なんとなく暇を持て余してるときにテレビで偶然流れていたドラマにハマり、ついつい最後まで観てしまった、てなことありませんか? テレビドラマって、「オレは今すっげー感動したい! 今すぐ感動させろ! さあ早く!」と“!”マークが3個以上付くような精神状態のときに観ても、あまり感動できないんですね、アタシの場合。そういうときは、CMが入らない、映画というメディアを選びます。冒頭申し上げたように何気なく観てしまったときのほうが、アタシはドラマに感動できます。言わば牛丼のようなもの。牛丼って、アタシも大学生のころは金に困ってよく食べてましたけどね、さすがに30過ぎてこれを主食にすると、チトわびしい。でも、これが飲み屋でドンチャンやった後に夜中に食べると実にウマいんですよ。アタシにとって映画を主食とするなら、ドラマは牛丼なんです。つまり精神的に充実してて、その上でプラスアルファが欲しいな、というときに観ると感動できるもの。
別にスタイルとして映画よりもドラマが劣っている、ってことじゃないんです。ただ、テレビ局の方も、ドラマを映画と同じように観てもらうようには作っていないと思うんですね。下手なハリウッド映画よりも感動できる優れたテレビドラマはたくさんあるけど、ドラマっていうのは映画に比べて制約される部分がどうしても出てくる。ときには視聴者よりも、スポンサーやテレビ局の都合を優先させて作られているような場合も少なくない。が、ここにきてドラマというスタイルがもっと自由になれる時代がやってきたようです。そう、インターネットドラマの登場ですね。
■インターネットドラマの起源はアダルト?!
インターネットドラマが最近増えてきたのは、やはりブロードバンド接続が当たり前になってきたからですが、まあ、実はこのような動きはずっと前からあったんですね。ぶっちゃけた話、アダルトサイトです。ビデオが普及したのはアダルトビデオのおかげという話もあるように、やっぱこういうところから文化は動くんでしょうかねえ。まあ、アノ手のコンテンツだって見方を変えれば十分ドラマチックですが、とてもオコサマやオクサマには見せられたものではない。ところが今話題になっているインターネットドラマは、テレビでごく普通に放映しても通用するものばかりです。ようやくインターネットドラマも、アダルトという黎明期を乗り越えて、一般の市場開拓に乗り出したともいえますね。
テレビほどお金はかけられないけど、インターネットは小回りが効くメディアです。時間に縛られることもなければ、視聴者のターゲットを狭めることだって簡単です。いろいろと実験的なドラマもこれから出てくるかもしれませんね。
■推理小説の世界に浸れるドラマ
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ミステリードラマが観られる「webrama」 |
まあすでにインターネットドラマは増殖中なんですが、その中でもアタシがイチオシなのが「webrama」というサイトです。ここはミステリードラマが観られるサイトなんですが、このドラマが結構おもしろい。時間も出題編、解決編と合わせて20~30分くらいなので、ちょっとした合間にサクッと観られます。謎解きドラマというと「金田一少年の事件簿」が記憶に新しいですが、当然ミステリーというのは金田一少年が現われるずっと前から人気がありました。小学校のとき読んだ「君こそ名探偵!」とかいうタイトルの本を思い出すなあ。見開きで殺人現場の絵が載ってて、「犯人はいったいどうやって脱出したのか?」なんて出題があって、次のページをめくると解答編になるやつ、ありましたねえ。あの類の本、すっごく好きだったんですよ。
そもそもアタシが活字に目覚めたきっかけは、「怪盗紳士ルパン」シリーズでしたからねえ。図書館に通って、何度も読み返した思い出があります。ミステリー好きは子どもだけではありません。「土曜ワイド劇場」とか「火曜サスペンス劇場」とか、親がよく観てました。子どもから大人まで楽しめるという意味で、ミステリーというジャンルはとてもエライ。しかもミステリードラマにはアイディア一本勝負的なところがあるから、あまり画質のよさにもこだわる必要がない。まさにインターネットドラマにふさわしいジャンルといえますね。
あとこのサイト、字幕がフレーム外に映し出されるのもとてもイイ。最近テレビのバラエティを見てると、画面内に字幕が出てきますが、はっきりいってあれはウザイ。だけど、このサイトのようにフレーム外にあれば、それほど気になりません。音を出せないような場合にも使えますね。
□webrama
http://www.webrama.net/
■ホラーもイケルぞ!
ミステリーはちょっとコワイくらいだけど、すっごくコワイのを観たい場合は、「SHADOW」がよいかもしれません。こちらはホラー・サスペンス。廃業になったホテルに閉じ込められた男女を次々と怪奇現象が襲うっていう話なんですが、このドラマはなんと後藤理沙さんが主演を務めています。アタシなんかはホラーは苦手なほうなので、DVDでキューブリックの「シャイニング」なんかを鮮明な映像で観るよりは、インターネットでライトな感覚で観たほうが心臓にはいいかな、なんて思ってしまいます。
いずれにしても、インターネットのドラマに名の知れたタレントが出てくる時代になったんですねえ。このコンテンツを作っているところを調べたら、「ジェイペック・システム」という会社が配信してました。この会社ではこのほかにも、とんねるずが出演している「肉まん」というコンテンツも配信予定とあります。監督・脚本は秋元康。う~ん本格派ですねえ。ここまでいくとドラマというより映画というべきなのかもしれません。
■タダで観られるとこもある
これらのサイトは、どれも有料です。インターネットのドラマ放送でお金が取れる時代になってきたんだから、スゴイもんですね。まあ月に500円とか、1回100円とか、どれもさしたる金額ではないんですが、いろいろと手続きがめんどうな気分のときもある。「タダで観られるサイトってないの?」と思って探したら、見つかりました。「o-daiba.com」というサイトで、「如月姉妹の幽霊屋敷」という連載ドラマをやってました。このサイト、フジテレビが運営していて「お台場どっと混む」とダジャレに引っ掛けてます。さすがテレビ屋さん、うまいですなあ。
ただ、いつでも観られるというわけじゃない。毎週月曜、金曜更新で、各話の配信期間は公開から1週間でオシマイ、とのことです。一応、それまでのストーリーの流れはテキストで読めるようになっているんですが、やはりドラマはドラマとして観たいもんです。時間を決めて放送、というのはやはりテレビ的な発想なんでしょうか。ミステリー仕立てのストーリーもよくできてるし、何よりもタダなだけに、ちょっと惜しいですね。動画と連携して、舞台となる洋館の見取り図や人物相関図が詳しく見られるようになっているのはおもしろい。これ、ミステリー小説や漫画の手法ですね。
これも結局は謎解き系のドラマなんですけど、今回調べたところでは、やっぱりミステリー関係のドラマの比率がインターネットでは圧倒的に高い。確かに、キムタクと常盤貴子が出演してた「ビューティフル・ライフ」みたいな、じっくり感動させてくれるドラマはインターネットで放送しづらいのかもしれません。この先画質がよくなれば、感動系のドラマもどんどん登場するんでしょうけどね。それまでは皆さん、名探偵になってせっせと謎解きを楽しむことにしましょうか。さてと、この記事書く前に観ておいた「webrama」の解答編でも見るかな~。ハズれるとけっこうクヤシイんですよね、こういうの。
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とんねるずが出演している「肉まん」など有名タレントや監督を起用したドラマを扱う「ジェイペック・システム」 |
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「o-daiba.com」では連載ドラマ「如月姉妹の幽霊屋敷」を配信中 |
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□SHADOW
http://www.jpec.co.jp/contents/shadow/
□ジェイペック・システム
http://www.jpec.co.jp/contents/
□o-daiba.com
http://www.o-daiba.com/
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