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スイッチングハブ編
第1回:スイッチングハブとは何か


 スイッチングハブは、ユーザーから見ると電源タップと似たような存在です。用途は「複数の機器を接続すること」になります。


有線LAN機器の複数台接続する際に便利なスイッチングハブ

 「スイッチングハブ」ですが、これは「スイッチング」+「ハブ」に分かれます。製品自体は「ハブ」であり、その中で「スイッチング方式」を採用している製品をスイッチングハブになります。スイッチングハブ以外では「リピーターハブ」という製品がありますが、現在ではスイッチングハブが普及しており、ハブといえばスイッチングハブと指します。

 次にハブについてですが、英語の“Hub”は、物事や活動の中心、車輪やプロペラなどの中心部といった意味を持ちます。これらと同様に、「ネットワークの中心」になるのがスイッチングハブというわけです。

 詳しくは図1を見ていただくのが、早いでしょう。最近ではPC以外にも、実にさまざまな機器がネットワーク接続に対応しています。こうした機器をネットワークに接続することで、用途が広がり、使い勝手も良くなるのですが、単純に機器同士を相互に繋いでは配線面で厳しいものがあります。また、多くの機器はネットワーク端子は1つしかないので、図1のような接続方法は現実問題として不可能でしょう。


図1:家庭におけるネットワークの状況

 そこで登場するのがスイッチングハブです。これを利用することで、図2のようにスマートな配線が可能になります。家庭用のスイッチングハブは、多くの場合で4~8ポートの口を持っており、これで不足する場合にはスイッチングハブ同士を接続することで、より多くの機器の接続が可能になります。


図2:スイッチングハブを利用

 なお、スイッチングハブ自体は機器同士を相互接続する“だけ”のもので、例えるならば電源タップに近い存在です。従って、これまで説明したルータ製品とは異なる点は注意が必要です。スイッチングハブが電源タップとするならば、ルータは電源メーターとブレーカーに相当するものと考えれば良いでしょう。

 ちなみに、ルータ製品の中にも有線インターフェイスを複数用意している製品がありますが、これは利便性を考えて搭載されているものです。なお、スイッチングハブは当然ながら有線LAN、つまりイーサネットを使って接続する場合にのみ必要で、無線LANで機器をネットワーク接続する場合には不要です。


2008/03/24 10:52

槻ノ木 隆
 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。
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