かい使い勝手がとても優れているので、オンラインストレージに興味のある方は選択肢の1つとしてオススメです。1番安い100MBのコースの場合は月額300円なので、このコースで様子を見てみるのもイイかもしれませんな。もちろん、もっと容量の高いコースを選んで、ローカルのハードディスクのバックアップ目的に使うのもアリかもしれません。まあ、他のメディアにも一応保存しておいた方が良いでしょうけどね。自分の環境に応じて色々な使い方ができるのが、オンラインストレージの魅力だと思います。





やっぱりタダが一番!?

 Internet Diskのような有料サービスは他にもあります。やはりビジネス用途に使うなら、お金を払って信頼性の高いものを使った方が良いでしょうな。一太郎のおまけについてきたのをそのまま使っているアタシみたいな人はともかく、基本的にはお金を取るサービスなんだからヘタなものは提供できません。このようなソフトハウスが提供しているサービスに加えて、リムネットの「マイディスク」のように最近ではプロバイダーが接続サービスのオプションとして提供しているものも増えてきたようですね。

 ただ、こういう時代ですから「もっと容量が少なくて良いから、やっぱり無料のヤツが良い!!」と言う方もいらっしゃるでしょう。そんな人のために、次回は無料で使えるオンラインストレージサービスを紹介したいと思います。仕事にプライベートに、さまざまな用途で使える無料オンラインストレージ、こりゃ見逃せませんぞ。



URL
  マイディスク(リムネット)
  http://www.rim.or.jp/service/option/other/mydisk/index.html

2004/03/01 11:16

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.