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プロ野球再編もよくわかる!? 審議中継サイトで国会の議論を見てみよう


 金融再編や道路公団再編など、さまざまな再編問題で揺れている最近の日本ですが、アタシが一番気になるのは、やっぱりプロ野球の再編問題ですね。パ・リーグファンのアタシとしては1リーグ制には反対なんですが、今後どうなっていくか大変気になります。どうやらこの問題、選手会の古田会長を民主党が国会に呼ぼうとしていたりと、政治的な色合いも濃くなってきましたね。プロ野球ってのは公共の財産ですから、そのあり方を国会の場で考えるのはとても良いことだと思います。

 日ごろは国会など見ないアタシも、そういう議題で話し合うとなれば、ぜひじっくりと国会審議を見たいものです。ただ、問題は中継の仕方ですね。テレビの国会中継って、ダラダラしていて忙しい身にはツライです。自分が興味のある話題に行き着くまで、テレビの前に座って待っているほどヒマではありませんからね。せっかくブロードバンドが普及してきたんですから、ここはインターネット上で国会の議論をもっとカンタンに見られるようにしてほしいもんです。そんなことを思いつつインターネットを色々探したら、良いサイトがありましたよ。

 その名も「衆議院TV」と「参議院インターネット審議中継」です。これらのサイトでは、衆議院と参議院の審議をインターネット上で見られるだけでなく、審議内容をキーワードや案件名で検索できたりもします。こりゃ使わない手はありませんよ~。


衆議院TVトップページ 参議院インターネット審議中継トップページ




発言者ごとに動画を分割

ビデオライブラリ
 まずは衆議院TVの方を見ていきましょう。このサイトは国会審議をリアルタイムで中継するサイトなんですが、ここで生中継された審議は、後日「ビデオライブラリ」コーナーで見られるようになっています。

 まずはビデオライブラリのトップページで、見たい審議が行われた日付を指定してみましょう。過去2カ月分のカレンダーが載っているので、この中から日付をクリックすると、検索結果が表示されます。この表には会議名と収録時間が掲載されており、会議名をクリックすると開会から散会までをすべて見られます。

「初めから終わりまで全部見る時間なんてないよ~」という人は、「案件・発言者情報」の欄をクリックしてみましょう。すると、説明・質疑者の一覧がズラ~ッと表示されます。ここで各発言者の氏名をクリックすると、その人が話している部分だけを見られます。つまり、審議の動画を細かく分割してあるわけですね。これなら時間の無い人でも、特定の発言者を選んで視聴できます。氏名の横にはその人が所属している党名も書いてあるので、各党の主張の違いもわかりやすいですよね。これはなかなか親切だと思います。

 さて、過去2カ月よりも前に遡って審議を見たい人は、「過去の審議中継」の検索コーナーを活用しましょう。ここでは開会日と案件名、発言者名を指定することで簡単に検索できます。案件名とか発言者名などは国会にうとい人でも指定できるようにリストが用意されていて、「案件名一覧」「発言者名一覧」ボタンを押せばすぐに呼び出せます。これらのリストを上手く使えば、目的の審議をすぐに探し出せるでしょう。

 動画の配信方法も、左メニューの「配信方法選択」を利用することにより、RealPlayerとWindows Media Player、ナローバンドとブロードバンドの切り替えができるようになっています。ただし、平成14年3月以前の動画については、ナローバンド用だけのようです。ページのデザインもシンプルでわかりやすく、幅広い層が使えるサイトと言えるでしょう。





審議内容をフリーワード検索

 今度は参議院の方に目を移してみましょう。こちらも審議が行われている日は生中継を提供しています。ビデオライブラリで過去の審議が見られるのも衆議院と同じです。ただし、ビデオライブラリの検索が2種類ある点が違いますね。1つは「会議検索」というもので、これは衆議院TVの検索とあまり変わりないです。もう1つの「発言検索」ですが、実はこれがミソなんですね。なんとこのコーナーでは、会議の発言をフリーワードで検索できるんです。

 まずは使ってみましょう。検索画面ではキーワードと会議名、開会日、発言者、案件名、表示件数と6つの項目が指定できます。たとえば「イラク」関連の審議が見たい場合は、キーワードに「イラク」と入れて検索ボタンを押せば、「イラク」という言葉が入った審議のリストが右側にズラ~ッと表示されます。

 ここで注目したいのは、動画についての説明文ですね。開会日・会議名・発言者名とともに、発言内容の冒頭の部分も表示されています。この文章はフリーワード検索のインデックスとして使われているんですが、これをざっと読めばどんな内容の発言なのかがすぐに理解できるので、いちいち動画を再生する必要がありません。

 使ってみるとわかりますが、これはヒジョーに便利ですよ。発言検索データが作成されるまでには5~10日間ほどかかるとのことですが、便利さを考えたらこれくらいのタイムラグは問題になりません。今後、何年にも渡って絶え間なくインデックスを作り続けていけば、ものすごく役に立つデータベースになるんじゃないでしょうか。


発言検索 検索結果




会議録のテキスト検索も可能

 このフリーワードによる動画検索が衆議院TVの方にないのは、ちょっと残念ですね。ページのデザインや細かい使い勝手も衆議院と参議院で違うようだし、この辺の使い勝手はぜひ統一してもらいたいもんです。ただし、動画検索は無いものの、テキスト検索については「国会会議録検索システム」というサイトを使えば衆議院も可能です。

 使い方は「簡単検索」ボタンを押してから、期間や発言者名、会議名、そしてキーワードを入力して検索ボタンを押すだけ。検索結果画面からどれかを選べば、会議の詳細な議事録が表示されます。参議院のビデオライブラリでは発言の冒頭部分しか読めませんでしたが、こちらの方は最初から終わりまで、すべての発言を文章に起こしてあります。発言者名ごとにコメントが読めるので、議論の流れも分かりやすいですね。

 国会を見ていると、長ったらしく喋っている割には何を言いたいのか意味不明な人がたまにいますけど、こうやって文章にして見ると、発言の上手下手がよく分かります。議論の応酬もじっくり読んでいくと、なかなか面白いもんですよ。

 ちなみに衆議院TVと参議院インターネット審議中継と、両方の検索コーナーで「プロ野球」についての審議がないかどうか検索してみましたが、とうとう1件も見つかりませんでした。ところがこの会議録検索の方では、50件以上もヒットしたではあ~りませんか。すべての発言内容を文章にしてあるだけに、こちらの方がより詳しい検索が可能になっているわけですね。本当は、テキスト検索とビデオライブラリを組み合わせた総合検索が可能になればもっと有効に使えると思うんですけどね。ここら辺は今後の進化に期待したいものですな。では、また!!


関連情報

URL
  衆議院TV
  http://www.shugiintv.go.jp/
  参議院インターネット審議中継
  http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
  国会会議録検索システム
  http://kokkai.ndl.go.jp/

2004/09/13 11:05

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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