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豊富なデータでプロ野球をもっと楽しめる「プロ野球Plus」


「プロ野球Plus」トップページ
 9月に入って、いよいよプロ野球のペナントレースも大詰めになってきましたね。今年は楽天の参入や交流戦など目新しいことが多かった球界ですが、気になるのはやはり優勝争いですな。中日と阪神の優勝争いはもちろん、パ・リーグのプレーオフの行方も見逃せません。

 このようなペナントの流れを読むときに、もっとも大切なのはデータですね。今まで記録されてきた各種データを振り返ることで、チームの戦力や個人の能力などいろいろなことが見えてくるものです。この手のデータは以前ご紹介したプロ野球の「リアルタイム中継サイト」でも見られますが、チェックできるのは防御率や得点圏打率などの代表的なものだけです。

 でも、野球が好きな人はもっと細かい情報を知りたいですよね。たとえば最近1週間のみの打率ランキングとか、規定打席以外で活躍しているバッターの情報とか。戦っている選手たちもデータを参考にして配球や守備位置を決めているわけですから、その大元となる生のデータがわかればさらに野球観戦が面白くなるでしょう。

 そんな方にオススメしたいのが、「プロ野球Plus」というサイトです。このサイトはプロ野球に関するさまざまな記録を検索できるデータベースで、各種データを自由に調べられます。これを見れば、野球がもっと面白くなること請け合いですよ!





まずは会員登録!

 まずはトップページにアクセスしてみましょう。タイトルを見ればわかりますが、このサイトはまだベータ版です。とはいえ、すでに充実した検索機能が用意されているので十分楽しめますよ。とりあえず、データベースを使う前に必要なのが会員登録です。ウレシイことに、会費は無料。登録にあたっては、メールアドレスやパスワード、名前、住んでる都道府県などのプロフィールのほか“ファン球団”なんて項目もあります。

 また、お知らせメールを受け取るかどうかも選べるようになっています。このメールを申し込んでおけば、データベースの検索サービスやプロ野球に関するコラムの更新状況がすぐにわかるので、野球好きの人は登録しておいて損はないと思いますよ。登録を終えたら、IDとパスワードを入力してログインしてみましょう。「スーパープロ野球データ」というメニューをクリックすると、データベースにアクセスできます。


会員登録画面




項目が豊富でマニアも大満足!

 それでは最初に、打者の成績を調べてみることにしましょう。検索する際に指定する要素は「項目」「打者の条件」「試合の条件」「期間」の4つです。最初の「項目」には、「打率」「出塁率」「長打率」「本塁打」などのよくあるデータに加えて、「左右投手別成績」「本塁打の飛距離」「ポップフライと三振」「イニング先頭打者としての成績」「救援投手の最初打者としての成績」「先発相手の成績」など、40以上の項目を指定できます。中にはアメリカ球界で選手の能力を図る基準として注目されている「OPS」(出塁率と長打率を足した数字)なんてのもありました。

 その次の「打者の条件」では、全選手はもちろん「規定打席の打者」「規定打席50%に広げる」「規定打席50%未満の打者」「100打数以上」など、これまた細かく設定できます。「試合の条件」では交流戦を除いたり、交流戦だけに絞ったりできるのもイイですな。

 ここまでの項目を選び終わったら、あとは検索ボタンを押せばOKですが、実は一番下の項目を見てみるとさらに表示単位も選べるようになってます。「球場別」や「イニング別」「対戦投手別」「ゲームの勝敗別」など細かく指定できるので、かなりの野球マニアでも満足できるのではないでしょうか。


打者データ検索画面




球審別のデータで絞り込み検索

 今度はチームごとの成績を調べてみましょう。打者データの検索と同じように、こちらも検索項目が豊富でなんと37項目も指定できます。しかもただ項目を集めただけでなく勝敗数や順位、ゲーム差、チーム打率、防御率といった数字は1つにまとめてられているので見やすいですね。もちろん、「打順別の出塁率」「点差別の勝利」「打順別の被本塁打」「打順別の許盗塁」など細かいデータも揃っています。交流戦を含めるかどうかを選べる点も同じで、表示単位も豊富に選択肢が用意されています。

 試しに、今年のペナント開始から7月31日までの間のセ・パ両リーグの打順別の出塁率を調べてみましょう。調べたい項目には「打順別の出塁率」、試合条件には「交流戦を含めた全試合の成績」、期間には「2005/03/26~2005/07/31」と指定して、検索ボタンを押します。検索結果によると、出塁率の平均でトップなのはロッテの0.349で、最下位は楽天の0.308。これが1番打者だけに限ると、トップは阪神の0.400で最下位は西武の0.297となります。

 これだけでも、それぞれのチームの事情がなんとなくわかりますよね。さらに面白いのが、検索結果の表の上にある「絞り込み」項目です。この中に「球審別の成績」というのがあるのですが、こりゃスゴイですよ。やはり審判も人間がやっている以上、選手との“相性”もあります。テレビの中継ではそういう細かいことまで踏み込むことはほとんどないですが、このサイトを活用することで、野球をもっと自由な切り口で見られるわけですね。


チームデータ検索画面 検索結果

球審別の成績




目からウロコの楽しいコラム

 このサイトではNPBのデータのほかに、マスターズリーグの試合結果とデータも掲載されています。かつての名選手が現在どのような活躍をしているかが、このデータを見れば一目瞭然ですよ。また、欽ちゃん率いる社会人クラブチームの「茨城ゴールデンゴールズ」の試合レポートやデータを見られるコーナーもあります。NPBのデータを調べるのも楽しいですが、たまにはほかの動向を見るのも面白いですよ。個人的には、今年から発足した「四国アイランドリーグ」のデータなども掲載してほしいところですが、これからに期待しましょう。

 これらのデータベースを元に球界の現状を分析する「プロ野球コラム」のコーナーも見逃せません。最近のコラムのタイトルをざっと挙げてみると、「背番号66は山本昌に何を言ったのか」「『仰木マジック』でオリックスは3位に入る?」「2位に8ゲーム差の阪神の強さは奪三振にあり?」などなど。いずれも、テレビや新聞などの大手メディアではあまり注目されないデータを取り上げて、ユニークな角度から球界の事情を分析したものばかりです。

 アタシ的に「なるほど!」と思ったのは、8月1日にアップされた「相手先発を徹底して攻め抜く中日の強さとは?」というコラムですね。各球団の「対先発打率」を見ると、中日以外はすべて3割以下なのに、中日だけは0.322と圧倒的に高い。先発投手をことごとく打ち崩していることが中日の強さだ、という趣旨でした。具体的に数字を挙げているから、とても説得力がありますね。このような“目からウロコ”のコラムがこのサイトに来れば読めるんだから、野球ファンなら見ない手はありません。

 野球というのは「記録のスポーツ」と言われるくらい、選手の行動結果が細かく記録されているスポーツで、これが他の団体競技と大きく違うところです。ブロードバンド時代になって、このようなマニアックなデータが誰でも自由に調べられるようになったことで、ますます野球は面白くなっていくのではないでしょうか。では、また!


プロ野球コラム

関連情報

URL
  プロ野球Plus
  http://baseballplus.jp/

2005/09/05 11:07

下柳泰三
自称“書き屋”。ジャンルを選ばず心が揺さぶられればパソコン記事でも映画評でも何でも書く、サスライの原稿執筆人。現在某街歩き雑誌(ヒミツ)をメインに活動中。ホコリをかぶったケーブルモデムを横目に今日も書きまくる!
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