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ネットワーク対応プリンタ&複合機編
第3回:双方向通信


 通常、印刷作業を行うとき、通信方向はPCからプリンタへの単方向になります。しかし、インクや用紙残量などの状況確認のためにはプリンタからPCへの通信が必要で、双方の通信をサポートしていることを「双方向通信」と言います。


プリンタとPC双方の通信を可能とする「双方向通信」

図1:印刷イメージ
 初期のプリンタの場合、PCから印刷データ(実際に印刷する文字や画像のデータ)を送ると、送信データがそのまま打ち出される単純なものでした(図1)。印刷以外にも、紙送りなどの制御コマンドが送られる場合もありましたが、これもやはりPCからプリンタへの単方向のみです。こうしたモード自体は現在も健在で、プリンタは“原則として”PCからプリンタ方向への通信が可能であれば印刷が行えます。

 しかしながら、近年のプリンタは高機能化が進んでいます。例えば、インクジェットプリンタであれば、インクカードリッジ単位でインク残量を確認できるほか、印刷状況の詳細確認、エラー発生時に「どのようなエラーで、どう対処すべきか」まで表示してくれます。

 これらの状況表示は、印刷データや制御コマンドとは別に、状態問合せとその返答という通信がサポートされたことで可能になりました。このように「PC→プリンタ」と「プリンタ→PC」の両方からの通信が行われることを「双方向通信」と呼びます(図2)。なお、スキャナやメモリカードリーダライターなどを搭載した複合機の場合でも、プリンタからPCへの通信が必要であり、こちらでも双方向通信は欠かせません。


図2:双方向通信のイメージ 図3:単方向通信時のイメージ

 ところで、こうしたプリンタや複合機に対して、単方向通信のみをサポートしたプリントサーバーを接続した場合、どうなるでしょうか(図3)。これは機器によってケースバイケースで、ステータス表示は確認できなくても印刷は正常に行える場合があります。

 一方、印刷自体ができない場合もあります。これはPCからプリンタに対して常時状態の監視を行っているタイプのもので、「状態が取得できない」→「接続がおかしい」→「プリント処理自体を中止」という風に、印刷作業が強制的に中止されてしまうためです。こうしたケースは、プリンタ用のドライバやユーティリティソフトによるため、一概に言いにくい部分もあります(例えば、ドライバを更新したら印刷できなくなるケースもあるので、最新ドライバであれば良いとも断言できません)。

 また、「双方向通信をサポートしたプリントサーバーであれば大丈夫か」というと、こちらも同様に一概に「はい」とは言いにくいのが実情です。以前からあるIEEE 1284タイプの接続であれば概ね大丈夫なのですが、USB接続型のプリンタでは上手く動作しない場合があります。

 一般にプリンタと通信する場合、OSが標準で用意するプリンタ通信用ポートを経由して送受信を行います。こうした場合、プリントサーバーを使用しても問題なく動作するのですが、細かな制御が難しいため、独自の方法でプリンタと通信を行う製品も少なくありません。こうした製品の場合ですと、上述のようにプリントサーバーを導入しただけでは正常に動作しないケースもあり、メーカー独自の通信方式をサポートする専用ソフトウェアが必要になってくるからです。

 以上のようなこともあり、双方向通信に対応したプリンタサーバーを導入する場合、1番確実なのはプリンタメーカーが発売する製品を使用することでしょう。キャノンやエプソン、日本HPなど、主要メーカーはいずれも自社製品での動作を保証した製品をラインナップしています。

 それ以外の周辺機器メーカーでも、バッファローやコレガ、プラネックスなどの各社のプリントサーバーでも動作対応する製品を紹介しています。これらを使いたい場合には、接続するプリンタとの対応状況を調べておけば安心でしょう。


関連情報

URL
  ネットワーク対応プリンタ&複合機編 索引ページ
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/koko_osa/22819.html

2008/08/25 10:56

槻ノ木 隆
 国内某メーカーのネットワーク関係「エンジニア」から「元エンジニア」に限りなく近いところに流れてきてしまった。ここ2年ほどは、企画とか教育、営業に近いことばかりやっており、まもなく肩書きは「退役エンジニア」になると思われる。
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