リンクシェア・ジャパンは1日、会社設立を記念したシンポジウムを開催した。シンポジウムでは米LinkShareのCEOを務めるステファン・メッサー氏が「Innovative Marketing」と題した基調講演を行なった。
■ 「常に変化は起きる」との意識が重要
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米LinkShareのステファン・メッサーCEO
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メッサー氏は日本のアフィリエイト市場について「米国に比べて日本のトレンドは1年遅れていると言われているが、そのギャップは埋まりつつあると感じている」とコメント。急速なブロードバンドの普及に加えて、携帯電話も大きく普及していることから、「1年半くらいで日本は米国を抜くのではないか」との見通しを示した。
メッサー氏によれば、LinkShareを立ち上げた1996年以降、ユーザーの姿勢に変化が見られるという。「オンラインのユーザーは1つのサイトでは満足せず、多くのサイトと比較してから購入に至る(メッサー氏)」。同じ製品を同じ価格で販売し、利便性もほぼ同じECサイトの中で差別化を図っていくためには、アフィリエイトがその差別化要素として重要なテーマとなるとメッサー氏は語った。
メッサー氏は「テレビが世に出回った頃は、劇場の模様をそのまま放映すれば成功する、との考えがあったが、現実として誰もテレビで劇を見たいとは思わなかった」と指摘。「時間が経つと人は新しいアイディアを持つもの。テレビが始まった当初、誰もエド・サリバンショーなど考えもしなかった。『Survivor』のように一般人が出演する番組の人気が出ると誰が予想しただろうか」と語ったのち、「常に変化は起きるということを意識しなければならない」との考えを示した。
インターネットの世界においても、「初期に活躍していた大手企業であっても、改革を怠り、変化していかなかった企業は現在の市場で重要な位置にはいない」とメッサー氏は指摘。「ブロードバンドによって仕事や日常生活に変化が生じ、消費者も大きな形で変化している。ECサイトも合わせて変化していかなければならない」と、改革の重要さを訴えた。
■ 付加価値に焦点を絞り、インフラとして改革を続ける
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ブロードバンドの普及でユーザーの行動パターンが変わる
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メッサー氏はインターネットのメリットとして「必要な時にそこにある、ということが1日の生活のリズムに合っている」と指摘。ブロードバンドユーザーが1カ月に17.3時間もインターネットを利用しているというデータを挙げ、「与えられた情報だけで喜んでいた時代が、自分から情報を取得する時代へと大きく変化している」とした。
メッサー氏は、LinkShareが展開するアフィリエイトプログラムの主役はLinkShareではなく、あくまでアフィリエイトにあるとコメント。「我々がすべてのアイディアを持っているとは思わない。アフィリエイトは単なるプラットフォームであって、このシンプルな手段をアイディアを持っている人々に提供していく。LinkShareは付加価値に焦点を絞り、インフラとして改革を続けていく」として、プラットフォームを提供する立場であることを強調した。
常なる改革を求めた新サービスや新機能も提供を続けており、その一例として2004年に提供したXML対応やWebサービス、実際の店舗で利用できるInStoreカードやデータ分析機能などを紹介。このうちデータ分析機能は日本でも近日中に提供予定だという。「データも多すぎては使いこなせない。有意義な情報を分析し、シンプルなインターフェイスで提供することで、より多くの情報を使った意志決定が可能になるだろう」とそのメリットを示した。
また、「アフィリエイトと検索は密接な関係」との考えから、検索サービス「LinkShare Search Advantage」も提供。「検索では、ユーザーが本当に探したいキーワードを探せない場合もある。共通のデータセットとして、検索プログラムをアフィリエイトで最適化していく」との考えを示した。
メッサー氏は「競合ではあるが」と前置いた上でGoogleの事例を紹介。「世界でもトップのブランドを3年で作ったGoogleだが、ブランドの投資はしておらず、Webサイトもシンプル。インターネットの世界では、大きな投資をしなくてもメジャープレーヤーになれる可能性がある」と述べたのち、「新しい“Google的な存在”も2、3年内に登場するのではないか」との考えを示した。
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テレビが登場した当時は、劇場やラジオをそのまま放映するとの考えが主流
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今では一般人が登場するテレビが一番の人気
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LinkShareが提供する新機能
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データ分析は日本でも近日中にスタート
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■ URL
リンクシェア
http://www.linkshare.ne.jp/
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(甲斐祐樹)
2005/03/01 18:56
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