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第14回(最終回):タグ編集が楽になる「HTMLエディター」登場
[2005/06/16]
第13回:新機能「おえかきツール」を使ってみよう
[2005/06/09]
第12回:Amazonアソシエイトを使ってみよう
[2005/05/26]
第11回:アクセス解析を活用しよう
[2005/05/19]
第10回:「gooブログアドバンス」を使ってみよう
[2005/05/12]
第9回:CSS編集でオリジナルデザインに挑戦 その2
[2005/04/28]
第8回:CSS編集でオリジナルデザインに挑戦
[2005/04/21]
第7回:goo RSSリーダーでブログを読もう
[2005/04/14]
第6回:携帯電話で「モブログ」しよう!
[2005/04/07]
第5回:コメント、トラックバックでコミュニケーション
[2005/03/24]
第4回:gooでネタ探し&トラックバックの使い方
[2005/03/17]
第3回:写真入りブログを作ろう
[2005/03/10]
第2回:記事を書いてみよう
[2005/03/03]
第1回:gooブログはどんなブログ?
[2005/02/24]

第11回:アクセス解析を活用しよう


 gooブログアドバンスには「アクセス解析」機能があります。これは自分のブログのアクセス状況が詳しく見られるものですが、ただ漫然と見ていても、あまり意味のあるものではありません。今回はアクセス解析の詳しい見かたと、アクセス解析から得られるデータの利用法を解説します。


アクセスログ解析でわかること

 gooブログでは、毎日早朝5:00ごろに前日のアクセスデータを集計し、閲覧可能にしています。無料版のgooブログでは毎日のアクセス数のみがわかりますが、gooブログアドバンスでは「アクセス解析」サービスがあり、より詳細なデータがわかるようになっています。

 「アクセス解析」の表示ページには次の6つのタブがあり、切り替えることでそれぞれのデータが表示されます。

【閲覧数】
指定した日の0時台から23時台まで1時間ごとに、いくつのアクセス数(アクセスIP数ではなく、閲覧数。同一アクセス元からの複数アクセスも含む)があったかをグラフで表示します。

【訪問者数】
指定した日の0時台から23時台まで1時間ごとに、いくつのアクセスIP数(同一アクセス元が複数のページを見ても、1IPとしてカウント)があったかをグラフで表示します。

【ページごとアクセス数】
正確にはURLごとに、自分のブログのどのページがどれだけ閲覧されたかを表示します。「http://blog.goo.ne.jp/○○/」と「http://blog.goo.ne.jp/○○」のように最後のスラッシュのあるなしで別のページとしてカウントされてしまったりもしますが、記事単体ページごとに閲覧数を集計してくれるので、どの記事がよく読まれているかを知ることができます。

【アクセス元URL】
「リファラ(参照元)」とも呼ばれるもの。どのページからのリンクで、自分のブログを見に来た人がいるかが分かります。ほかのブログで自分の記事が取り上げていることで閲覧が増えた場合など、このアクセス元URLを調べることで、どこでリンクされているかを知ることができます。

【検索ワード】
Google、Yahoo!、gooなどの検索エンジンから自分のブログにアクセスした人が、どんなキーワードを入力したかがわかります。有名人の名前を記事中に書いたらその名前で検索した人のアクセスが増えたり、映画や小説、ゲームの名前でのアクセスがあることもあります。

【ブラウザ】
自分のブログを読んでいる人が、どのWebブラウザを使っているかがわかります。gooブログは携帯電話からも閲覧できるので、携帯電話のキャリア名が表示されることもあります。


無料版でもアクセス数だけは閲覧できる 「ページごとのアクセス数」では、どの記事がよく読まれているかがわかる

「アクセス元URL」では、ブログにリンクしているほかのページを見つけられる どんなキーワードで検索した人が来たかがわかる「検索ワード」

心の支えに役立てよう

 アクセス解析で得られるデータは、ブログのアクセスアップに役立てることができます。でも、その前に、モチベーション向上に役立てましょう。方法は簡単で、アクセス数のグラフを見たり、アクセス元や検索ワードを見ながら、どこの誰とも知れない人が、自分のブログを読んでいる、自分は孤独じゃないんだ! という思いをかみしめるのです。

 ……と書くと冗談のようですが、ブログを読んでくれる人がいることを実感することで、モチベーションを高め、維持していくことは、とても重要だと思います。ブログはコメントやトラックバックで反響を得やすいものですが、それにしても、普通に書いているだけではコメントやトラックバックはなかなか付かないものです。孤独に記事を書き続けているだけだと、アウトプットばかりでインプットされるものがなくなり、意欲が途切れてしまいがちです。

 そんなときにも、アクセス解析のデータは「ものいわぬ読者」――かっこよくいえば「沈黙のオーディエンス」とでも呼ぶべき人たちの存在を、確実に証明してくれます。彼らは特別にリアクションを起こしませんが、あなたの書いた記事を読んで、おそらくはなにかしらを感じてくれていることでしょう。

 この沈黙のオーディエンスたちに向けてメッセージを送ることの積み重ねが、ある日のコメントやトラックバック、アクセス数の増大に繋がります。そして、そこまで自分のモチベーションを維持し続けることが、大きな楽しみや、あなたの書き手としての実力向上にも繋がるのです。

 沈黙のオーディエンスに向かって語る(つまり、何のリアクションも見えない中で淡々と記事を書き続ける)ということに不慣れである、寂しさに耐えられないタイプだと自覚している方には特に、アクセス解析で「読まれた」ことを確認する行為が、モチベーション維持のために重要な意味を持つのです。

 私もアクセス解析を日に数回は見て、今日はいくつアクセスがあったとか、どこそこで記事が取り上げられ、たくさんの人が見に来たなとかデータを眺めたり、昼間に見に来ている人は会社の昼休みに読んでいるのかなとか、「着エロ」で検索してうちのブログを見た人はガッカリしただろうな、などと妄想したりしては、それを心の支えにしています。


解析データをアクセスアップに役立てるには

 アクセスアップ――アクセス数を増やすためにも、アクセス解析は役立ちます。とはいえアクセス解析結果を眺めているだけでアクセス数が増えるわけではありません。アクセス解析によって得られるデータから、アクセスアップの「傾向と対策」を考えるわけです。

 おもに参考にするのは、「ページごとのアクセス数」、「アクセス元URL」、「検索ワード」の3つです。そして、アクセスを増やすために「(アクセスが集まる流れの)仮説を立てる→仮説に合わせて記事を書く→アクセス解析で検証する」という作業を繰り返します。

 まず、アクセス数を増やすために、どんな人にどんな記事を読まれたいか、という具体的なイメージを描き、それを「仮説」としてます。たとえば、「今日観た映画について、個人的な経験も交えた主人公の行動分析を書くことで、他にないユニークな記事になるので、同じく映画を観た人たちの集めるのではないか」といったことを考えます。

 短期的に考えて、アクセスを集めるには「ほかのブログに注目される」か、「よく検索されているキーワードを盛り込んで、検索にひっかかる」ことが重要です。この仮説では、映画に関連したキーワードで検索されることも意識しつつ、ほかのブログに注目され、紹介してもらうことを主に意識しています。

 次に、仮説に合わせて記事を書きます。今日観た映画について、個人的な経験を交えつつ主人公の行動分析を書いてみましょう。

 翌日になったら、アクセス解析を見て、結果を検証します。検索から人が集まることを予想していたのなら、まずは「検索ワード」を見てみましょう。いきなり翌日では検索エンジンの検索対象になっていない可能性もあるので、これは毎日継続的に確認する必要があります。

 「検索ワード」は、自分のブログにアクセスした人がどんな情報を期待してきたか、が端的にわかるデータです。映画の作品名での検索が多ければ、みんなその映画に対する情報を求めている、ということになります。キャストの名前での検索が多ければ、作品そのものよりもキャストに関心があるのかな? ということが読み取れます。

 「アクセス元URL」にあるページを見ていくことで、自分の記事が他のサイトでどのように取り上げられたかがわかります。時には、意外な人気ブログが取り上げてくれていたり、どこかの掲示板で話題になっていたり、ということもあるでしょう。

 また「ページごとのアクセス数」を見ると、どんな記事が読まれているのかがわかります。狙った記事が狙いどおりによく読まれていることもあれば、何気なく書いた独り言のような記事に、やけにアクセス数があることもあります。


 このようなアクセス解析結果をいつも見ていると、「何を取り上げると、どう書くと、どんなタイミングで書くと」アクセスがあるか、読者は何に関心を持っているのか、という傾向が、だんだん読めるようになってきます。例えば映画の話なら、公開前からキャストの話や自分の期待している点などの話を書いておくことで、作品名などの単語が検索エンジンに登録され、アクセスが集まるようになります。そうしておいて公開後に感想を書き、先に書いていた記事から感想にリンクを張れば(または自分のブログ内でトラックバックすれば)、そこからアクセスを誘導できるようになります。

 そのほかにも、ちょっと期待を持たせるような書き方の方がアクセスがあるとか、コンスタントに書き続けないとアクセスが減るとか、さまざまなことがアクセス解析から読み取れ、そこから独自の「読まれるブログ運営ノウハウ」とでも呼ぶべきものが作れるようになります。


アクセス解析に対するスタンスはさまざま

 ここでは、単純に「心の支えに利用する」と、細かく戦略的に「アクセスアップのために利用する」という、2通りのアクセス解析の利用法を紹介しました。

 これとは別に、リアクションはコメントやトラックバックがあるかないかでいい、読者に媚びたようなアクセスアップ策も取りたくない、というような考えもあるでしょう。趣味で書くブログですから、自分が満足できればどのような方法でもいいと思います。

 ただ、先にも書きましたが意外とコメントやトラックバックはないもので、また、リアクションがない中で「沈黙のオーディエンスに向かって語り続ける」というのには、強い精神力が要求されます。ふと、ブログを書くのに疲れたときや、どうすればいいかわからなくなってきたときには「そうだ、アクセス解析見てみよう」と思い出してください。gooブログアドバンスは、申し込み月の料金は無料です。


コラム:gooブログスタッフ直撃インタビュー

 今回は、gooブログ立ち上げ時の中心スタッフ・清水栄治さんにインタビューしました。

――gooブログの立ち上げ作業は、いつごろから始まりましたか?

 検討を開始したのは、2003年の春くらいでした。当時の日本には個人開設のブログしかない状態で、海外のブログサービスを苦労して調査していました。実際に開発に取りかかったのは、同年の秋くらいからです。

――立ち上げでいちばん苦労したことは?

開発予算とスタッフが少なかったことですね。ありとあらゆるところを工夫しなければならず大変でした。

――当初のgooブログのコンセプトは?

初心者でも簡単に開設/運営できるホームページサービスです。初期開設時の登録ステップを極力簡易にできるよう工夫しまいた。またgooらしさという意味で 検索にも力を入れました。

――現在は20万ユーザーを超えました。

当初の予想をはるかに超える、大変うれしい数字です。また同時に責任感を感じますね。

――gooブログをやっていて、いちばん嬉しいのはどんなときですか?

やはりスタッフブログや問合せ欄に寄せられる応援のコメントやメールです。

――逆に辛い、苦しいのはどんなときですか?

うれしいときの逆で、厳しいコメントをいただいたりするときです。やはりお使いいただいている会員の方からのクレームが一番こたえます。

――毎月300円(gooブログアドバンスの料金相当)貰えたら、何に使いますか?

洗車でもしたいと思います。



URL
  gooブログ
  http://blog.goo.ne.jp/

2005/05/19 11:00

山田貞幸
編集スタッフとしてgoo内の企画、コンテンツ制作に携わる一方で、ライターとしても活動中。ホームページはこちら
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