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NAS編
第12回:PC連動機能


 NAS製品の中には、PCの電源と連動した機能が用意されています。これは、PCが稼働している場合にだけ、NASの電源が入る仕組みです。


PCの稼働状況に応じてNASの電源をオンオフするPC連動機能

図1:PCの状態に応じてNASが稼働
 普段、家庭などでPCの電源を落としている場合では、NASが常時稼働しているのが煩わしいと感じる場合もあるのでしょう。PCなどと比べれば消費電力は小さいとは言え、自室にNASを設置している場合には冷却用FANの音が気になることや、夜中にLEDの光がまぶしいといったこともあるかと思います。

 こうしたニーズに対応すべく、一部メーカーのNASに搭載されはじめているのがPC連動機能です。図1のように複数のPCがNASを利用している環境で同機能を使う場合、どれが1台の電源が入ればNASの電源が連動してオンになり、すべてがオフの状態ではNASの電源もオフになります。これによって、PCが使用状態の場合に限ってNASが自動で起動してくれ、その都度手動でNASの電源をオンにしたり、管理画面からNASの電源をオフにする、といった手間が省けるようになります。

 この機能を利用するには、各クライアントに専用ソフトウェアをインストールさせる必要があります。詳細は公開されていませんが、このソフトウェアとNASが連携して、電源のオンオフが可能になるようです。


図2:PCがオフになると、NASもオフに

 機能自体は便利なものですが、利用にあたっては条件がいくつかあります。具体的には以下の通りです。


(1)外部からのアクセスに対応できない
 電源の連動機能はLAN内にあるPCからのみ利用できるので、インターネットに対してサーバーを公開している場合や、VPN経由などでアクセスするといったケースには対応していません。こうした場合は、電源を常時オンにする必要があります。

(2)利用できるOSに制限がある
 ソフトウェアを利用する関係上、これに対応していないOSを搭載したPCでは利用できません。例えば、バッファローの「PC連動AUTO電源機能」で利用するソフトウェア「NAS Navigator2」では、Windows Vista/XP/2000/Server 2003/MCE 2004/MCE2005とMacOS 10.3.9以降となっています。

(3)使い方の制限
 PCにインストールしたソフトウェアは、当然ながらOSの起動後に立ち上がります。従って、NASに保存したプログラムやデータ類を起動直後に使用しようとしても、NASの起動作業が完了しておらず、上手くアクセスできない場合もあります。

 もっとも、普通にNASを使用する分にはこうした制限はそれほど問題にならないでしょう。自室に置いたNASの音や省電力性に関心がある場合には、検討の価値がある機能と言えます。


関連情報

URL
  NAS編 索引ページ
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/koko_osa/20269.html

2008/03/10 11:01

槻ノ木 隆
 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。
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