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みんなで作る史上最大!? のフリー百科事典「ウィキペディア」
アタシは仕事に飽きるとインターネットの日記や掲示板を読んだりして気分転換を図ることが多いんですが、読んでいると「ん? その言葉、使い方がおかしくないか?」と思うことがときどきあります。最近よく気になるのが“おもむろに”とか“やおら”いう言葉ですね。この2つはどちらも「ゆっくりと」という意味なんですが、「突然に」とか「唐突に」という意味で使っている人がどうも少なからずいるみたいなんですね。「ゆっくりと」と「唐突に」では意味がまったく違いますから、これではコミュニケーションに支障をきたす恐れもあります。
アタシもこういう仕事をしているせいか、いつのまにか妙に言葉にこだわる人になってしまったんですが、やっぱり言葉ってのは大切なものですからね。人と話したりメールのやりとりをしているときに、少しでも言葉の使い方に違和感を感じたら、辞書を引いてみるという努力は必要だと思います。
一昔前だと、分厚い国語辞典や百科事典を一冊いちいち持ち歩くなんて面倒なことでしたが、今なら電子辞書とか、パソコンの辞書ソフトとかもあります。もちろんインターネットの辞書もかなり使えますな。以前も辞書サイトの特集をお送りしたことがありましたが、あのときに比べて辞書サイトはさらに増えました。わざわざ本やソフトを購入することなく、タダで使えるオンライン辞書を使わない手はありませんよ、ホント。
今回は、その中でも最近話題になっているインターネット百科事典「ウィキペディア」をご紹介しましょう。誰もが自由に使えて、おまけに自ら辞書作りに参加もできるというこのプロジェクト、言葉にこだわる人なら見逃せませんゾ!!
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史上最大!? のフリー百科事典
ウィキペディアの基本方針
そもそもインターネットの辞書サイトってのは国語辞典や英和辞典などがほとんどで、百科事典をタダで見られるサイトはあまり見たことがありません。なんせ一昔前は百科事典というと、デカいケースに入った重量級の書物をセットで買うものと決まってましたからねえ。全部買うとウン十万になるし、そんなに広くはない日本の家屋の場合、置く場所にも困ったものでした。
最近はパソコン用のCD-ROMソフトとして発売されているものもありますが、それでも値段は国語辞典よりも高い。つまり、おいそれとはインターネットで提供できないものなんですね。ところがこのウィキペディアは、太っ腹なことにタダで提供しています。なぜかというと、この百科事典は出版社から刊行されるフツーの百科事典とは少し成り立ちが違うからなんですね。
まずウィキペディアの“ウィキ(Wiki)”とは、ハイパーテキスト文書の集合全体か、もしくはそれを作成するための共同作業用ソフトウェアを意味します。つまりこの百科事典は、多数の参加者の共同作業によって執筆されたものというわけです。参加者は何も大学教授や評論家といった有識者であるとは限りません。なんとサイトの“基本方針”に賛同できる人であれば、とくに制限なく誰でも参加できるというヒジョーに開かれたプロジェクトなんですね。
その目標はズバリ単純にして明快で、「質と量の両方の点で史上最大の百科事典を作り、信頼される情報源として成長させていくこと」と書かれています。しかもウィキペディアは再配布や改変に当たって制限がないフリーコンテントです。いやはや実に自由で壮大な試みですが、それにも関わらず参加すること自体は極めてカンタン。この記事を読んでいるアナタもアタシも、いつでも気軽に参加できるってんだからスゴイですな。
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全文検索も可能で楽しいぞ!!
マツモトキヨシで「表示」ボタンを押した画面
何はともあれ、まずは百科事典として使ってみましょう。言葉の意味を知りたい場合はトップページの右上にあるキーワード入力欄に書き込むわけですが、他の辞書サイトと違って欄の横には「表示」「検索」と2つのボタンがあります。「表示」の方は記事名を検索するボタンで、「検索」の方は記事の本文までも全文検索するボタンです。つまり普通の辞書と同じ使い方をするなら「表示」ボタンを使えば良いわけですね。
「検索」の方はあまり使う機会が無いように思われますが、ウィキペディアの場合、いわゆる百科事典と違って最新の現代用語がたっぷり入ってます。ざっと一例を挙げると、「マツモトキヨシ」「ココリコ」「ラストサムライ」「タイガー・ウッズ」「トリインフルエンザ」などなど。こういう最近になって使われ出した言葉や映画のタイトル、人名、企業名なんかは、「現代用語の基礎知識」でも見ないとまず載っていませんよね。つまりベーシックな知識から最新の言葉まで幅広く網羅してあるのがウィキペディアの最大の魅力なわけです。だからこそ、全文検索をすることで思わぬことを発見できるわけですね。
たとえばコンビニの「ローソン」で「表示」ボタンを押してもローソンの歴史などが表示されるだけですが、「検索」を使った場合、「仲間由紀恵」なんて項目がでてきます。ローソンのCMに出演したというつながりで出てきたわけですが、こういう思わぬ発見があると面白いですよね。しかもウィキペディアの記事本文には、ハイパーリンクが張り巡らされています。パっと見ただけでも下線が入った言葉だらけですから、これらのリンクを無目的にたどっていくだけでもヒジョーに面白い。辞書としての実用性を超えた楽しさが味わえる、まさに新感覚の百科事典と言えますな。
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自分で記事を作っちゃおう
さて、ウィキペディアで色んな言葉を調べていく内に、赤い色をしたリンクに出会うことがあります。このリンクは、未だに記事が投稿されていないリンクです。このようなリンクをクリックした場合、記事の作成画面が表示されます。もしあなたがその言葉について何らかの知識を持っている場合、作成画面を使って新たに記事を書いても良いでしょう。ウィキペディアというのは、自分が持っている知識を惜しみなく提供する多数の参加者によって支えられているわけで、「見ているだけじゃつまらない!!」と思う人は積極的に記事投稿をするとまた違った楽しさが味わえるかもしれませんね。
もちろんウィキペディアは完成度の高い百科事典を目指しているので、記事の書き方にはいくつかルールがあります。ここら辺はサイト内で丁寧に解説されているので詳しいことは述べませんが、要は誰にでも分かりやすく、できるだけ簡潔な文章にするということですね。
ただし、完成度の高い文章を書く自信があまり無いからといって、記事の投稿をためらう必要はありませんよ。ウィキペディア内の記事は自由に改変可能ですから、もしヘンな文章や間違った記述が見つかれば、後から見た誰かが、きっと随時編集し直してくれるはずです。もちろん、自分自身で改変するのもカンタンですよ。どのページにも最下部に「このページを編集」というリンクが表示されているので、これをクリックすることで誰もがいつでも記事を編集できるようになっています。一から新しくページを作る自信が無い初心者の人は、まずは他人が書いた記事の訂正から始めて見ると良いかもしれませんね。
このようにウィキペディアは時を重ねていくにつれて、熟成を重ねたワインのようにどんどん記事のクオリティが高まっていくわけです。反面、著名な有識者によって記名で書かれた出版社の百科事典と比較すると、信頼性の点では劣るのは仕方ありません。ただ、大学論文の引用などに使うのではなく、記事そのものを読んで楽しんだり、ちょっとしたウンチクを仕入れたりといった使い方ならば、既存のどんな百科事典と比べても劣らないのではないでしょうか。しかもその百科事典の作成に自らも関わることができるってところが実にエキサイティングです。辞書を読むのが大好きなそこのアナタ、ぜひお試しあれ!!
編集画面
編集の仕方
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URL
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/
2004/05/31 11:37
下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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