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公判の後、会見に臨む小畑氏(右から3番目)と5人の小畑氏側弁護団 |
東京地方裁判所において、BBテクノロジーが8月27日に提訴した、イー・アクセスの取締役CTO小畑至弘氏に対する損害賠償訴訟の第一回口頭弁論が行なわれた。訴状に対して回答書を提出するもので、その中で小畑氏側は全面的な訴えの却下を求めた。
この裁判は、BBテクノロジーが運営する「Yahoo! BB」の営業を妨害したとして、小畑氏個人に対し、3億円の損害賠償とBBテクノロジーのADSL事業の妨害の禁止などを求めて提訴したもの。BBテクノロジーは小畑氏の営業妨害行為として、「Yahoo! BBが採用するAnnexA方式は線路長2kmを超えると接続不可能になる場合が多いとして虚偽の情報を流布した」ことと、「Yahoo! BB 12Mの採用するAnnexA.ex方式を根拠なく攻撃をした」ことの2点を挙げている。
公判の後でイー・アクセス本社で行なわれた記者会見では、小畑氏の弁護団は全面的な訴えの却下を求めて戦っていくとした。その理由としては、不正競争行為を争点とした訴訟であるのに対し、原告のBBテクノロジーと被告である小畑氏個人の間には競争関係がないことを挙げている。また、訴訟の却下を求めるもう1つの理由として、訴権の濫用を挙げた。「BBテクノロジーが提訴したことにより、ADSLの新技術に対応するTTC標準の改訂作業を停止に追い込み、TTC標準化会議のメンバーに対しても不当な圧力をかかるという結果となった。それがBBテクノロジーが提訴した真の目的だ」として、原告の不当な企てを却下すべきだとしている。
また、仮に審理となった場合でも、BBテクノロジー側は小畑氏が発言した「AnnexAがAnnexCに比べてISDNの影響を多く受ける」といった内容について真実でないことを証明しなければならないとし、弁護団は裁判の行方に自信を見せた。裁判の期間については、訴えの却下があれば早期に終了するが、BBテクノロジー側の出方次第では通常1年程度よりもさらに長期化することも考えられるとした。
会見の最後に被告となる小畑氏は「TTCの委員は法律の専門家ではない。委員会の中で言ったことで法的な措置を受けるとなると、(発言に対して)法的な措置を受ける可能性があるかチェックしないといけない」と今回の裁判がTTCでの議論に影響が出るとコメント。また、「海外からTTCに7社参加しているが、日本のADSL市場に対してネガティブな印象が広まっている」とも述べた。
□関連記事:Yahoo! BB、「TTCでBBテクノロジーの主張が認められた」と発言
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/30/ttcbbt.htm
□関連記事:Yahoo! BB、イー・アクセスを正式に提訴
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/27/bbtec.htm
□関連記事:イー・アクセス、BBテクノロジーの訴訟検討について見解発表
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/22/eacken.htm
□関連記事:Yahoo! BB、TTCに動議を提出しスペクトル管理について意見
http://bb.watch.impress.co.jp/news/2002/08/20/bbtttc.htm
□ビー・ビー・テクノロジー
http://www.bbtec.net/
□TTC(情報通信技術委員会)
http://www.ttc.or.jp/
□イー・アクセス
http://www.eaccess.net/
(正田拓也)
2002/10/01 20:34
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