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「花粉情報サイト」をフル活用して充実した花粉症対策を!


 いや~日増しに暖かくなってきましたね。寒いのが大好きなアタシにとって、冬が過ぎ去るのはヒジョーに名残惜しいですが、春は春で楽しいことがたくさんあるので良しとしましょう。たとえばプロ野球の開幕とか、花見とか。

 でも、外でスポーツ観戦したり自然を愛でたりする前にちょっと気になることがあります。そう、花粉ですね。毎年この時期になると花粉症に苦しめられる人をよく見かけますが、今年は花粉の飛散量がなんと過去最大級らしいです。一説によると昨年の15倍~30倍もの花粉が飛ぶのだそうな。

 幸いアタシはまだ花粉症が発症していませんが、近年、この季節になるとちょっと鼻がムズムズするようになってきました。たとえ今は大丈夫でも、将来花粉症になる恐れは十分にあるので油断はできません。まだ発症していない人こそ、気を付けるべきなのかもしれませんね。

 そうは言ってもせっかく暖かくなってきたのに外出を控えて家にいるなんてのはツライ! そんな人にオススメなのがWebの「花粉情報サイト」です。行政機関や民間の薬品会社、気象情報会社など、さまざまな組織が配信する花粉情報をしっかりチェックして、花粉症対策に役立ててみましょう!





できたてホヤホヤの「はなこさん」

環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)
 実は今年の1月に、ある花粉情報サイトがサービスを開始しました。その名も「環境省花粉観測システム」です。「はなこさん」という愛称が名付けられたこのサイトでは、各地の花粉の飛散情報を詳しく配信しています。

 このシステムは平成14年度から都市部や山間部に花粉計測器を設置してシステム構築を始めて、ようやく今年から本格稼働し始めました。計測器の設置場所の関係で、まだ関東・中部・関西エリアしかカバーしていませんが、来年以降も各地に計測器を配置して、いずれは全国の花粉飛散状況を計測できるようにするとのこと。

 しかも「はなこさん」には従来の花粉採取器とはひと味違った、最新式の自動計測器が使われています。これまでは採取した花粉を顕微鏡を使って数を数えるというローテクなやり方だったのが、自動計測器のおかげでリアルタイムに飛散状況を把握できるようになったわけですね。収集した飛散量や飛散方向などの各種データは1時間ごとに自動更新されるので、これなら常に最新の飛散状況が確認できますよ。





各地の詳細データがダウンロード可能

 さっそく飛散状況をチェックしてみましょう。まずは関東・中部・関西の中から見たいエリアをクリックしてください。するとそのエリアの拡大地図が表示されます。この地図の中の赤い丸が花粉の飛散数を示し、細くて青い三角形が風向き・風速を表します。赤丸の大きさが大きければ大きいほど、花粉が多く飛散しているわけですね。

 ここに表示されている飛散状況はチェックした時点の最新情報ですが、過去の飛散状況を遡って見ることも可能です。左メニューの「時間ごとの動きを見る」のコーナーに巻き戻しボタンや早送りボタンがあるので、飛散状況の推移を時系列に追いたい人は活用するといいでしょう。

 また、場所ごとの飛散量を詳しく知りたいという人は、「全局の最新時報を見る」や「局ごとの表・グラフを見る」をクリックすれば、各測定所の詳細なデータがわかります。具体的な数値を細かくチェックできる点はイイですね。

 ちなみにページ上部にある「ダウンロード」というボタンをクリックすると、各測定局の詳細データがダウンロードできます。CSV形式のファイルでまとめられているので、表計算ソフトで分析できますよ。ここまでする人はあまりいないでしょうが、花粉症ビジネスに関わる人が仕事の資料にしたり、学術用途で使う際には便利でしょうね。なんと言っても国が運営しているサイトですから、信頼性はバツグンですよ。


飛散情報画面 測定局の時系列グラフ




全国43カ所の飛散情報を天気予報と一緒に表示

 さて、花粉情報サイトを提供しているのは政府だけではありません。ポータルサイトなどでも花粉症の特集を組んでいるほか、民間の薬品会社なども花粉の飛散情報を配信していますよ。たとえば、キッセイ薬品工業のサイトでは、2005年の花粉飛散情報を天気予報とともに紹介しています。今のところ関東・中部・関西の情報しか配信されていない環境省と違って、こちらは全国43カ所の情報が見られます。

 さっそくアクセスしてみましょう。飛散情報のトップページの日本地図の中から、飛散状況を見たい都市名をクリックしてみてください。飛散量のグラフが表示されますよね。単にその日の飛散量を表示するだけでなく、過去2週間の飛散状況を折れ線グラフで確認できるので、とてもわかりやすいです。しかも下のグラフでは、そのエリアでの昨シーズン通しての飛散状況もグラフで表示されています。これならそのエリアでの飛散量のピークがいつ頃なのか、一目瞭然ですよね。

 また、グラフの上部にあるタブを見るとわかりますが、このサイトではスギ花粉とヒノキ花粉とでグラフを分けています。スギとヒノキで飛散のピーク時期は違うので、この辺りはしっかりチェックしておきたいところですね。さらに、「週間花粉・天気予報」のコーナーも必見です。花粉の飛散は天気とも密接にリンクしているので、このサイトのように天気予報と一緒に一覧できるととても便利ですね。ページのデザインもとても見やすく、ポータルサイトも真っ青のすばらしい花粉情報サイトだと思います。





都内12カ所の花粉データをチェック

 このように全国的な花粉情報を掲載しているサイトがある一方で、「東京都花粉症総合案内」のように、ある地域に特化した花粉情報サイトもちらほら増えてきました。東京都の場合は、千代田・葛飾・杉並などの23区内、八王子や町田などの都下も含めて計12カ所で測定したデータをWeb上で配信しています。しかも1~4月はスギ・ヒノキ花粉、5~11月にはさらにイネ科・ブタクサ・ヨモギ・カナムグラと、さまざまなアレルゲンの飛散状況を測定しているので心強いですね。

 なお、飛散数の観測結果は各測定所ごとに、1平方センチあたりの花粉数が発表されます。他のサイトに比べると、単に数字を並べているだけでちょっと味気ないですが、区や市ごとの細かいデータが一覧できるのでとてもありがたいですね。たとえば今年のスギ花粉の飛散開始日は、千代田区や葛飾区などでは2月22日でしたが、青梅市や町田市では2月20日となっています。同じ東京都でも飛散が確認された日は2日も違うわけで、このエリアで生活したり仕事したりしてる人にとっては貴重な情報でしょう。

 この他に花粉飛散の翌日の予報や週間予報など、おなじみの情報も提供されているので要チェックですね。他の都道府県のサイトも、東京都のようなサービスをどんどん提供してもらいたいもんです。

 というわけで、インターネット上にはかなり多くの花粉関連サイトがあることがお分かりいただけたかと思います。注目はやはりサービスを開始したばかりの環境省の「はなこさん」ですが、エリアが限られているのが惜しい! 来年以降の測定エリア拡大に期待しましょう。さまざまな花粉症サイトの情報を活用して、楽しい春をお過ごしください。では、また!


関連情報

URL
  環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)
  http://kafun.nies.go.jp/
  キッセイ薬品工業
  http://www2.kissei.co.jp/
  東京都花粉症総合案内
  http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/kikaku/kafun/
  関連記事:2005年はいつもの30倍!? 花粉症対策でツラい季節を乗り切ろう[INTERNET Watch]
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/link/2005/02/09/index.htm

2005/03/14 11:01

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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