Broadband Watch logo

思わず旅に出たくなる地域観光情報サイト


 先日、中国地方の某県が東京に出してるアンテナショップに取材に行ったんですが、最近の地域アンテナショップはスゴイですね。ただ地元の産直品を売ってるだけじゃなくて、Uターン・Iターン就職の相談コーナーや、観光案内コーナーまで備えています。しかも観光案内コーナーでは航空券の手配までできちゃうし、郷土料理が食べられる飲食コーナーまでありました。

 アタシも旅行好きな方なので、こういう店はかなり楽しい。思わず自費でお茶とか民芸品とか色々買い込んでしまいましたよ。旅行のプランを練る際にこういう店があると、ホントに便利ですよね。あれやこれやと景勝地や名所のパンフレットをゲットしたり、その土地の名物が何なのかをチェックしたりと、情報収集には打ってつけです。

 近年このようなアンテナショップが増えてきたのは、やはり各地とも観光客の増加に力を入れてるからなんでしょうね。アンテナショップだけでなく、インターネット上で各地の観光情報ページを見てもわかります。

 地域の観光情報サイトと言えば、数年前までは野暮ったいデザインで情報も少ないものが多かったんですが、最近は以前と比べものにならないほどスタイリッシュなデザインで情報も格段に充実してきました。ブロードバンド時代を意識して、動画を配信しているサイトも多いです。アンテナショップに行くヒマがない人はこのような地域観光情報サイトをフル活用してみましょう。「旅行といえばやっぱ海外でしょ」という方もいるかと思いますが、こういうのを見ると国内旅行にもバンバン行きたくなりますよ~。


市町村ごとの紹介ムービーがてんこもり

しまね観光ナビ
 まず最初のオススメはこれ。島根観光協会が運営する「しまね観光ナビ」です。コンテンツも盛りだくさんで、トップページのデザインを見るだけでも観光協会のヤル気が伝わってきますね。島根県と言えば、ドラマ「砂の器」のロケ地としても注目されていますが、ドラマの情報もしっかり抑えています。

 さて、トップページで目立つのは最新のトピックを集めた「ほっとニュース」ですが、少し目を下に移してみてください。「バーチャル島根3D」「島根観光ムービー」「バーチャル写真館」など、さまざまなコンテンツのリンクバナーがズラリと並んでますよね。

 これらのコンテンツはどれもブロードバンドを生かしたものばかりで、とくに「島根観光ムービー」は秀逸です。観光PRムービーに加えて、県内の観光スポットを地域別に紹介したムービーも多数配信していて、まさにこれらをすべて見れば島根県の主な見所がわかってしまうという恐るべきコンテンツです。地域別ムービーはアタシが見たときには18本も収録していました。よくもまあこれだけの数を集めたものですな。しかもRealPlayerとWindows Media Playerの両方に対応しているし、ナローバンド回線用のデータ量が少ない動画も収録しているので、幅広いプラットフォームから閲覧できます。



URL
  しまね観光ナビ
  http://www.kankou.pref.shimane.jp/




そのサービス精神は立派!!

 これらの動画と合わせて楽しみたいのが「バーチャル写真館」ですね。「写真ギャラリー」では市町村とジャンルで検索することでさまざまな静止画を見られるし、iPIXを利用した360度のパノラマ写真もあります。さらに、単なる観光情報サイトと一線を画するコンテンツとして、ゲームやクイズのコーナーがあります。「バーチャル島根3D」は県内の観光スポット名を覚えられるタイピングゲームで、なかなか面白いですよ。

 あと、主要スポットをポリゴンで映像化したムービーも楽しめます。「スサノオの秘宝」というコンテンツもスゴイ。出雲の伝説をテーマにした小説を読みながらクイズを解いていくというもので、なかなか熱中できます。他にも観光情報のインフォメーションとしてメールマガジンを発行したり、おすすめの観光ルートを解説したり、温泉情報を網羅したりと、情報量はかなり豊富です。

 サイト内に検索エンジンを設けているのもウレシイですね。キーワードでスポットを検索できる他、地域別やテーマ別、目的別、宿泊先別と、さまざまな切り口で調べられます。しかも「温泉天国しまね」のコーナーでは、各地域の温泉を「露天風呂あり」「貸切風呂あり」「入浴のみ可」などの各種条件で検索できるようになってます。

 アタシも温泉好きなのでよくわかるんですが、立ち寄り専用の温泉施設なのか、宿が日帰り客に開放してる温泉なのかが事前にわかった方が、何かと便利ですよね。温泉フリークの心を実によく分かってます、このサイト。温泉だけでなく、全体的にこのサイトは観光情報を視聴者に押し付けるのではなく、「楽しみながら島根を知ってもらおう」というサービス精神に溢れているところが好感触ですな。





せせらぎの音が聴ける癒しのサイト

 一方、島根県とは違ったアプローチでブロードバンド・コンテンツを提供している観光情報サイトもあります。その名も「群馬県観光協会ホームページ」。群馬県と言えば自然豊かな県として知られていますが、このサイトでは主に自然をテーマにしたブロードバンドコンテンツを配信しています。

 まずは「ビジュアルぐんま」のコーナー。ここでは“21世紀に伝えたい観光百選”と題して、名山や名滝、湖、森林公園、スキー場など多彩なスポットの写真が見られます。この写真がけっこうデカくて実に見応えがあるんですね。やっぱ自然の風景ってのは大きければ大きいほど臨場感が伝わってくるわけで、これだけ迫力のある映像が豊富に揃っていると、アタシみたいに山が好きな人にはタマランわけです。

 「群馬のパノラマ50選」コーナーもイイですな。こちらには横長のパノラマ写真が収録されていて、絶景や夜景など色々な映像が満載されています。もちろん温泉や物産、観光ガイドなど、観光情報サイトの定番コンテンツもたくさん詰まってます。群馬についての意見を投稿するためのフォームも用意されているし、ユーザー間で情報交換するために掲示板もあるので、かなり見応えがありますよ。これから群馬に行こうと予定してる人だけでなく、群馬出身の人や、群馬の山や川をベースに登山や釣りをしてる人など、群馬を愛するすべての人が楽しめるサイトだと言えますな。



URL
  群馬県観光協会ホームページ
  http://www.wind.ne.jp/g-kanko/




癒されたい人にはコレ!!

 そして数あるコンテンツの中でなんと言っても魅力的なのが「水の織りなす風景」のコーナー。実はアタシ、ちょっとばかり群馬に住んでたことがあるんですが、驚いたのが水道料金が固定料金だったこと。月々数千円支払うだけで使い放題だったんです。それだけ群馬ってのは水が豊富で川もキレイな県というわけなんですが、観光協会の人もさすがにその辺は心得ているようで、“水”をテーマに特集を組んでます。

 このコーナーの気合いの入り様は尋常じゃないですよ。なんせ県内にある渓谷や滝、湖沼、堀など大小さまざまなウォータースポットについて、テキストと静止画はもちろん、ビデオ映像や360度のパノラマ画像、ナレーション音声、アクセスマップなどの情報を交えて解説してるんですから。メニューをクリックすると、「なんとなく…疲れてませんか? 群馬の“心からほっとできる”スポットでしばし、なごんでください」とオープニングムービーが流れます。

 イイですねえ、こういうの。この謳い文句通り、収録された数々の「水の織りなす風景」の動画を見るとホントに心が癒されます。観光情報をこういう形で提供してくれるってのは実にありがたい。このコンテンツだけでも同サイトを見る価値はありますよ。ブロードバンドもこういう使い方をされれば本望ってやつですね。他にも充実した観光情報はたくさんあるので、次回もまたこのテーマでお送りしましょう。お楽しみに!!


2004/04/19 11:07

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
Broadband Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.