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複数の図書館の蔵書をまとめて検索できる「図書館横断検索サイト」
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先週、家の近所の図書館が廃館になった話をしましたが、あれ以来アタシはどこの図書館に行ってるかというと、実は台東区民であるにもかかわらず、隣の墨田区の図書館に行っています。理由は、その方が距離が近いからなんですね。ここの図書館は区外の人も利用できるので、これ幸いとガンガン利用してます。
アタシは幼い頃、住んでた町に図書館が無かったので、よく隣町の大きな図書館まで自転車で通ってました。なので、自分の街以外の図書館を使うことに、違和感はあんまりありませんね。小学校や中学校の図書室とは違い、公共の図書館ってのはリクエストを出すと新刊を取り寄せてくれたりするので、ハードカバーの高い本が買えない子どもにとってはありがたい存在でした。
今でもアタシはよく、街歩きの雑誌でリサーチをする際に、図書館でその街の歴史を調べたりするんですが、蔵書のラインナップというのは街によって本当にさまざまです。その図書館のスタッフのセンスも違うし、どんなリクエストが来るかも地域によって違うでしょうから当たり前ですよね。
今はインターネットによる蔵書検索を提供している図書館サイトが多いですが、アタシみたいに“越境”して隣の区の図書館を利用している者にとっては、この手のサービスは大歓迎です。しかも最近では、複数の図書館の蔵書を「横断検索」できるサイトも登場してきています。これを使えば、あなたの探してる本がどこの図書館にあるかが、たちどころにわかりますよ。ぜひお試しあれ!
■ まずは都道府県の図書館サイトにGO!
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東京都の図書館横断検索
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このような蔵書の横断検索は、東京都立図書館や県立の図書館でよく見かけます。東京都の場合は、TOPページの左メニューに「都立3館の蔵書検索」「東京都の図書館横断検索」と2つメニューがあります。前者は都立に限ったもので、後者は区立と都立の両方の図書館を横断検索できます。アタシがよく使うのは後者ですね。
使い方は、はじめに検索したい区名を複数指定して、それから書名や著編者名などを入力し、「検索開始」ボタンを押せばOKです。たとえば台東区在住のアタシの場合、「台東区」に加えて、隣接する「墨田区」「文京区」「千代田区」「荒川区」などをよく指定しますね。首尾よく目当ての本が見つかったら、家から最も近い図書館に行けば良いわけです。
取材の下調べでよくこのサイトを使いますけど、ホントに便利ですよ。三鷹とか調布とか、23区以外の図書館も調べられるので、その街に行く前にめぼしい資料が探せますからね。他にも「宮城県内図書館総合目録」のように、県内の図書館を横断検索できるサイトは全国にあるので、まずは自分が住んでいる都道府県の図書館サイトにアクセスして、調べてみてはいかがでしょうか。
■ 全国の図書館を一括検索
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Jcross
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さて、自治体が運営している横断検索サービスの他に、「Jcross」のように民間の会社が運営している横断検索サービスもあります。特定の地域に限定したサービスではないので、このようなサイトを使えば全国の図書館の蔵書を一気に検索できるわけですね。
しかもJcrossの場合、県立図書館や市立図書館などの図書館だけでなく、学校の図書館や専門図書館の情報もカバーしています。大学の図書館の中には、学外の人の利用を許可しているところも少なくないので、そのような大学が近くにある場合は積極的に利用したいものですな。
また、「厚生労働省図書館」や「国際交流基金図書館」など、官庁や福祉団体が運営している専門図書館も忘れてはなりません。Jcrossのような横断検索サイトを見ると、ある分野に特化した専門図書館が日本には数多く存在していることに、改めて気付かされます。本を見つけるだけでなく、自分にとって未知の図書館を発見できることも、横断検索サイトを使う醍醐味と言えるのではないでしょうか。
■ 図書館ごとに違うヒットの特徴
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図書館横断検索画面
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それではさっそく、Jcrossを使ってみましょう。まずはTOPページ左に表示されたツリー状のメニューの中から、「資料を探す」の中の「図書館横断検索」をクリックしてみます。検索方法は「フリーワード検索」「書名等の検索」「項目設定検索」の3種類。それぞれ、「大学・短期大学図書館」「学校図書館」「公共図書館」「専門図書館」の4ジャンルを検索できると同時に、全ジャンルの図書館をまとめて検索することも可能です。
とりあえず、「公共図書館」をフリーワード検索してみましょう。検索画面には各種の設定項目がありますが、基本的にはキーワードを入力して調べたい図書館を選び、「検索実行」ボタンを押せばOKです。全国すべての図書館を調べたいときは、「全選択」ボタンを押しましょう。
オプションとして表示上限数やタイムアウト秒、あいまい比較の方法、検索一致の方法などが選択できますが、気を付けなくてはならないのが、これらのオプション検索が適用されるかどうかが図書館ごとに違うことです。
図書館名のあとに「§」とか「∀」などの記号が書かれているのにお気付きでしょうか? これらはオプション検索がどのように適用されるかどうかを表すとともに、検索条件に対するヒットの特徴も表しています。平仮名とカタカナを区別するか、全角と半角を区別するか、大文字と小文字を区別するかなど、図書館によってデータベースの内容が違うので、これらを区別しているわけです。
本当はこのような検索内容は、全国的に統一したフォーマットを作るべきなんでしょうが、それはこれからの課題となるでしょうね。記号の詳しい説明は、「ヘルプ」をクリックすると見られるので、自分が検索したい図書館をどのように検索したら良いかわからない場合は、検索する前にチェックしてみましょう。ヒットの仕方をきちんと理解してから検索した方が、ずっと効率よく調べられますよ。
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公共図書館をフリーワード検索
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ヘルプ画面
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■ 図書館同士のつながりをみんなで考えよう
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Jcross・検索結果
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このような手順を踏んで検索すると、指定した図書館ごとに検索結果が表示されます。この画面には、図書館サイトの検索コーナーへのリンクも表示されます。1つの図書館に限って検索したい人は、リンクをクリックしてそれぞれの図書館サイトに飛ぶのをオススメします。この辺りの使い勝手はヒジョーに良好ですな。
それもそのはず、このサイトでは図書館の横断検索だけでなく、OPAC(Online Public Access Catalogue)と呼ばれる図書館の所蔵目録データベースについての研究レポートや、横断検索そのものについて交流するための掲示板なども用意されています。さらに、図書館だけでなく全国の古本屋の本を横断検索するコーナーもあり、本そのものに対する愛情も伝わってきますね。
要するに、このサイトは全国の図書館や古本屋さんをどのようにつなげていくかということについて、みんなで考えるためのサイトでもあるわけです。横断検索がカバーする図書館や古本屋の数は、まだまだ十分とは言えませんが、こういうサイトにはぜひ頑張ってほしいもんですな。せっかくこのような便利なサイトがあるんですから、アタシたちユーザー側も積極的に利用して、使い心地をフィードバックさせていこうじゃありませんか。それでは、また!
■ URL
東京都立図書館
http://metro.tokyo.opac.jp/
宮城県内図書館総合目録
http://mynet.library.pref.miyagi.jp/cross/
Jcross
http://www.jcross.com/
2005/01/31 10:57
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下柳泰三 自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる! |
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