今回は政治です。セ・イ・ジ。といっても、アタシみたいな一介の「書き屋」が今の政局うんぬんを語れるわけがありゃしません。あ、でももしかしたら、アタシでも語れるくらいのレベルまで堕ちちゃったかな？　なんたって、今の政治はどうしようもないですからね。誰もが本音のフリした建て前を言うだけで、なんら本質的なことは論議されない。悲しいもんですなあ。とりあえず秘書の給与なんかどーでもいいから景気良くしてくれよー、てなことが多くの人の願いなんじゃないですかね。まあ、景気が良くても悪くても、物書きってのはそれほど儲からない職業ですから、アタシ的にはどーでもいいんですけどね。

　それはともかく、真面目にコツコツと頑張ってる多くの国民の声ってのは、政治家のセンセーたちにはあまり届かないもんです。ならいっそのこと、彼らのパワーゲームを肴に楽しくお酒でも飲むってのはどーでしょう。以前、テレビで古館伊知郎氏が「国会を（プロ野球の）ナイターみたいにして欲しい。そうしたらオレが実況してやる」てなことを言ってましたけど、激しく同意ですなあ。

　以前から国会審議はテレビで中継されてますけど、もう少し面白い番組作りをした方が、見る人も増えると思うんですけどねえ。プロ野球みたいにアナウンサーと解説者を付けて、わかりやすく楽しめるようにすれば、視聴率上がるでしょ、きっと。そもそも放送する時間帯が平日の昼間だから、働いてる人が見られない。だけど、そんな状況が、ちょっと変わってくる兆しが見えてきました。ブロードバンドによる国会審議中継の登場です。

■ 国会もネットで見る時代

「衆議院TV」

　いやーそれにしても、ブロードバンドってのは今や、あらゆるジャンルに浸透しているんですね。まさか国会審議が中継される時代になるとは思っても見ませんでしたよ。一昔前に、国会審議中に居眠りする政治家が話題になりましたけど、こういう時代になると、センセー方はおちおち眠ることもできないんじゃないでしょうか。なんせ、テレビだと会社では堂々と見ることはできないですけど、ブロードバンドならPCでこっそり見られますからね。間口が増えたことで、視聴者もいくらか増えているんじゃないでしょうか。

　さて、国会審議のブロードバンド中継といえば、有名なのが「衆議院TV」です。goドメインのページらしく凝ったデザインではないけれど、なかなか見やすい。配信方法もRealPlayerとWindows Media Playerの両方をサポートしているし、通信速度も選べます。結構、気配りの行き届いたページですね。あと、単に審議を生中継するだけではなく、過去の審議のビデオをライブラリとして残しているところもイイ!!　ですね。一口に国会審議といっても、予算審議や本会議、各委員会と色々あります。こうして過去の分をストックしてあれば、興味のあるトピックだけ選べるもんね。うーん政府もなかなかやるもんですな。

　衆議院だけでなく、参議院のページでも同じように審議の中継と過去のライブラリがあるので、あわせて見ると面白いかもしれません。余談ですが、改めて衆参両院のサイトを見比べてみると、これってビミョーにデザインが違うとこが不思議ですね。ビデオへのアクセス方法もほんの少し違うし。作ってる人が違うんでしょうか。インターフェイスを統一した方がイイと思うのはアタシだけかな？

■ アノ人の困った顔も見られる

「国会TV」 (C)2001 AII Allright Reserved.

　ところで、国会審議といえば気になるのが、少し前にかなり新聞をにぎわした、アノ人の証人喚問ですね。衆議院のライブラリにあるかな～？　と思って調べたんですが、なぜか見つかりませんでした。その代わり見つけたのが、このサイト名も「国会TV」です。

　ここは有料で国会の審議を24時間配信するサイトなんですが、頭のテロップにいきなり「鈴木宗男議員証人喚問の模様、オンデマンド配信中！」と告知されてました。このビデオはサンプル扱いなのか、無料で見られます。紹介の仕方も面白い。なんたって、「与野党議員の突っ込みを宗男議員がどうかわすか、人生勉強にも最適 」と書いてあるんですから。

　アタシもこの証人喚問はリアルタイムでテレビを観てましたけど、なんか精神戦のような様相でしたもんね。鈴木氏の答弁を聞いて「そうかあ、こういう言い方もあるかぁ」なんて妙に感心しちゃったし。やっぱ政治家って弁論術が巧みだし、やったことの是非はともかくとして、この人の精神力はスゴイもんだなあ、と思いましたよ。

　何はともあれ、突っ込みどころが満載のこのビデオ、せっかくのブロードバンドですから、ぜひ見返してみてください。あと、このサイトではこういう中継ビデオの配信のほか、審議内容を解説するコラムやチャット欄など、これから情報がどんどん増えていくようです。政治に関心のある人は、登録しておいて損はないかもしれません。

■ 政党のCMは今が旬!!

　さて、今度はちょっと目先を変えて、政党のサイトに行ってみましょうか。最近になって急増した政党のテレビコマーシャルですが、各党とも、ホームページでCMが見られるようになってます。政策の好き嫌いは別として、CM作品として一番好きなのは、自由党の「日本一新 信念と理想で実行する篇」ですね。自由党のWebサイト内にある「自由党TV」で見られるようになっているので、まずは見てください。

　小沢一郎氏が「旧体制」と書かれたロボットに突っ込んでいくというCMなんですが、ロボットがどうしようもなくダメなデザインで、かなり笑えます。小沢さんって、自民党にいたころは暗そうなイメージがあったんですけど、旗揚げしてからは、アタシの中でかなり印象変わりました。このCMも一因かもしれないなあ。党首のイメージまで変えてしまう、こういうパワーを持ったCMってのは見ていて小気味いいですね。

　公明党の「そうはいかんざき!!」も笑った、というより苦笑に近かったけど、やっぱりインパクトはあった。まあ、どちらのCMも分かりやすく一発で心に残ってしまう、ブロードバンドで流すのに向いてるCMだと思います。あ、自由党のサイトではメイキングのビデオも見られるので、2倍楽しめますよ。

■ 都知事の会見もストリーミングで

「石原都知事記者会見放送」

　最後に、アタシが住んでる東京都のサイトを見てみましょうか。ここでは「石原都知事定例会見」がストリーミングで見られるようになってます。

　この人の会見って、国会や世界情勢、文化、スポーツなど多岐に渡るジャンルについて、その時々に話題となってるトピックを語ってくれるんで、なかなか面白い。MXテレビでも見られるんだけど、ブロードバンドだと、なんか気軽に見られますね。こういうのって「おっ。今日は定例会見の日だ。何時からだっけ？」と気合入れて見るよりも、仕事の合間にちょこっと見たりできた方がウレシイもんです。それに、MXテレビの電波が届かない地域の人も見られるし。

　もちろん、都議会の中継も見られます。こっちの方が身近な分だけアタシ的には面白いかな？　ただ、こういう審議中継が見られるようになったのは良いことだけど、本音を言えば、もうちょっと歴戦の政治家たちが口角泡を飛ばして議論する姿が見たい、という思いもあります。国会をブロードバンドで中継って言っても、肝心なのはコンテンツの中身ですからね。

　映画「12人の怒れる男」みたいな華麗な舌戦がネットで見られる日は、いつの日になるんでしょうか。この際、政治家の先生方にはぜひ頑張ってもらって、ブロードバンドコンテンツの1ジャンルである「政治」を充実していただきたい、と切に願うのであります!!　……う～ん、なんか選挙演説みたいだな。