12月15日、「百式」を運営する田口元氏、「Passion for the Future」を運営する橋本大也氏が主催する全員参加型の会議イベント「忘年会議2007」がYahoo!検索チームの協賛で開催された。ヤフー 検索事業部サーファー部の荻野明子氏が「第二部 検索キーワードで読み解く2007年」と題し、Yahoo! JAPANの検索データに基づいて2007年を振り返った。
■ 2007年はmixiが2年連続で1位。動画サービスの検索数も急上昇
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忘年会議2007。受付はサンタのコスチュームでお出迎え
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荻野氏は始めに2007年の検索ワード動向を説明。検索されるキーワードは日常的に数が多い「Major query」と、前日と比較して急激に検索数が上昇する「Buzz query」の2種類があり、さらに検索目的となるサイトが特定される「Navigational query」、目的となるサイトが特定できない「Non Navigational query」の2種類があるという。
Yahoo! JAPANの2001年検索ランキングでは、「壁紙」「チャット」「出会い」「ホテル」といった目的サイトのないNon Navigational queryが多かったが、こうした検索ワードは年々検索数が減少しており、最近ではより具体的なNavigational queryが増えているという。荻野氏は「例えばホテルを検索する時も、ホテル名を直接入力する場合や、特定のエリア名と組み合わせて検索するなど、ユーザーの検索スキルが向上してきている」との考えを示した。
2007年の検索年間ランキングでは、2006年に続き「mixi」が1位を獲得。PCでの検索数は上昇が一段落したが、mixiモバイルの機能拡充が進んだことからモバイルの検索数が伸びているという。一方、最近のデイリーランキングではYouTubeが1位を取ることが多く、ニコニコ動画の検索数も伸びていることから、「mixiの3連覇を脅かすのは動画サービスではないか」と指摘。ただし、動画サービスもPCでの検索は「ここにきて若干停滞気味」の傾向もあると付け加えた。
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検索キーワードの分類
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目的となるサイトが特定できない「Non Navigational query」の検索数は下落傾向
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検索キーワードがより具体的に
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2007年の検査クランキング1位はmixiが2冠
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mixiのPC検索は一段落。代わってモバイルでの検索が伸びる
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最近では「動画サービス」の検索数が急上昇
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Yahoo! JAPANが提供するさまざまな検索サービスのランキングも紹介。画像検索ではアダルトワードを除いた上位30すべてがタレント名で、「画像を見たいのはやはり芸能人なのだろう」という結果になった。
また、2007年は「mixiモバイル」「モバゲー」「顔ちぇき」など携帯電話向けのサービスが好調だったが、「PCとモバイルでは母数が違い、検索数はPCが圧倒的」とコメント。モバゲーに関しても「サービスの認知度が高まった時点でPCでの検索は伸びない」という傾向があるという。
一方、「顔ちぇき」はテレビなどで紹介されることで検索数が一時的に急上昇。また、「プロフ」はPCとモバイルの両方で検索数が伸びており、「若年層がプロフィールサービスを使っているため、モバイルでの検索もPC並みに多い」と解説した。
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画像検索は上位がすべて有名人
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PCとモバイルでは検索の母集団に大きな差
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低年齢層の利用が盛んな「プロフ」はモバイルとPCがともに検索されている
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■ Yahoo! JAPANのデータで分析した「人が検索する時のきっかけ」
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Yahoo!の検索データから分析した「検索するときの4つのきっかけ」
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Yahoo! JAPANの検索データに基づいて分析した、人が検索する時の「4つのきっかけ」も紹介。「Web連動型CM」「テレビ番組と検索」「ブログと検索」「Relevancyが生む検索」を、それぞれ事例とともに紹介した。
「○○で検索」というWeb連動型CMは、「ライフカードのCMが火付け役となって2006年頃から一般化したが、2007年はWeb連動型CMの数も増え、その効果についても賛否両論ある」と解説。一方、発売後も定期的に話題作りを行なうことで年間を通じて検索数が伸びる工夫をしていたボディースプレー「AXE」、CMで質問を投げかける「教えて釈ちゃん」といった事例を紹介。「教えて釈ちゃん」に関しては、「人間の記憶はあいまいで、検索キーワードが複数にばらけた」とし、「キャンペーンを行なう場合はシンプルで短い言葉がいいのでは」と語った。
テレビ番組に関しては「まだまだテレビで取り上げられる影響力は大きく、テレビもネットに話題を探し始めた」と指摘。「脳内メーカー」は、当初は一時的に伸びるBuzz queryだったのが、テレビで何度も紹介されることで年間ランキングにも登場するほどのMajor queryになったという「非常に珍しい例」だという。
2007年はブログの普及が進み、「ブログ創世記はアルファブロガーと呼ばれる有力ブログがブームを牽引していたが、今では芸能人ブログの影響力が大きい」という。荻野氏は「アルファブロガー」と「芸能人ブログ」での検索結果比較を紹介し、圧倒的に「芸能人ブログ」の検索数が多いというデータを示した上で、「一度だけアルファブロガーが芸能人ブログを上回ったことがあるが、これはクローズアップ現代が『アルファブロガー』を特集した時」と補足。「アルファブロガー」の第2検索キーワードもクローズアップ現代で紹介されたブログが上位3位を占めているとした。
また、検索に影響を与える芸能人ブログとして、「辺見えみり」「梨花」「ともさかりえ」「しょこたん」などの事例を紹介。「辺見えみりが紹介したブランドや梨花が紹介する美容・健康グッズなどは急激に検索が伸びてており、ブログの読者と親和性が高いと検索が伸びる」と指摘。「Yahoo! JAPANではこれをRelevancyと呼んでいる」と説明した。
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発売後も定期的にイベントを仕掛けることで検索が持続したAXEのWeb連動型CM
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「教えて釈ちゃん」では検索キーワードが分散する結果に
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テレビで連日取り上げられることで検索数も急上昇した「脳内メーカー」
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2007年は芸能人ブログが台頭
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芸能人ブログとアルファブロガーの検索結果比較
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辺見えみりのブログで紹介されたブランドは検索数が急上昇。「スペルミスしたまま検索されているため、ブログからのコピペだということがわかる」
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■ URL
忘年会議2007
http://www.ideaxidea.com/archives/2007/12/2007_1.html
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(甲斐祐樹)
2007/12/17 13:12
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