「WPC EXPO 2004」初日の20日には、マイクロソフト執行役最高責任者の古川享氏が「デジタルライフをもっと楽しく、エキサイティングに! PCから広がるデジタルエンターテイメント」と題して基調講演を行なった。
■ Windowsは生活に浸透。今後は「Digital Entertainment Anywhere」を目指す
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マイクロソフト執行役最高責任者の古川享氏
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カーナビやATM、キオスク端末、レジ端末などノンPCにおいても「Windows PCのカルチャーは浸透している」(古川氏)
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古川氏は、「WPC EXPOは今年でちょうど10周年。10年前というと、1994年はWindows 3.1がデビューした年だ」と切り出した。WindowsがPCに共通のユーザーインターフェイスや環境をもたらし、それがアプリケーションの隆盛を生んだ。この“アプリケーションの時代”がさらに進展、現在のインターネットに繋がったという。
Windowsを提供することでPCの可能性を広げてきたマイクロソフトだが、一方で「PCの役割はすでに終わったという方がいる」「情報家電や携帯電話などを活用すれば、PCを利用する必要はないのではないか」との主張もある。しかし、実際にはWindows PCがビジネスや生活の場でたくさん活用されており、すでに生活からWindowsが切り離せない存在になっていることを強調。「歯医者に行ったら、Windowsのロゴが表示された液晶ディスプレイがあった。歯のレントゲン写真もわざわざ印刷することなしに、Windowsの画面内で表示されていた」と氏自身の体験も披露。カーナビやATM、キオスク端末、レジ端末などノンPCにおいても「Windows PCのカルチャーは浸透している」。
生活に浸透し始めたWindowsの今後はどのようなものなのだろうか。古川氏は、「効率化」「つながる」「楽しむ」の3要素を掲げ、これらを実現するテーマとして「Digital Entertainment Anywhere」を訴えた。「つながるとは、プロトコルやネットワークという意味だけではなく、友達や家族とつながっていたいという気持ち、人と人がつながるというコミュニケーションという意味。楽しむとは、ゲームや映画、音楽などで人生を豊かにすることだ」とWindows PCが目指す方向性を示した。
■ レーベルゲートのWMA採用はDRMに信頼性があったから
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WMP 10で「Music Drop」をデモンストレーション
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講演に駆けつけたレーベルゲートの高堂学代表取締役社長
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講演中には、Digital Entertainment Anywhereの一例として、20日に発表されたメディアプレーヤー「Windows Media Player 10」日本語版(以下、WMP 10)を披露。WMP 10を利用して、同じく20日に開始したレーベルゲートの音楽配信サービス「MusicDrop」をデモンストレーションした。
古川氏は、「音楽は、レコードやCDの発明が普及のブレークスルーになった」とし、音楽配信によってさらに普及すると分析。講演に駆けつけたレーベルゲートの高堂学代表取締役社長も「エジソンがレコーディングを行なってからすでに120年以上。それから70年ぐらい経過してLPレコードが発売。その半分の35年後にはCD、さらに半分の17年後にはbitmusicが開始され、半分半分という時間で技術革新があり、ユーザーの裾野を拡大してきた」と説明した。ただし、「CDの時と異なり、音楽配信は規格が統一されていない。ユーザーには不便な点もまだある」と、今後の課題も述べている。
なお、レーベルゲートではこれまで、同社の音楽配信サービス「Mora」で、エンコードにATRAC3、著作権管理技術にOpenMGを採用していたが、今回のMusicDropでは、WMAとWindows Media DRMを採用した。この点について高堂氏は、「当時はATRAC3の方が技術的に進んでいた」とコメント。古川氏は、「WMAの圧縮技術だけではなく、Windows Media DRMが“かっちり”してるから、レーベルゲートをはじめとする各配信事業者に採用していただくことができた」と自信を見せた。
■ Windows XP Media Center Edition 2005もデモ
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「Windows XP Media Center Edition 2005」の専用操作画面「メディアセンター」
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古川氏はこのほか、同日発表された「Windows XP Media Center Edition 2005」(以下、Windows XP MCE)や、クリエイティブメディアが11月中旬に発売する「Creative Zen Portable Media Center」(以下、Creative Zen PMC)をデモ。Windows XP MCEを利用したEPGやテレビの視聴、動画の再生のほか、Creative Zen PMCとの同期などを披露した。
Windows XP MCEは、家庭でのエンターテイメント分野での利用を想定し、シンプルな専用操作画面「メディアセンター」を搭載したWindows XP ProfessionalベースのOS。新バージョンの2005では、WMP 10を搭載するとともに、Windows XP SP2のセキュリティ関連機能も実装した。また、デュアルチューナー機能を搭載し、2番組の同時録画や裏番組の試聴が可能。メディアセンター上でメッセンジャーのやりとりもできるようになった。さらにDVDへのビデオやデータの書き出しも可能だ。
Creative Zen PMCは、マイクロソフトの携帯端末向けOS「Windows Mobile software for Potable Media Center」を搭載。Windows XP MCEの操作画面であるメディアセンターと同様のインターフェイスを持ち、直感的に操作できるという。Windows Media DRM 10に対応し、著作権が保護されたWMAファイルやWMVファイルを再生可能。20GBのHDDを搭載し、最大80時間の動画や最大9,000曲の音楽ファイルを保存できる。
デモンストレーションでは、WMP 10を使用してWindows XP MCEからCreative Zen PMCに楽曲や画像データを転送。Creative Zen PMCを手にした古川氏が、転送された楽曲を次々に再生していた。古川氏は、「PCの機能を拡張するだけではなく、PCの機能を利用したライフスタイルを確立したい。そうしたライフスタイルはいずれ、文化に発展するのではないだろうか」と語り、「昔からPCを使ったメディアを作りたいと思っていた。そういった夢に一歩一歩近づいている」と講演を締めくくった。
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クリエイティブメディアが11月中旬に発売する「Creative Zen Portable Media Center」
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WMP 10とCreative Zen PMCとの同期画面
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■ URL
WPC EXPO 2004
http://expo.nikkeibp.co.jp/wpc/
ニュースリリース(Windows Media Player 10日本語版)
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2087
ニュースリリース(Windows XP Media Center Edition 2005)
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2085
ニュースリリース(Windows Mobile software for Portable Media Centers)
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2084
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(鷹木 創)
2004/10/20 20:53
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