10月5日、ユビオン主催、三井物産共催でSkypeの開発者向けイベント「Skype Developer Conference 2nd」が開催された。イベントではSkypeEstoniaのVice Presidentを務めるステン・タムキヴィ氏が「Skypeの最新動向」と題した講演を行なった。
■ Skypeは人々がコミュニケーションできる場を提供
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SkypeEstoniaのVice Presidentを務めるステン・タムキヴィ氏
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タムキヴィ氏は、「Skypeは無料電話のサービスと思われがちだが」と前置いた上で、「電話というのは祖父母の時代のもので、我々は音声だけでなくビデオやテキストチャット、ファイル転送などさまざまな機能を備え、人々がコミュニケーションできる場所を提供している」と説明。「Skypeはほとんどの通話が無料で、どの国との通話にも料金が発生しない。それがSkypeの魅力となって大きく成長した」と語った。
一方で、一般の電話に発信できる「SkypeOut」を初めとした有料のサービスも紹介し、「新たにSkypeを使い始めたユーザーが次第にアクティブユーザーとなり、こうした有料サービスの魅力を感じていただくことで収益が発生する」とコメント。「Skypeは現在約2億2,000万のユーザーが存在がおり、新規ユーザーのほとんどがアクティブユーザーになっている」とした。
こうした有料サービス以外のビジネスモデルも構築。タムキヴィ氏は「Skypeは音声通話以外のサービスも提供できるプラットフォームであり、このプラットフォームを利用してSkype以外の企業もサービスを提供できる」と説明。「Skypeの従業員は500人程度で、2億ものユーザーの要望に応えていくにはパートナーとの共同関係が重要」とし、「日本でも文化や習慣に敬意を払いながらビジネスを進めていきたい」との姿勢を見せた。
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無料ユーザーがアクティブユーザーとなって有料サービスを利用することで収益が発生
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プラットフォームを利用したパートナーとの共同展開を重視
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■ 動画機能も拡充し、高品質ビデオチャットを予定
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4.0のインターフェイス。各種サービスを1画面に統合
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3月に公開されたWindows版Skpye「3.1」で搭載された機能である「SkypeFind」「SkypePrime」によるビジネスモデルも紹介。SkypeFindはユーザー間で共有できる電話帳サービスで、店舗情報などを登録して共同で編集できる。SkypePrimeはユーザーが課金できる音声サービスで、英会話や占い、恋愛相談といった音声ベースでのビジネスが可能になる。
タムキヴィ氏はSkypeFindを「ユーザーが自由に情報を登録できるWikipediaのような存在で、ユーザーによって情報が広がっていく」と説明。また、Skype上で店舗情報を検索できることで、該当の店舗へSkypeで発信できる、コンタクトリストに登録したユーザーのお勧め情報などが把握できるといった点がメリットとした。
SkypePrimeについては、「こうした有料の音声サービスは気軽に使うことが難しかったが、Skype Primeであれば一般のユーザーも気軽に使えるという点で革新的」とコメント。「情報を提供したい人、情報を入手したい人にとって、簡単な手続きで両者にメリットがある」とし、すでに35,000件のサービスがSkypePrimeに登録されているとした。
動画機能に関しても「インターネットでビデオがブームになっており、コミュニケーションの場としてビデオ機能も取り込んでいきたい」とコメント。すでに公開されているWindows版「3.5」では動画共有サービスの動画をムードメッセージに設定できるようになったほか、今後のバージョンでは高品質版のビデオチャット機能も実装予定だという。
Skype 4.0の画面も公開。4.0ではインターフェイスを一新し、Skypeで提供されているサービスを1つの画面で表示することで利便性の向上が図られているという。タムキヴィ氏は「4.0では使い勝手をシンプルにしていく」としたほか、「Skype Primeにも大きな機能追加がある」と説明。詳細や提供時期などは未定だが、多くの機能拡張を準備しているとした。
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SkypeFind
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SkypePrime
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■ URL
Skype Developer Conference 2nd
http://www.ubion.co.jp/skype/devconf/20071005/index.html
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(甲斐祐樹)
2007/10/05 16:40
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