NAS製品の中には、定期的に保存したデータを他の機器にバックアップする「バックアップ」機能を持つものがあります。また、NASのデータを削除する際に、一時的に保存を行なう「ごみ箱」機能もあります。
■ NASデータの「バックアップ」機能と誤削除を防ぐ「ごみ箱」機能
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図1:NASのデータバックアップ
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NASに限らず、HDDを利用する機器で避けられないのがHDDの故障です。一般論として、冷却をしっかりする(「風の通り道を邪魔しない」「埃に気をつける」など)ことで、それなりに長持ちしやすいとは言うものの、故障するときには故障してしまいます。
故障してから「何とかならないか」と慌てるケースも多いかと思いますが、大抵はなんともなりません。NAS自体は買い直せても、保存したデータを買い戻すことはできません。そこで、「故障する前のバックアップ」が必要になります。もちろん、クライアントにUSB接続型のHDDなどを接続して、ネットワークを経由してNASのデータをバックアップすれば良いのですが、こうした作業はなかなか面倒です。そうして、NASのデータバックアップを取り忘れているときに、それを察したかのようにHDDは故障してしまいがちです。
そこで、NASが装備するUSBポートにHDDなどを接続して、定期的にNAS自身がバックアップ作業を行なう機能を持った製品が登場しています(図2)。バッファローの「Link Station」を例にすると、同社のUSB接続型HDDを繋げると「USBディスク2」として認識されます(画面1)。
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図2:増設HDDへ自動バックアップ
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画面1
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このUSBディスク2の設定項目で「バックアップ」を有効にするとともに(画面2)、バックアップ設定で共有フォルダのデータをUSBディスク2に定期的にコピーする設定を行なっておけば完了です(画面3)。あとは、NASが稼働状態であれば定期的にバックアップが実施されるようになります(画面4)。
これによって、NASのHDDが万一故障しても、保存していたデータはUSB接続のHDDにバックアップされており、失うデータを最小限に抑えられるというわけです。オフィスなどでは、例えば毎日就業時間後にバックアップを実行するといったスタイルも便利でしょう。また、LAN経由で他のNASに自動バックアップする機能を持った製品もあります。
これ以外にも、クライアントからバックアップを取るユーティリティが添付されている場合もあります。USB接続型HDDをNASに接続できない製品などでは、こうしたユーティリティを利用することになります。
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画面5
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またバックアップ関連では、これとは別に「ごみ箱」機能を持った製品もあります。WindowsやMacintoshでは、ファイルを削除すると「ごみ箱」フォルダに移動し、そこでもう1度「ごみ箱を空にする」を選ぶことで本当にファイル削除が行なわれます。
つまり、誤って削除してしまったファイルを元に戻したいという場合に、それが可能になるという仕組みです。これをNAS単体で実現するのが「ごみ箱」機能です。
ごみ箱機能を持ったNAS製品で機能を有効にすると(画面5)、共有フォルダのトップに「Trashbox」フォルダが作成され、削除を指示をしたファイルが同フォルダに移動するようになります。そして、同フォルダ内で削除指示を実施すると、今度こそファイルが削除されるというわけです。「ごみ箱」に慣れた人や、万一の誤削除に備えたい場合には、有効にしておくと便利でしょう。
■ URL
NAS編 索引ページ
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/koko_osa/20269.html
2007/12/17 11:02
槻ノ木 隆 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。 |
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