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蔵書検索だけじゃない! 貴重な“お宝”も見られる図書館サイト


 数年前、近所の区営図書館が閉館になってしまいました。このご時世ですから仕方のないことなのかもしれませんが、東京に住み始めてからずっとお世話になっていた図書館だったので、実に残念でしたね。図書館ってのは単に本を借りるだけでなく、新聞を読んだりCDを借りたりできる総合アミューズメントスポットでもあります。アタシの場合、無くなって初めてその価値の大きさを実感しました。

 まあ、休日に行ってもけっこう閑散としていたのは事実ですが、もっと利用人数を増やす手段はあったと思います。最近はインターネットから蔵書検索ができる図書館が増えていますが、ブロードバンドを利用すれば、便利でユニークなサービスの提供がたくさん考えられますからね。たとえばそこの図書館は江戸時代の下町の古地図をたくさん所蔵していたんですが、それらをインターネットで見られるようにすれば、もっと区民に支持されたんじゃないでしょうか。

 こんな風にインターネットを活用しようという動きは、すでに各地の図書館で始まりつつあります。アタシたち利用者の側も、オンラインサービスを積極的に利用して、もっと図書館を盛り上げていこうじゃありませんか。というわけで今回は、ユニークなサービスを提供している図書館サイトをご紹介しましょう。





日本最大の図書館ならではのユニークサービス

国立国会図書館
 まずは「国立国会図書館」のサイトを見てみましょう。日本最大規模の図書館だけに、検索機能がかなり充実したサイトです。

 さっそく、TOPページのメニューから「資料の検索」という項目をクリックしてみましょう。このコーナーでは、蔵書や雑誌記事が検索できる「NDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム)」や中国語・朝鮮語で書かれた雑誌や新聞、図書が検索できる「アジア言語OPAC」、そして書名や著書名、出版社名から本のデータを調べられる「総合目録」など、さまざまな検索メニューが並んでいます。

 記事検索ができる「NDL-OPAC」については登録手続きが必要ですが、登録料などはかからないので、本が好きな人はとりあえず登録しておくと良いでしょう。登録しておくと遠隔地からでも資料の複写を送ってもらえる「郵送複写サービス」などが利用できるので、なかなか便利ですよ。

 また、「データベース・ナビゲーション・サービス」というコーナーではインターネット上に点在するデータベースを集めたリンク集を提供していて、こちらもけっこう面白いです。紙メディアだけでなく、インターネットの情報もカバーしている点は、さすが国会図書館ですね。

 今度は再びトップページに戻り、「電子図書館の蔵書」というメニューをクリックしてみましょう。このコーナーでは国会図書館が所蔵する重要文化財、彩色資料等の画像データを検索・閲覧できる「貴重書画像データベース」や、明治期刊行の図書を収録した画像データベース「近代デジタルライブラリー」などが利用できます。とくに「貴重書画像データベース」はスゴイですよ。検索できるだけでなく、Web上で閲覧までできちゃうってんだから、こりゃ見ない手はないでしょう。

 あと、「インターネット資源選択的蓄積実験事業(WARP)」というコーナーも必見です。簡単に言うと、これはインターネット上のWebサイトや電子雑誌を文化資産として保存するプロジェクトなんですが、日本最大の図書館ならではの画期的な試みだと思います。まだそれほど多くの情報を集めてはいないようですが、地道に続けていってもらいたいですね。





レファレンス事例は必見!

 さて、貴重資料の画像が見られる図書館サイトは国立国会図書館だけではありません。「東京都立図書館」のサイトでも、同館が所蔵している「浮世絵」約8,000枚と、「江戸城造営関係資料」646点の画像を検索・閲覧できます。トップページ左のメニューから「貴重資料画像データベース」を選べば検索画面が出てくるので、この手の資料に興味のある方にはぜひオススメしたいですね。

 また、このサイトには他では見られない面白いコンテンツがあります。TOPページ中央にある「レファレンス情報・受付」をクリックしてみましょう。「レファレンス」とは、ここでは資料の中から必要な情報を引き出し、案内することを指します。つまりこれは、膨大な図書資料の中から目的の資料をいかに探すかをレクチャーしてくれるコーナーなんですね。インターネットに例えると、「検索サイト」の活用ガイドみたいなもんです。

 アタシが最も感動したのは、この中の「レファレンス事例紹介」というコンテンツでした。「『深川じゃんけん』についての資料はありますか?」とか、「浅草寺近くにある『仲見世通り』はいつできたのでしょうか」など、過去にこの図書館が受け付けたさまざまなレファレンスの事例を紹介していて、これから調べ物をしようとする人にとってはヒジョーに役立つ情報と言えるでしょう。レファレンスガイドを掲載している図書館サイトはけっして珍しくはないですが、このような実例を多く掲載しているサイトというのはまだまだ少ないです。他の図書館もこれを見習って、もっとレファレンス情報を掲載してほしいもんですな。


東京都立図書館 東京都立図書館




お宝映像が家で見られるシアワセ

東京大学付属図書館
 今度は大学が運営している図書館を見てみましょう。蔵書が充実している図書館として最初に思い付くのは、やはり「東京大学付属図書館」でしょうね。さすが天下の東大だけあって各種の検索機能が豊富なサイトです。蔵書検索や雑誌記事検索はもちろん、学位論文データベースやインターネット上の学術情報インデックスまで掲載しているのはさすがですね。

 忘れてはらなないのがTOPページ右下のメニューにある「コレクション」というコーナーです。この中の電子化資料ってのがスゴくて、渡辺霞亭が集めた江戸時代文学を所蔵した「霞亭文庫」や、江戸中期の思想家、安藤昌益による稿本「自然真営道」などをWeb上で見られるようになっています。こういう貴重書が家にいながらにして見られるってのは、ホントに良い時代になったもんですね。

 貴重資料の画像データベースが充実しているところとしては、「東京芸術大学付属図書館」なんかもオススメです。TOPページの左メニュー下にある「貴重資料画像データべース」をクリックしてみてください。研究機関に所属していなくても、研究や教育目的で利用する人なら登録可能なので、興味のある人は申請してみましょう。

 試しにどんな資料が収録されているのかを見てみたい人は、上部メニューの中にある「Trial」というボタンをクリックすると試用できます。なにしろ芸大が100年以上に渡って収集してきた音楽・美術関係の古書や古楽譜などを検索・閲覧できるんですから、一見の価値アリですよ。図書館の画像データベースというと、絵や文字の資料がほとんどですが、このデータベースには写真資料も収録されているので、写真に興味のある人にもオススメです。

 というわけで、イマドキの図書館サイトは、蔵書検索の他にもさまざまなコンテンツが提供されているということがおわかりいただけたかと思います。まだまだ全国には数多くの図書館サイトがあるので、色々とアクセスしてみて、自分の興味のある資料を探してみてください。ひょっとしたら下手な美術展や写真展に行くよりも、この手の“お宝映像”を家で眺めた方が面白いかもしれませんぞ!


関連情報

URL
  国立国会図書館
  http://www.ndl.go.jp/
  東京都立図書館
  http://www.library.metro.tokyo.jp/
  東京大学付属図書館
  http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/index.html
  東京芸術大学付属図書館
  http://www.lib.geidai.ac.jp/

2005/01/24 11:06

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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